アップル、「Final Cut Pro X」をアップデート

-最大64アングルのビデオ/静止画を自動的同期


Final Cut Pro X(iMacは別売)

  アップルは1月31日、ビデオ編集ソフト「Final Cut Pro X」をアップデートした。バージョンは「10.0.3」となり、最大64アングルのビデオと静止画を自動的に同期させるマルチカム編集や、高度なクロマキー機能の追加などが行なわれている。

 既に「Final Cut Pro X」を使用しているユーザーは無料でアップデート可能。ソフトの価格は26,000円。30日間の無料体験版も用意されている。

 最新バージョンでは、複数のカメラを使った映像の編集において活用できるツールを追加。音声の波形、時刻と日付、またはタイムコードを使い、撮影した複数のビデオのクリップを自動的に同期できる。最大64アングルのマルチカムクリップが作成でき、様々なフォーマット、フレームサイズ、フレームレートの素材を混在できるのも特徴。さらに、多くのアングルを同時に再生し、それらの間でシームレスにカットができる「アングルビューア」も備えている。


 クロマキー機能では、カラーサンプリング、エッジアジャストメント、ライトラップなどを含む、高度なコントロール機能を追加。複雑なキーイング作業を、モーショングラフィックスアプリケーションに書き出すことなくFinal Cut Pro Xの中で進められ、結果をリアルタイム再生ですぐに確認できるという。

 DaVinci ResolveやCatDVなど、XML対応ソフトウェアとの連携にも対応。例えば、Intelligent Assistanceの新アプリ「7toX」は、XMLを使い、Final Cut Pro 7のプロジェクトをFinal Cut Pro Xに取り込む事ができる。また、GenArtsやRed Giantなどのビジュアルエフェクトデベロッパは、Final Cut Pro Xのスピードとリアルタイムプレビュー機能を活用するモーショングラフィックスプラグインを開発したという。

 さらに10.0.3には、ベータ版として「ブロードキャストモニタリング」機能も追加。制作中のプロジェクトが放送仕様に適合しているかどうかを確かめるツールで、Thunderbolt I/OデバイスやサードパーティーのPCI Expressカードを使ってビデオやオーディオをモニターできる。


(2012年 2月 1日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]