春のヘッドフォン祭 2010【ゼンハイザー/ロジクールなど】
-NC/Bluetooth搭載「PXC 310BT」など。「UE18 Pro」も披露
東京・中野にあるAV機器の専門店フジヤエービックのデジタルスタイルショップが主催する「春のヘッドフォン祭 2010」が5月8日に行なわれた。場所は中野サンプラザ15階で、入場は無料。
ここでは、ノイズキャンセル/Bluetooth対応ヘッドフォンを展示したゼンハイザーや、Ultimate Earsのカスタムインイヤーモニター最上位「Ultimate Ears 18 Pro Custom Monitor」(UE18 Pro)を出展したロジクールなどのブースを紹介する。
■ ゼンハイザー
NC/Bluetooth搭載の「PXC 310BT」 |
ポータブルヘッドフォンの新製品として、アクティブノイズキャンセル(NC)機能と、Bluetooth機能を内蔵したヘッドフォン「PXC 310BT」を披露。5月中の発売を目指しており、価格は39,800円前後。
これまで同社はBluetooth対応モデル「PXC 210BT」や、NC搭載モデル「PXC 310」を販売しているが、これらの機能を併せ持つモデルとなる。90%のノイズ低減効果を持つという「NoiseGard 2.0」を採用。NCをOFFにして再生することも可能となっている。
ハウジング部にボリュームコントローラや、早送り/巻戻し、再生/停止ボタンも備える。Bluetooth 2.1に準拠し、プロファイルはA2DP/AVRCPをサポート。有線接続にも対応し、ステレオミニケーブルが付属する。周波数特性は15Hz~22kHz。インピーダンスは590Ω/100Ω(NC ON/OFF)。出力音圧レベルは107dB。連続再生時間は、NC使用時が約20時間、Bluetooth使用時が約12時間、NC+Bluetooth併用時が約8時間。
イヤーパッド部 | 内蔵バッテリ | ヘッドフォンでは、「HD800」など人気のハイエンドモデルも展示していた |
イヤフォンでは、アディダスとコラボレーションしたスポーツイヤフォン「680」シリーズや、ラインナップを一新した「Expresion Line」(980シリーズ)、「Classic Line」(880シリーズ)などを展示していた。
アディダスとコラボした「680」シリーズ(手前)などイヤフォンの現行モデル | 「Expresion Line」(980シリーズ)。ステレオミニプラグに回転機構を備え、利用状況に応じてストレート型/L型プラグのどちらでも使える | 「Classic Line」(880シリーズ) |
■ ロジクール
1月に米国で発表した、Ultimate Earsブランドのカスタムインイヤーモニター最上位モデル「Ultimate Ears 18 Pro Custom Monitor」(UE18 Pro)を出展。なお、日本国内での発売は決まっていない。
この製品は、オーディオファンやプロミュージシャン向けのモデルと位置づけられており、ユーザーの耳型に合わせてハウジングを成型するが、今回のイベントでは、一般的なイヤフォンのようにイヤーピースを使って装着できるようにカスタマイズした試聴用モデルを用意。耳にフィットする装着感などは実際の製品とは異なるが、最上位モデルの音質を体験できる貴重な機会とあって、ブースには試聴を待つ行列ができていた。
バランスド・アーマチュアユニットを搭載したモデルで、同社初という、6個のユニットを内蔵しているのが特徴。内部は右図のようになっており、ユニットは3個に見えるが、1つの中に2つのアーマチュアユニットが入っており、合計6個となる。
音の傾向について同社では「透明感のある中音域と、伸びのある高音、パワフルで重みのある低音が堪能できる」としている。ミッドレンジ+ローレンジ用と、高域用のユニットの前に、個別のチューブ状の音道パーツ「インライン フィルタ」を設置。各帯域をバランスよく別々の経路で送出するという。 再生周波数帯域は20Hz~18kHz。入力感度は110.6dB(1kHz)、インピーダンスは21Ω。遮音性は-26dB(オプションでカスタマイズ可能)。
UE18 Proの試聴用モデル | 同社初という、6個のバランスド・アーマチュアユニットを内蔵している |
■ zionote
ポータブルDDC/DAC/ヘッドフォンアンプの上位モデル「nano/V」 |
zionoteのブースでは、韓国ジヌンエレコムの「JAVS」ブランドのヘッドフォンアンプ内蔵USB DDC/DAC「nano/S」(発売中)を展示しているほか、開発中としていた上位モデル「nano/V」も展示。nano/Vは6月の発売を予定しており、価格は15,000円以下となる見込み。
nano/Vは、nano/Sと同様に小型筐体にUSB DDC/DACを搭載した製品で、パソコンの音声を最大24bit/96kHzでデジタル出力またはアナログ出力可能。nano/Sとの違いとして、出力端子を2系統備え、一方はアナログ/光デジタル兼用、もう一方はアナログのみとなっている。また、本体にボリュームボタンも備えている。
nano/S(左)とnano/V(右) | nano/Vのヘッドフォン出力は2系統。うち1系統は光デジタル兼用 | nano/VのUSB入力端子部 |
ブースには、京友禅の作家がデザインしたという特別バージョンのnano/S(左)や、Styleaudio製「CARAT-EMERALD」(右)も参考展示。発売するかどうかは現時点では未定。 |
オーディオ用PC「ziospec」シリーズの試作機 |
zionoteでは韓国SOtM(ソム)製品の取扱いも5月より開始している。今回は、同社製品を用いた新たな展開として、オーディオ向けパソコン「ziospec」の試作機を参考展示した。ziospecは、パソコンショップのオリオスペックと共同で立ち上げる新ブランドで、製品の発売時期などは未定。
特徴は、SOtMのシリアルATA接続ノイズフィルタを搭載していることで、SSD用と、HDD用に異なるノイズフィルタパーツを装着。振動ノイズなどの影響を排除している。また、USB端子部もオーディオ向けのパーツを使用。専用の拡張ボードを用いており、電源をマザーボードから取らずに電源ユニットから直接入力するなど、ノイズ対策を行なっている。OSはWindows XP Embeddedを用いており、音の良いOSセッティングをした上で販売する。
HDD用(左)、SSD用(右)にSATA接続のノイズフィルタを装着。それぞれの特性に応じたノイズ除去を行なうという | 縦に挿してあるのがUSB端子カード部 |
同じくSOtMのパーツを用いた小型モデルも展示していた | そのほか、zionoteブースでは、Styleaudioの「CARAT」シリーズや、「CLICKTRONIC」製のHDMIケーブル、光デジタル音声ケーブル、USBケーブルなどを展示 |
■ そのほか
インターシティのブースでは、iPodデジタル入力にも対応するヘッドフォンアンプ「DASH 1」の試作機を参考展示。DAC内蔵モデルと、DAC無しモデル、ADC/DAC搭載モデルの3製品を用意し、DAC搭載モデルの価格は12万円前後。年内の発売を予定している
USB端子や、光/同軸デジタル入力、アナログRCAを装備。最大24bit/96kHzの入力に対応予定としているが、最終的な仕様は検討中。
「DASH 1」の試作機。端子などは変更されることもある | そのほか、同社ブースでは、'09年11月に発売したバランス入出力対応アンプ「MBA-1S」(下)、「MBA-1 Platinum」(上)が来場者から注目されていた | こちらは、バランス入力対応で、出力がアンバランスのみの「MSA-1S」 |
KE29 |
ティアックのKOSSブースでは、'09年12月から発売しているカナル型イヤフォン「KE29」シリーズなどを展示。「KE24」にボリュームボタンを加え、8色のカラーバリエーションを用意したことが特徴。価格は3,000円前後。
また、同ブースで注目されていたのは耳掛け型の「KDE/250」。20mm径のウーファと13mm径のミッドレンジ/ツィータの2ウェイ型で、'09年6月のモデルながら、ユニットを耳穴に垂直に挿入する独特の装着感などで注目する来場者も多かったという。
KE29のカラーは8種類 | ケーブル中間部にボリュームコントローラを装備 | 耳掛け型で2ウェイユニット搭載の「KDE/250」 |
(2010年 5月 10日)
[AV Watch編集部 中林暁]