エソテリック、デュアルモノ構成のプリメイン「I-03」

-10㎏超の大型電源/高剛性シャーシ採用。63万円


I-03

 エソテリックは、プリメインアンプ「I-03」を4月1日に発売する。価格は63万円。

 オリジナルマスターの音楽情報をそのままリスナーに伝える「Master Sound Works(マスターサウンドワークス)」の思想を凝縮したというプリメインアンプ。「セパレートアンプのオーディオ技術を妥協なく一体型に結集する」という開発プロセスのもとで生まれている。

 プロスタジオ用のパワーアンプ設計のノウハウを投入。「Esoteric MSW(Master Sound Works) Pure Class D」パワーアンプブロック2台を各チャンネルに独立して搭載するデュアル・モノ構成で、最大出力は320W×2ch、定格出力は240W×2ch(いずれも6Ω)。高効率/ハイスピードな最新型MOS-FETを3パラレルプッシュプル構成で搭載し、優れたスピーカードライブ能力を持つという。さらに、10㎏を超える重量のカスタムトランスや、大型コンデンサで構成されたアナログ電源回路を採用している。

 プリアンプ部は、同社セパレートアンプ「C-03」の技術を継承。L/R完全独立基板のデュアル・モノ構成で、プリアンプ専用のシャーシコンパートメントを2mm厚のスチールプレートで分割し、L/R用に2枚のプリアンプボードを備えている。

 ボリュームコントローラは、フロントパネルのボリュームノブからコントロール信号を左右2台のプリアンプに伝え、各プリアンプボードに独立搭載されたボリュームコントロールアンプを一括駆動させる「Esoteric DVC(Dual-mono Volume Control) System」を採用。チャンネルセパレーションに優れているほか、オーディオ基板からボリューム素子への配線を不要とし、オーディオ信号経路を大幅に短縮している。このDVC Systemを制御するコントロール基板は、プリアンプボードとは別のコンパートメントに収納し、別電源化されているほか、操作を受け付けた時以外はコントロールマイコンを完全停止、ノイズの発生を抑えている。

 プリアウト/RECアウトを切り替え可能なアナログRCA出力を1系統備え、バイアンプ/マルチアンプ駆動へのシステムアップにも対応可能。プリアウト出力時はパワーアンプへの信号に対し、任意のレベルオフセットを設定できるため、入力ゲインの異なる外部パワーアンプとの接続が可能となっている。内部パワーアンプの駆動を止める「パワーアンプシャットダウン機能」も備えている。そのほか、パワーアンプを駆動せず、プリアンプからの音声をヘッドフォンで聴くことも可能。

背面

 シャーシは、ハイエンドSACDプレーヤー「Kシリーズ」の高剛性構造を踏襲。各回路ブロックを専用のコンパートメントに収め、立体的に配置して相互干渉を抑えつつ最短の信号経路を実現する「3D オプティマイズド シャーシ構造」を採用。内部シャーシは5分割構造で、各チャンネルに分離した2枚のプリアンプ基板は背面端子に最も近い専用コンパートメントに配置している。

 プリアンプから最短の信号経路で接続された2台のEsoteric MSWパワーアンプブロックはシャーシの左右の専用コンパートメントにレイアウト。アルミブロックを介して左右のサイドパネルにマウントし、サイドパネルをヒートシンクとして使っている。約10kgの電源トランスはセンターに配置し、5mm厚のスチール製ベースプレートを介してボトムシャーシに固定。ボディ全体を独自のピンポイントフットで3点支持し、振動を抑制している。

 フロント/側板/天板とフロントコーナー部に肉厚アルミ材を採用し、Kシリーズ同様に、ビスを排除した天板やコーナー部のラウンドフォルムを採用。プリアンプのボリュームノブと入力セレクタはアルミブロックからの削り出し。

 入力はアナログ音声5系統(XLR×2、RCA×3)で、RCA2はAVプリ入力として使用できるほか、RCA3はライン/MM/MCの切り替えが可能。出力はアナログ(RCA)1系統。スピーカー端子はスクリュータイプで1系統。周波数特性は5Hz~70kHz(+1dB/-3dB、6Ω)、全高調波歪率は0.03%(1kHz、6Ω)、SN比は110dB。最小適合インピーダンスは4Ω。消費電力は280W。外形寸法は445×468×162㎜(幅×奥行き×高さ)、重量は約31kg。リモコンが付属する。



(2011年 3月 1日)

[AV Watch編集部 中林暁]