サイバーリンク、iOS/Android連携を強化した「PowerDVD」
-DMC/DMR対応。DTCP-IPでレコーダ動画もPCで再生
写真奥がPower DVD 12。手前はAndroidアプリをインストールしたタブレット。 |
サイバーリンクは、PC用動画再生ソフトの最新バージョン「PowerDVD 12」を1月31日より順次発売する。
ダウンロード版は1月31日、パッケージ版は3月2日より発売。通常版の価格は、ダウンロード版が11,800円、パッケージ版が12,980円。対応OSはWindows XP/Vista/7(64bit対応)。ただし、NVIDIA 3D Vision利用時はXP非対応となる。
製品 | Blu-ray再生 Blu-ray 3D再生 | iPhone/ Androidアプリ | 価格 |
ダウンロード版:1月31日発売 | |||
PowerDVD12 Ultra | ○ | 無料 | 11,800円 (アップグレード版8,800円) |
PowerDVD12 Pro | ○ | 有料 | 9,500円 (アップグレード版7,500円) |
PowerDVD12 Standard | - | 非対応 | 4,980円 |
パッケージ版:3月2日発売 | |||
PowerDVD12 Ultra | ○ | 無料 | 12,980円 (アップグレード版10,980円) |
PowerDVD12 Pro | ○ | 有料 | 9,980円 (優待版7,980円) |
バージョン12の新機能は、2DのBDビデオ再生時に2D-3D変換が可能になったことや、OGG/FLAC楽曲、RAW静止画といった再生対応フォーマットの強化など。
さらに、バージョン11から対応を開始したスマートフォン連携機能も強化。これまでPCとのDLNA動画共有はAndroidのみで、iPhone/iPadではカメラロール内の動画をPCで再生できるという機能だったが、新たにiOS端末もDLNAのサーバー(DMS)/プレーヤー(DMP)に対応した。さらに、バージョン12のUltra版はレンダラー(DMR)、コントローラー(DMC)としても使えるようになり、テレビなど他の機器との連携機能が可能。
トップ画面 | 3つのバージョンを用意 | 各バージョンの主な違い |
■ DLNA対応、スマホを介してPCやテレビと連携
テレビやスマートフォンなど、他の機器との連携機能を強化した |
Ultra版は、従来モデルと同様にDLNA/DTCP-IP対応のテレビやレコーダとも連携可能。レコーダに録画したデジタル放送の番組を、LANを経由してPC画面で視聴できる。
スマートフォン/タブレット用アプリは、DLNA対応の「PowerDVD Mobile ver.4」と、リモコン操作の「PowerDVD Remote」の2種類をAndroid/iOSそれぞれに用意。Ultra版のユーザーは無料で利用できる。Pro版でアプリを利用する場合は有料で、PowerDVD Mobileが約1,700円(為替レートにより変動)、PowerDVD Remoteが約450円(同)。なお、Ultra版とPro版ではアプリの機能が一部異なり、Ultra版のみフル機能に対応する。Standard版はアプリ連携に非対応。対応端末は、iOS 4.3以降のiPhone/iPad/iPod touchと、Android 2.2以降のスマートフォン/タブレット。Android版とiOS版の機能はほぼ共通。
PowerDVD MobileをインストールしたスマートフォンとPowerDVDをインストールしたPCで動画/静止画/音楽ファイルの共有ができ、相互のファイルを再生可能。PC内のファイルがスマートフォンで再生できないフォーマットの場合、PC側で自動変換して再生する。スマートフォンなどで撮影した動画/静止画を、DLNA対応テレビで再生することもできる。PowerDVD Remoteは、PCのPowerDVDのリモコンとして使えるアプリで、PC画面から離れた場所で視聴している時などに操作でき、キーボード入力/マウス操作も行なえる。
タブレット/スマートフォンアプリの「PowerDVD Mobile ver.4」。左はiOS版、右はAndroid版 | PowerDVD Mobile ver.4の機能 | DMS/DMPに対応。PCの動画をスマートフォンで再生でき、その逆も可能 |
DLNA/DTCP-IP対応レコーダの番組をPCで再生可能 | DLNAサーバーとして、LAN内のDIGAを認識したところ |
DMC/DMRにも対応したため、Ultra版をインストールしたPC内の動画をDLNA対応テレビで再生させる(Play To)ことが可能。さらに、再生先として同アプリを搭載した他のスマートフォンも指定できるため、例えばPCの動画をiPhoneから操作(DMC)してiPadで再生(DMR)するといったことも行なえる。再生時に音量やシークバー上の再生位置変更なども可能。
なお、PowerDVD Mobileがサーバーとして認識できるのはPowerDVD 12をインストールしたPCのみ。著作権保護されたファイルには非対応で、BDレコーダなどの録画番組をスマートフォンで再生/コントロールすることはできない。
PCの動画/静止画を、PowerDVD Mobileを使ってスマートフォンにダウンロードすることも可能。その場合はスマートフォンで再生可能なフォーマット/サイズに自動で変換される。
そのほか、Androidスマートフォン/タブレット向けの新機能として、PCとUSB接続した際にPCから動画/音楽/静止画を自動で転送するスマートシンク機能を搭載。動画を、あらかじめ指定した画質で自動転送することもできる。同期時に、「最近追加されたファイル」や、「アーティスト」、「ジャンル」などのルールを設定できる。
DMC/DMRに対応 | タブレットで、PCの動画をテレビ画面で再生するよう操作 | Android端末は動画などの自動同期に対応 |
■ メディア再生の対応フォーマットも強化
新たに再生可能になったフォーマット |
Ultra版では、Blu-rayに収められたDTS-HDやドルビーTrueHDの7.1ch再生に対応(Proは5.1chまで)。動画はMKVの3DであるMK3Dをサポートした。音楽ファイルはOGGやFLACにも新たに対応。静止画はRAWファイルを表示可能になった。
3D再生機能では、従来バージョン同様に、Blu-ray 3D(Ultraのみ)や、サイドバイサイドなどに対応。出力方法も、使うディスプレイに応じてアクティブシャッターメガネや偏光メガネ、アナグリフなど、様々な3D表示に対応している。YouTube 3Dの映像もそのまま3Dで表示可能。2D-3D変換も行なえ、ネット動画も3Dに変換可能。新たに、2DのBlu-rayも3Dに変換して再生できるようになった。3Dの深度調整にも対応する。
ネット動画再生をHD画質にアップコンバートするTrueTheater HD機能や、ノイズ除去、手ブレ補正、フレーム補間、明るさ補正などのリアルタイム高画質化再生機能も引き続き搭載している。Intel/NVIDIA/AMDのハードウェア再生支援にも対応する。
インターフェイスも一部変更。これまでは左ペインに再生するメディアを、上部のタブに動画/静止画などを分類していたが、全て左ペインにまとめて表示するようになった。さらに、YouTubeやFacebook、Flickrの操作画面をソフト内に組み込んでおり、友人がアップロードした静止画などをソフト内でチェックしてコメントなどを付けられる。写真のダウンロードも可能。
再生画面の改善としては、動画のシークバー上でドラッグしているときに、その位置のシーンをサムネイルで表示することで、目的の位置を探しやすくなった。また、動画の好きな場所を最大400%拡大する機能も搭載。静止画では、フォルダ表示の際に、マウスオーバーするとスライダーバーが表示され、中の写真をプレビューできるようになった。そのほか、動画/静止画のサムネイル表示サイズは画面内のスライダーで簡単に拡大/縮小できるようにした。
Blu-rayの2D-3D変換にも対応 | 再生対応フォーマット | GUIの改善でファイルを探しやすくなった |
(2012年 1月 31日)
[AV Watch編集部 中林暁]