LG、4.9mmベゼルなど「LG Smart TV」5シリーズ14種

-直感操作のマジックリモコン。“日本のLGTV”


 LG Electronics Japanは、液晶テレビ「LG Smart TV」5シリーズ14モデルを6月初旬より発売する。22~55型の全モデルでLEDバックライトを採用し、ネットワーク機能を搭載している。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は7万円~42万円前後。

 ボタンを最小限に抑え、直感的な操作で目的にコンテンツを楽しめるという「マジックリモコン」を初採用。上位3シリーズ(LM96/LM76/LM66)に同梱し、ジェスチャーによる操作を可能にした。スマートTV機能も全モデルで搭載し、300タイトルの3Dコンテンツを集めた「3D WORLD」などLG独自のコンテンツにアクセス可能。また、Hulu、T's TV、TSUTAYA TV、U-NEXT、アクトビラなどのサービスに対応する。検索機能も搭載している。


55LM9600

 最上位シリーズのLM9600では、47型と55型を用意し、偏光方式の3D「CINEMA 3D」に対応。フレーム幅が4.9mmという薄型デザインで映像への没入感を高めている。直下型LEDバックライト/8倍速駆動に対応する。

 1,366×768ドットの22型「22LS3500」を除く各モデルでIPS液晶パネルを採用。全モデルがSmart TV機能を備えるほか、DLNAに対応。地上/BS/110度CSデジタルダブルチューナを搭載し、USB HDDへの録画にも対応する。


型番サイズデザインCINEMA 3D発売日店頭予想価格
55LM960055型CINEMA
SCREEN
近日42万円前後
47LM960047型32万円前後
55LM760055型6月初旬
より順次
26万円前後
47LM760047型22万円前後
42LM760042型18万円前後
47LM660047型近日21万円前後
42LM660042型17万円前後
32LM660032型12万円前後
47LM580047型-6月初旬
より順次
20万円前後
42LM580042型15万円前後
32LM580032型近日11万円前後
32LS350032型-6月初旬
より順次
9万円前後
26LS350026型8万円前後
22LS350022型7万円前後
シリーズ画質CINEMA 3Dマジック
リモコン
SmartTV
ネットワーク
HDMI
LM9600NANO LED
TruMotion480
MHL/
InstaPort
LM7600TruMotion 240
LM6600TruMotion 120
LM5800-
LS3500--
55LM960047LM760055LM9600の側面
47LM6600LM5800シリーズ26LS3500
各モデルの機能比較表

 また、BD/DVDレコーダにも参入。HDD容量1TBの「BR629J」と500GBの「BR625J」の2モデルを6月下旬より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は1TBが7万円前後、500GBが6万円前後。サウンドバー「NB2520A」も6月初旬に発売、店頭予想価格は3万円前後。



■ マジックリモコンと新UIで自由にネットコンテンツにアクセス

「ホームダッシュボード

 ブロードバンド接続により、コンテンツやアプリなど、さまざまなエンターテインメントを楽しむことが出来る「Smart TV」として展開。通常のテレビ放送のほか、ビデオ・オン・デマンドやゲーム、映像コンテンツ、SNSなどがTV上で楽しめる。

 リモコン操作により各ネットワーク機能を呼び出し可能で、専用の「ホームダッシュボード」と呼ぶUIを採用。テレビ放送を小画面表示しながら、よく使うアプリ「マイアプリ」や、おすすめアプリ、コンテンツなどを一覧表示し、さまざまな機能をすぐに呼び出せるようにした。LG独自コンテンツとして、K-POP関連の「K-POP ZONE」や、300タイトルを集めた「3D WORLD」、読書コンテンツ「MOVI-BOOK」などを用意。また、Hulu、T's TV、TSUTAYA TV、U-NEXT、アクトビラ、YouTubeなどのサービスに対応する。検索機能も搭載している。

 また、DLNAクライアントとして動作する「Smart Share」に対応。ホームネットワーク内のDLNAサーバー上の動画や写真、音楽コンテンツをホームダッシュボード内のSmart Share部分にサムネイル表示し、その部分を選択するだけで、コンテンツを再生開始できる。


Smart Share3D WorldやLG Smart World、Smart Shareなどをダッシュボードに表示
マジックリモコン

 上位3シリーズ(LM96/LM76/LM66)には、ボタンを最小限に抑え、直感的な操作で目的にコンテンツを楽しめるという「マジックリモコン」を同梱。画面のアイコンやサムネイルをクリックして、コンテンツを選ぶことができる。ホームダッシュボードの各アプリ、コンテンツだけでなく、文字入力や検索にも対応する。また、マジックリモコン以外の通常のリモコンも付属する。

 また、外部の開発者によるアプリも利用可能で、サービス開始時には、ゲームなどの約200種類をラインナップ。HTMLとフラッシュをベースにしたアプリで、SDKを開発者向けに提供。有料アプリもラインナップする。説明ページなどは日本向けに翻訳するが、アプリのメニューなどは変更しない。なお、アプリの利用にはLGのサービスへのID登録が必要となる。


マジックリモコンの操作チャンネル切り替えもマジックリモコンでUIを呼び出して、操作できる。チャンネル上下ボタンも装備アプリストアも展開

■ CINEMA SCREENデザイン。日本向けに高画質化

47LM9600

 上位シリーズには、フレーム幅を極小化した「CINEMA SCREEN」デザインを採用。上位シリーズ「LM9600」では、フレーム幅を4.9mmに抑えることで、フレームの存在を徹底して排除。映像の没入感を向上している。また、スクリーンが浮いているように見えるスタンドもCINEMA SCREENの特徴で、「和室、洋室のいずれにも溶け込もうとするシンプルなデザイン」としている。

 LM9600シリーズは、独自のNANOライティングテクノロジー「NANO FULL LED」を採用した直下型LEDバックライトを採用。エリアごとに緻密にコントロールする「マイクロピクセルコントロール」により、映像のディテール表現を向上している。なお、LEDの制御エリア数は非公開。LM9600以外の各モデルはエッジ型のLEDバックライトを採用する。


磨き上げた高画質

 また、LG独自のTRIPLE XD ENGINEを搭載し、カラー、コントラスト、精細度の3要素を制御。豊かなカラーを維持したまま、理想的な鮮やかさや自然な階調表現、質感を再現するという。画質については、日本本格参入3年目となり、「日本で得たノウハウを新モデルに組み込んでいる」(土屋和洋 商品企画&マーケティングチーム部長)としており、「特に注力したのは、直下型バックライト採用のLM9600。沈む黒と、目の覚めるようなコントラストなど、階調とコントラストにこだわった。日本のHDの放送の繊細な映像表現をスムーズに表現できるよう、きちんと時間をかけてチューニングした」としている。


・CINEMA 3Dも強化。対戦ゲームをフル画面表示するDUAL PLAYも

CINEMA 3Dの強化ポイント

 偏光方式の3D「CINEMA 3D」はLS3500以外の4シリーズで搭載。メガネも同梱している。新たに、3D映像のジャンルに合わせた映像モード設定や、立体感や視点などを20レベルでカスタマイズできる機能などを搭載している。

 また、DUAL PLAYと呼ぶ新機能を搭載。これは、専用の偏光メガネを装着することで、左右分割、上下分割画面型の対戦型TVゲームの片方のプレイ画面を交互に全画面表示し、2人がそれぞれ別の映像を同時に全画面プレイできるようにするもの。通常は画面分割され、2人が同時プレイする対戦型ゲームに対し、DUAL PLAYを適用することで、左側用メガネを使った人に対し、自身のプレイ画面だけを全画面表示させ、一方のプレイヤーにはもう片方の画面を全画面で見せる。PlayStation 2/3とXbox 360で動作を確認しており、デモはXbox 360のKinect Sportsで行なっていた。3Dメガネの発売時期は未定だが、価格は2つ1組で1,000円前後の見込み。


3D立体感を調整3D設定。サウンドズーミングなども搭載
DUAL PLAYDUAL PLAY専用の偏向メガネを利用

・録画対応。MHL端子も装備

 地上/BS/110度CSデジタルチューナ×2を搭載し、別売のUSB HDDへの録画に対応。番組録画中の裏番組視聴も可能だが、2番組の同時録画には対応しない。連ドラ録画や、おっかけ再生にも対応する。

 LM9600シリーズは2ウェイの10W×2ch+10Wスピーカーを搭載。そのほかもステレオスピーカーを装備する。HDMIは4系統(LM9600/LM7600/LM6800)、3系統(LM5800/LS3500)で、D5入力などを搭載するほか、LS3500シリーズ以外ではスマートフォンなどを接続するMHL端子も装備。MHLによるHD映像出力やスマートフォンの充電が可能となっている。


■ “エンタテインメントがあふれるスクリーン”に。日本対応を強化

LG Electronics Japan マーケティング統括 李常務

 LG Electronics Japan マーケティング統括常務の李起旭氏は、「あらゆるエンターテインメントのスクリーンから自由自在に溢れ出る、新しい体験をデザインしたテレビ。そのためにテレビのコンセプトを根本から見直した」とLG Smart TVシリーズを紹介。「リラックスして、誰でも使える、無限に近いコンテンツの海の中でもすぐに目的に辿り着ける」と述べ、マジックリモコンによる操作の革新性などをアピールした。

 また、3Dコンテンツを集めた独自の「3D WORLD」や、アプリやコンテンツも日本向けのものを用意したことを紹介。これからもパートナーシップを充実させる方針で、「LG Smart TVで、日本のお客様が新しいライフスタイルを体験できると確信している」と訴えた。


LG Electronics 鄭宇城 常務

 また、LG Electronics ホームエンターテインメント事業本部 セールス&マーケティング常務 鄭宇城(ジョン・ウーソン)氏は、2009年の日本本格参入以来の取り組みを紹介し、引き続き日本市場を重視する姿勢を表明。「日本は、市場規模、消費者の水準など、要求される品質が最も高く、戦略的に重要な市場である。そのため、徹底的なローカライゼーションと、グローバルな最先端技術を日本に投入。日本で培った技術をグローバル製品開発に生かしていくような、シナジー効果を狙う。世界のどの市場でも満足していただける製品を創造することが、真のグローバルトップ企業のあるべき姿。これからSmart TVを通して、エンタテインメントの新時代を作っていく。近い将来、みなさんのライフスタイルを変えるものになる。今日が第1歩だ」とした。


LG Electronics Japan 土屋和洋 商品企画&マーケティングチーム部長

 LG Electronics Japan土屋和洋 商品企画&マーケティングチーム部長は、「グローバルの最先端技術をいち早く日本にお届けする」と同社のTV戦略について言及し、LG Smart TVの新機能やコンセプトを紹介。高画質、使いやすさ、機能美を軸に、日本市場向けにさまざまなカスタマイズを行なっているとした。操作性については、マジックリモコンによる新しい操作感、デザインはCINEMA SCREEN、さらに「3年間じっくりと経験を積んできた“日本基準の高画質”を今年は訴求していきたい」とした。

 シェア目標について李常務は「LGはグローバルトップ2だが、競争の激しい日本市場で簡単にシェアを取れるとは思っていない。('09年の参入後)5年間で5%という目標を設定していたが、順調に来ている。CINEMA 3Dなどの取り組みも関係者、ユーザーからの評価に満足している。この勢いをもっと加速させたい」と説明。なお、CESで'12年内の発売を表明した有機ELテレビの展開については、「グローバルの枠組みのなかで、本社と協力しながらやっていく」とした。


LGTV for JAPAN55LM9600

(2012年 5月 9日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]