東芝、2012年度第1四半期は121億円の純損失

-TV需要減などで、デジタルプロダクツ悪化


 東芝は31日、2012年度第1四半期(2012年4~6月)の連結決算を発表した。売上高は1兆2,689億円で前年同期比96%、営業利益は115億円で同278%。当期純損益は121億円の赤字で、前年同期に比べ126億円悪化した。

 売上高は、エネルギー関連を中心に社会インフラ部門が好調だったものの、円高の継続、市場環境の悪化などを背景にデジタルプロダクツ部門、電子デバイス部門を中心に減収となった。営業損益は、デジタルプロダクツ部門が減益になったものの、電子デバイス部門、社会インフラ部門の増益により全体でも増益となった。継続事業税引前損益は、為替の影響や事業構造改革に伴う一時費用などでマイナスとなり、当期純損益も減少した。

 セグメント別では、テレビを含むデジタルプロダクツ部門の売上が3,399億円で前年同期比83%。要因としては、前年度の地デジ移行に伴う需要増の反動や、北米におけるパソコン事業の伸び悩みなどを挙げている。

 同部門の営業損益は前年同期比で30億円悪化となる36億円の赤字。パソコン事業がコスト削減の徹底などで一定の利益水準を確保したが、テレビなどの映像事業が構造改革の継続により前年第4四半期から改善したものの、国内における液晶テレビの需要減少などで悪化したとしている。

 電子デバイス部門は、売上高が3,077億円(前年同期比92%)、営業損益が94億円の黒字(同68億円増)。社会インフラ部門は売上高5,002億円(同117%)、営業損益84億円の黒字(同116億円増)、家庭電器部門は売上高1,416億円(同95%)、営業損益1億円の黒字(同10億円減)、その他部門は売上高808億円(同68%)、営業損益24億円の赤字(同57億円減)となった。なお、同社は3月に東芝モバイルディスプレイの全株式をジャパンディスプレイに譲渡したため、過年度の液晶ディスプレイ事業の業績を電子デバイス部門からその他部門に組み替えている。

 2012年度第2四半期の見通しは、売上高3兆円、営業利益900億円、純利益200億円。通期は売上高6兆4,000億円、営業利益3,000億円、純利益1,350億円で、いずれも変更は無い。



(2012年 7月 31日)

[AV Watch編集部 中林暁]