Hulu、月額料金を980円に値下げ。年内にWii対応へ

-500円値下げで“いつでも、どこでも”を訴求


4月12日から980円に

 月額制映像配信サービスの「Hulu」は、4月12日から月額利用料金を980円に値下げする。これまでは月額1,480円で展開していたため、500円の値下げとなる。あわせて、フールージャパン合同会社は、日本国内で2012年内に任天堂のゲームプラットフォーム「Wii」に対応することや、国内向けのブランドキャンペーンも発表した。

 Huluは、対応テレビやパソコン、ゲーム機(PS3、Xbox 360など)、タブレット、スマートフォン等様々なデバイスで視聴可能な映像配信サービス。現在725本以上の映画と5,000話以上のテレビ番組を用意しており、日本のコンテンツもアスミック・エースや角川書店の映画や、テレビ東京のドラマ、アニメ番組などをラインナップしている。コンテンツ提供者は日本や韓国の10社を含む20社。決済方法はクレジットカードのみ。

 これらの基本サービスに変更はなく、12日から値下げを実施する。なお、既存ユーザーについても12日以降の次回請求時から980円となるほか、次回請求分に限り、さらに500円割引されて480円となる。新規のユーザーは2週間の無料トライアルが利用できる。

 また、4月23日からは、ブランドキャンペーンも開始。屋外広告やテレビ広告、オンライン広告などを使ってHuluブランドや「多彩なデバイスでいつでも、どこでも、好みの方法で楽しめる」という魅力の浸透、加入者拡大を図る。


Wiiが年内にHulu対応にブランドキャンペーンを実施

■ ポジティブな価格変更。コンテンツ提供者に公正な対価

ヨハネス・ラーチャー国際部上級副社長

 Huluのヨハネス・ラーチャー国際部上級副社長は、今回の値下げについて「とてもポジティブな価格変更だ。ハリウッド映画やドラマ、アニメなどのプレミアムコンテンツをテレビやパソコン、タブレット、スマートフォンの4スクリーンで見放題で、テレビ東京などのコンテンツも増えている。更に多くの人に触れてほしい」と値下げの意義を説明した。

 2011年9月のサービス開始以来、「日本でのビジネスは順調に成長。コンテンツ数は213%増加した」と報告。PS3、Xbox、ソニーBRAVIAや、パナソニックVIERA/DIGAなどの対応機器のほか、パソコンを入れれば「2,900万以上の機器でHuluを視聴できる」と対応機器の拡大に触れ、Wiiへの対応を発表した。


コンテンツ提供社は、'11年9月スタート時の6社から20社まで拡大国内に2,900万のHulu対応デバイス

 日本でのHulu契約者数は非公開。日本での反応については「満足している。サービスへの反応は驚異的で、高いロイヤリティを示している。会員数は力強く伸びており、日本市場に誠心誠意取り組む」と説明。値下げの意図については、「テレビ東京のように、日本で求められるコンテンツも増えてきている。1,480円でも十分な割安感と高い品質は妥当な数字と考えていたが、さらに値下げができるようになった。これによりもっとHuluを広げていく。お客様の満足度という意味でいい価格だと思っている。強調しておきたいが、この価格はコンテンツオーナーの皆さんに公正なリターンを戻せる、フェアな数字だ」と値下げの意義を強調した。

 Wiiへの対応については、「多くの要望をいただいていた。任天堂と契約に至ったことは大変嬉しい。今年中に提供できるようにしたい」と説明。なお、日本国内での「ニンテンドー3DS」への対応については「現時点では計画はない」とした。

3月に新オフィスに入居

 米国で展開している広告ベースのサービスについては、現時点では「国内展開の予定は無い」としており、980円の定額サービスを推進。日本市場の傾向としては、幅広いコンテンツが、広い世代に受け入れられているとする。一方、端末は「(米国に比べ)モバイルの比率が非常に多い。タブレットやスマートフォンが多く、これは文化の違い。日本では、よりモバイルが浸透している」という。

 他の配信サービスとの比較では、「我々はラッキーなポジションにあり、付加価値がほかのサービスとは違う。Huluのみが、PC、TV、スマートフォン、タブレットの4つのスクリーンでシームレスに提供できる広告無しのサービス。日本でも動画配信は増えているが、これほどシームレスかつ無制限なサービスは無い。あとは独立(Independent)ということ。モバイルのキャリアと組まずに、NTTドコモでもKDDIでもソフトバンクでも、ネットさえあればつながり、特定のプロバイダに依存しない。いつでもどこでもオンデマンドで映像を楽しめるというHuluを、独立して進化させることができる」と語った。


ビリヤード台も会議室はCTU(24から)、バトル・ロワイヤルなど、映画にちなんだ名前に従業員用のラウンジスペース

(2012年 4月 12日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]