パイオニア、HVT駆動の薄型車載スピーカー2モデル

-無指向性のセンター/サテライト。サブウーファも


 パイオニアは、「カロッツェリア」ブランドのカーオーディオ新モデルとして、「両面駆動HVT方式」を採用するサテライトスピーカーとアンプユニット付きセンタースピーカー、アンプ内蔵サブウーファを5月下旬より順次発売する。各製品の発売時期や価格は下表の通り。

製品型番発売時期価格
HVT方式サテライトスピーカーTS-STH7006月下旬31,500円(2台1組)
HVT方式センタースピーカー
+アンプ
TS-CH700A7月下旬26,250円
アンプ内蔵サブウーファTS-WX110A5月下旬18,900円


■ HVT方式のサテライト/センタースピーカー

左がセンタースピーカーのTS-CH700A、右がサテライトのTS-STH700

 いずれも、「HVT(Horizontal-Vertical Transforming)方式」を採用した2ウェイスピーカー。センタースピーカーのTS-CH700Aには最大出力50Wのアンプユニットも付属する。薄さと高音質の両立を図ったHVT方式により、幅広い車種に取り付けられ、車室内で広がりのある音場空間を楽しめるという。センターのTS-CH700Aは薄さ41mmで、「様々なダッシュボード形状になじむステルス性を実現した」としている。

 現在、同社のHVTスピーカーの振動板は片面駆動で単一指向性のものと、両面駆動で無指向性の2種類で、駆動系としてはダブルモーター/シングルモーターの2種類があるため、合わせて4つのバリエーションがある。2010年2月に発売されたHVT車載スピーカーの「TS-STH1000」(42,000円)は超薄型ながら駆動力が大きい片面駆動/ダブルモーター式だが、今回のTS-CH700AとTS-STH700は、両面駆動/シングルモーターを採用。小型筐体ながら高音質化できたという。

 両面駆動方式は無指向性の音場空間を創出することが特徴だが、同社は「従来の無指向性スピーカーとされる『コーン型スピーカーの対向配置』や『多面体スピーカー』では、間接音成分が増えるものの、聴く位置によって音色が変わる問題がある」と指摘。HVTスピーカーでは、薄型のツイータを少ない距離差で両面に配置することにより、可聴帯域で理想的な無指向特性になるという。

薄型化したことで、様々な車室に対応可能としている。写真はTS-STH700TS-STH700の薄さは18.6mmセンタースピーカーのTS-CH700Aはアンプユニットが付属


TS-STH700の内部構造と、車内取り付けイメージ

 サテライトのHVTユニットは57×30mm(66mm径相当)、センターも57×30mm(66mm相当)。いずれも、22mm径のソフトドームツイータを搭載する。再生周波数帯域はサテライトが110Hz~40kHz、センターが180Hz~40kHz。出力音圧レベルは80dB、インピーダンスは4Ω。

 本体デザインは「Sound Wing」をコンセプトとしており、外周にブルーのLEDイルミネーションを内蔵。外装はグリルはパンチングメッシュを用いている。

 取付方法としては、より柔軟な設置が可能なポールジョイント型の金具を新開発。車両や設置場所に応じて、縦/横方向の傾きやスイング方向を自由に選べるようになった。

 外形寸法は、サテライトが125×113×18.6mm(幅×奥行き×高さ)、センターは81×115×19mm(同)。スピーカー1台の重量はそれぞれ0.31㎏、0.19㎏。センターのアンプ部は90×72×30mm(幅×奥行き×高さ)、0.42㎏。



■ 薄型筐体のサブウーファ

TS-WX110A

 TS-WX110Aは、210×130mmの平面アルミニウム振動板を搭載するアクティブサブウーファ。MOS FETアンプを内蔵し、最大出力は150W。薄さ75mmの小容積タイプで、コンパクトカーや軽自動車などのシート下にも収納できることが特徴。従来モデル(80mm)より薄型化した一方で、プレートの厚さは従来モデルの6mmから8mmに変更。駆動力を20%向上させ、レスポンスの良い重低音を再生できるという。

 再生周波数帯域は40Hz~200Hz、出力音圧レベルは101dB。ローパスフィルタは50~125Hz。外形寸法は280×200×75mm(幅×奥行き×高さ)、重量は3.4㎏。6mの有線リモコンが付属する。

アルミ振動板を搭載75mmに薄型化背面


(2011年 5月 9日)

[AV Watch編集部 中林暁]