ソニー、120Hzで3D/USB HDD録画対応の「BRAVIA EX720」
-スタンダード機も3D。新映像回路「X-Reality」搭載
KDL-55EX720 |
ソニーは、120Hzパネルで3D表示を実現する液晶テレビ「BRAVIA EX720シリーズ」と「EX72Sシリーズ」を3月13日より順次発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は16万円~43万円前後。
いずれも、別売のアクティブシャッターメガネを利用することで、3D映像を楽しむことができるフルHD液晶テレビ。EX720シリーズは32~60型までの5モデルをラインナップする。EX72Sシリーズは、EX720シリーズの基本仕様を踏襲しながら、総合出力40Wの大型スピーカーを追加した高音質モデルで、32~46型の3モデルを用意する。
製品名 | サイズ | 発売日 | 店頭予想価格 |
KDL-60EX720 | 60型 | 4月17日 | 43万円前後 |
KDL-55EX720 | 55型 | 3月13日 | 31万円前後 |
KDL-46EX720 | 46型 | 25万円前後 | |
KDL-40EX720 | 40型 | 19万円前後 | |
KDL-32EX720 | 32型 | 16万円前後 |
製品名 | サイズ | 発売日 | 店頭予想価格 |
KDL-46EX72S | 46型 | 3月20日 | 27万円前後 |
KDL-40EX72S | 40型 | 21万円前後 | |
KDL-32EX72S | 32型 | 3月27日 | 18万円前後 |
KDL-60EX720 | KDL-55EX720 | KDL-40EX720 |
KDL-46EX72S | KDL-40EX72S | KDL-32EX72S |
KDL-60EX720 | KDL-46EX72S | KDL-32EX72S |
■ 32型もフルHDで、入門機でも3D。新エンジン「X-Reality」やUSB HDD録画も
KDL-55EX720。6度のチルト機能も装備する |
EX720/EX72Sシリーズともにスピーカー以外の基本仕様は共通で、EX720は32~60型までの5モデルを、EX72Sは32~46型までの3モデルをラインナップする。各モデル2倍速/120Hz駆動の1,920×1,080ドットフルHDパネルを採用し、別売の3Dアクティブシャッターメガネ「TDG-BR100」(実売12,000円)を追加することで、3D対応となる。バックライトはエッジライト型のLED。
特徴は2倍速/120Hzパネルながら、3D表示を実現したこと。これまでソニーを含む多くのメーカーの3D対応液晶テレビでは4倍速/240Hzパネルを採用していた。3D表示時の見難さに原因となる二重像(クロストーク)を防ぐためには、高速な書き換え処理が必要なため、4倍速駆動が必須とされていたが、EX720/EX72Sシリーズでは新開発のタイミングコントローラを採用することで、パネルの書き換えスピードを大幅に改善。さらに、バックライトを上下に分割駆動することで、クロストークを大幅に抑制し、「4倍速3Dと同等」という低クロストーク化を実現したという。
ソニーではこの技術を「モーションフローXR 240」というブランド名で展開。スタンダード機と位置づけるクラスの製品でも3Dを実現したことで、3Dの本格普及を目指す。
チューナは地上/BS/110度CSデジタルと地上アナログを各1基搭載する。新たに別売のUSB HDDへのデジタル放送録画機能を搭載した。ただし、チューナが1系統のため、番組録画中はチャンネル切り替えは行なえない。また、録画した番組を他のレコーダなどにダビングすることはできない。
X-Realityのイメージエンハンサーの各機能 |
高画質化のためには新映像処理回路の「X-Reality」を搭載。従来のブラビアエンジン3の高画質機能に加え、インテリジェントイメージエンハンサーや、強化したMPEGノイズリダクションなどを追加した新LSIで、今後のBRAVIAの映像処理の中核を担うものとなる。
X-Realityは、被写体本来の光沢感や色合いを再現するほか、新開発のオブジェクト型超解像処理を導入し、自然な輪郭表現や色再現を実現するという。加えて、ランダム/ドット/ブロック/モスキートの各ノイズリダクション機能を搭載し、ざらつきの少ない高画質を実現できるという。
また、「人感センサー」も搭載しており、一定時間、画面の前を離れると自動的に消画し、席に戻ると再び画面を出画する。
イメージエンハンサーの動作イメージ | 平坦部検出のイメージ | ブロックノイズ低減のイメージ |
モスキートノイズ低減のイメージ | ドット妨害低減のイメージ | ランダムノイズ低減のイメージ |
KDL-40EX720(左)とKDL-40EX72S(右)。違いはバー形状のスピーカーの有無 | KDL-40EX72Sのスピーカー部 |
EX720シリーズとEX72Sシリーズの大きな違いはスピーカー。EX720シリーズでは、60型が10W×2ch+10Wの2.1chスピーカーシステムを、32~55型までは10W×2chのフルレンジスピーカーを内蔵し、S-Forceフロントサラウンド 3D(32型はS-Forceフロントサラウンド)によるサラウンドを実現する。
一方のEX72Sシリーズは、テレビ側にフルレンジユニット×2で、出力10W×2chのスピーカーを内蔵するほか、さらにフルレンジ×2/出力20W×2chのサウンドバーも搭載し、総合出力は60Wとし、音質向上を図っている。さらに、S-Forceフロントサラウンドも搭載し、バーチャルサラウンドを実現する。なお、サウンドバー部と本体の間は、バーから直出しのアナログケーブルで接続する。
■ スマートフォン連携やFeliCa、Skype対応などネットワークを大幅強化
RF方式の「おき楽リモコン」を採用 | Felicaリーダも搭載する |
ネットワーク機能も搭載。Ethernetを装備するほか、別売の無線LANアダプタ「UWA-BR100」に対応する。また、全モデルで無線(RF)方式の「おき楽リモコン」を採用し、テレビとの双方向通信に対応。FeliCaを使った機能なども図られている。
新ビデオオンデマンドサービス「Video On Demand powered by Qriocity」に対応し、ハリウッド最新作など200作品以上をHD/SDのビデオストリーミングで楽しめる。3Dコンテンツにも対応予定。
ブラビアネットチャンネルでは、アクトビラ ビデオ・フルに加え、YouTubeやDMM.TV、アプリキャストなどに対応。さらに、<ブラビア>ポストカードを拡張し、Life-XやFlickrなどの写真共有サービス上の写真も表示できるブラビアネットフォトも利用可能となっている。また、DLNA/DTCP-IPのクライアント機能「ソニー ルームリンク」にも対応する。Twitterアプリも搭載し、テレビを見ながら画面の右側にツイートを表示できる。視聴中の番組に関するツイートのみを表示することも可能という。
Video On Demand powered by Qriocityに対応 | スマートフォン用アプリMedia Remoteで操作可能に |
リモコンに「TrackID」ボタン |
新機能としてテレビ番組で流れている楽曲をその場で検索できる「TrackID」を搭載。GracenoteのCDDB技術やMusicID技術を採用し、リモコンのTrackIDボタンを押すだけで、テレビで流れている楽曲情報(アーティスト名や曲名、アルバム名)などをネットワーク経由で取得し、テレビで自動で表示する。
Skypeにも新たに対応。2011年春のアップデートを適用し、別売のテレビ用Skypeアクセサリ「CMU-BR100」を追加することで、テレビからSkypeを使った通話が楽しめる。
TrackIDの曲情報表示 | アルバム情報表示 | アーティスト情報表示 |
検索機能 | 検索履歴も確認できる |
さらにスマートフォン連携機能を搭載。2011年春のアップデートで対応するとともに、AndroidやiOS用にアプリケーション「media remote」を提供する。BRAVIAの基本操作がアプリ側から行なえるほか、YouTubeの検索などの文字入力をスマートフォンのキーボード機能を使って行なえるなど、テレビとスマートフォンを連動して使えるようになる。また、TrackID機能も備えており、テレビから気になる音楽が流れた際にスマートフォンを振る(シェイク)と音楽検索を行なえる。
FeliCa連動機能も2011年春のアップデートで対応予定。おき楽リモコンに備えたFeliCaリーダを使って、テレビでEdyやWAONなどの電子マネーの残高照会や利用履歴の確認が行なえる。
インターフェイスも一新。従来のソニー製品で基本となっていたクロスメディアバー(XMB)を廃止し、下段にコンテンツ種類を、右段に入力端子などを表示する新しいデザインとなっている。
HDMIは4系統装備し、ブラビアリンクに対応。D5入力×1、コンポジット×1、アナログRGB(D-Sub15ピン)×1などを装備する。
型番 | KDL-60EX720 | KDL-55EX720 | KDL-46EX720 | KDL-40EX720 | KDL-32EX720 | ||
サイズ | 60型 | 55型 | 46型 | 40型 | 32型 | ||
パネル解像度 | 1,920×1,080ドット | ||||||
倍速機能 | モーションフローXR240 | ||||||
3D | ○(メガネ別売) | ||||||
チューナ | 地上/BS/110度CSデジタル×1、地上アナログ×1 | ||||||
スピーカー出力 | 10W×2ch+10W | 10W×2ch | |||||
サラウンド | S-Forceフロントサラウンド3D | S-Forceフロント サラウンド | |||||
入出力端子 | HDMI入力×4、D5入力×1、コンポジット入力×1、アナログ音声入力×2、 アナログRGB入力(D-Sub15ピン)×1、光デジタル音声出力×1、Ethernet、USB×2 | ||||||
消費電力 (待機時) | 172W(0.15W) | 171W(0.15W) | 126W(0.15W) | 121W(0.15W) | 98W(0.15W) | ||
年間消費 電力量 | 163kWh/年 | 162kWh/年 | 124kWh/年 | 123kWh/年 | 86kWh/年 | ||
外形寸法 (幅×奥行き×高さ) | 138.9×32×86.9cm | 126.9×31.5×79.9cm | 107.8×26×69cm | 94.3×25×61.6cm | 75.5×21.6×51cm | ||
重量 (スタンド含む) | 31.6kg | 25.4kg | 17.9kg | 14.4kg | 10.4kg |
型番 | KDL-46EX72S | KDL-40EX72S | KDL-32EX72S | |
サイズ | 46型 | 40型 | 32型 | |
パネル解像度 | 1,920×1,080ドット | |||
倍速機能 | モーションフローXR240 | |||
3D | ○(メガネ別売) | |||
チューナ | 地上/BS/110度CSデジタル×1、地上アナログ×1 | |||
スピーカー出力 | サウンドバー20W×2ch 本体10W×2ch | |||
サラウンド | S-Forceフロントサラウンド | |||
入出力端子 | HDMI入力×4、D5入力×1、コンポジット入力×1、アナログ音声入力×2、 アナログRGB入力(D-Sub15ピン)×1、光デジタル音声出力×1、Ethernet、USB×2 | |||
消費電力 (待機時) | 未定 | |||
年間消費 電力量 | 未定 | |||
外形寸法 (幅×奥行き×高さ) | 107.8×26×77.8cm | 94.3×25×70.4cm | 75.5×21.6×59.8cm | |
重量 (スタンド含む) | 21.7kg | 18kg | 13.5kg |
(2011年 1月 20日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]