【IFA 2012】JVCケンウッド、パンチルター付きUstカム
-タブレットで操作。AirPlayオーディオ、車載用HUD
JVCケンウッドのブース |
JVCケンウッドは、「IFA 2012」のブースにおいて「JVC」と「ケンウッド」それぞれのブランドの製品を展示している。
JVCブランドでは、タブレット/スマートフォンやPCから操作して、パソコンのUstream Producerで配信できるライブストリーミングカメラ2機種を欧州で10月中旬より発売する。価格は、電動パン/チルト台が付いた「GV-LS2」が999ユーロ、カメラのみの「GV-LS1」が799ユーロ。日本での発売時期は未定。
いずれも、1/2.3型、1,240万画素の裏面照射CMOSセンサーを搭載するカメラ。本体にEthernetと無線LANを搭載し、撮影した映像をUstreamなどに配信可能なことが特徴。映像処理エンジンのFALCONBRIDを搭載し、1,920×1,080ドットで撮影可能。配信時のフォーマットはMPEG-2 TS(最高1,920×1,080ドット)またはMotion JPEG(640×480ドット)。配信せずに、AVCHD形式でSDカードに記録することもできる。
右上が「GV-LS2」、左下が「GV-LS1」 |
AndroidアプリとPCソフトを用意し、タブレットやスマートフォン、PCでカメラ側のズームなどの操作が可能。「GV-LS2」のパンチルターも操作可能で、タブレットの矢印キーをタッチする方法のほか、画面をスワイプして動かす方法や、タブレット本体の傾きセンサーを使って、前後左右にタブレットを傾けて操作する方法も利用できる。複数台のカメラを1台のタブレットで制御することも可能で、1度に4台まで切り替えて操作できる。なお、iOSアプリについては検討中。
「GV-LS2」はパンチルターにより最大±150度のパン(無線LAN利用時)と、-30~+40度のチルトが可能。光学10倍ズームとデジタル200倍ズームにも対応する。外形寸法はカメラが73×90×48mm(幅×奥行き×高さ)、パンチルターが128×108×113mm(同)。重量はカメラが229g、パンチルターが625g。
「GV-LS1」はデジタル4倍ズームに対応。CMOSセンサーの有効エリアを効率的に使って2倍まで劣化の無いフルHDで切り出すことが可能となっている。また、GV-LS1のみIPX3の防滴仕様となっている。外形寸法は73×90×48mm(幅×奥行き×高さ)、重量は179g。
Android端末で操作可能 | カメラの向きなどをタブレットから指定できる | 4台までのカメラを一度に扱える。カメラごとに、「音声のみ」または「映像のみ」に設定することも可能 |
UX-N5 |
その他の新製品として、同社初のAirPlay対応オーディオシステム「UX-N5」を2012年内に発売予定。価格は700ユーロ。50W×2chアンプやiPhone/iPod/iPadデジタル入力対応のドック、CD、FM、USBなどを備えるメインユニットとステレオスピーカーで構成する。
スポーツカメラ「ADIXXION」のコーナー | 日本では「除菌できるオーディオ」として話題になったタワー型オーディオから、除菌機能を省いて「NX-SA1」として欧州で発売 | 車載機器からスマートフォンのアプリを呼び出して遠隔操作し、車載機へ複製表示する「Mirror Link」対応機器も販売している |
■ ケンウッドブランドのテーブル型オーディオなど
UD-NF7 |
ケンウッドブランドのコーナーでも、AirPlay対応オーディオシステム「UD-NF7」を展示。欧州では11月に500ユーロで発売し、日本でも同時期に発売予定。
無線LANを搭載し、AirPlayやDLNAに対応したオーディオシステム。メインユニットにはCDプレーヤー/FMチューナと50W×2chアンプを搭載する。天面にiPod/iPhoneドックを備えるほか、iPad用のスタンドも同梱する。スピーカーは、25mm径ドームツイータと120mm径ウーファで構成する2ウェイ2スピーカー構成。
また、日本ではJVCブランドで発売しているスタンド一体型のiPhone/iPodオーディオシステム「C-BX3」(日本モデルの型番はN-BX3)を、欧州ではケンウッドブランドで発売する。価格は300ユーロで、カラーはブラックとホワイト。
iPhone/iPodドックと、30W×2chのアンプ、FMチューナ、ステレオスピーカーを搭載したオーディオシステム。天面に強化ガラスを採用しており、本やパソコン、薄型テレビ(本体からはみ出さないサイズ)などを置けることが特徴。なお、欧州の家具に合わせるため、スタンド部は日本モデルに比べて高くなっている。
C-BX3 | 日本でも発表された小型コンポ「Kシリーズ」のBluetooth搭載モデル「K-531」も展示している |
HUDのデモコーナー |
ブースの中央には、技術展示として車載用の次世代車載用ディスプレイ「HUD」(Head Up Display)を参考出品。映像デバイスにLCOS(Liquid Crystal On Silicon)を採用し、フロントガラス前方の空間に高精細な映像を浮かせて表示するもので、運転席を模した席で走行映像を観ながら、そこにナビ映像などが重ねて表示されるシステムを体験できる。この技術を使った製品の発売時期は未定だが「できるだけ早く実現したい」としている。
同社がホームシアタープロジェクタに採用しているD-ILAの技術を活用して、運転しながらでも見やすい映像を追求。運転者から70cm前方にある、ハーフミラーを使った「コンバイナー」により、さらにそこから1m先に10型の映像が見えるようになっている。使用するLCOS素子は、0.37型/800×600ドットで、60Hz駆動。光源はLEDで、明るさは1万cd/m2以上としている。
(2012年 9月 3日)
[AV Watch編集部 中林暁]