パイオニア、スマホ楽曲対応のプロDJ用CDプレーヤー

-無線LAN/USB接続の楽曲をDJプレイ。高音質化も


CDJ-2000nexus

 パイオニアは、DJ用CDプレーヤーの新モデルとして、スマートフォンやタブレットの楽曲もワイヤレスで再生できるモデル「CDJ-2000nexus」を9月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は19万円前後。

 業界初という、無線LANまたはUSB接続したスマートフォン/タブレット内の楽曲を使ってDJプレイができるプロDJ/クラブ向けCDプレーヤー。無料の音楽アプリ「rekordbox」をiPhone/Androidスマートフォンやタブレットにインストールすることで、楽曲の準備/管理が自宅だけでなく移動中でも行なえ、DJプレイ時には準備した楽曲をプレーヤーへ転送できる。Windows/Mac版のrekordboxも付属する。

 '09年に発売した「CDJ-2000」の基本機能や操作性を継承しつつ、より直感的に楽曲を探し出せるという選曲画面GUIや、ニードルサーチパッドの暗所での視認性向上、マスターテンポの音質改善などを実現。また、ミックスする楽曲同士のビート(拍/テンポ)を自動で合わせる「BEAT SYNC」や、楽曲展開をより詳細に把握できる「WAVE ZOOM」表示、原曲のリズムを崩すことなく確実なパフォーマンスを行なえるという「SLIP」なども搭載している。

 パソコン用の「rekordbox」で音楽ファイルを解析し、DJプレイに適した形で管理(設定、作成・編集、履歴保存)した後、使用する楽曲の事前準備が行なえる。新たに音楽ファイルの「WAVE ZOOM(5段階の拡大波形)」や「KEY(キー)」の解析機能と、「ACTIVE LOOP」、「HOT CUE AUTO LOAD」の設定を追加した。そのほか、プレイリストの作成/編集や、再生した楽曲ファイルの履歴情報の保存なども可能。

 最大4台のプレーヤーをLANケーブルで接続でき、従来からのコンテンツ共有機能のほか、DJパフォーマンスの幅を広げるさまざまな機能を実現。「PRO DJ LINK」で接続されている任意のプレーヤーで再生中の楽曲に、他のプレーヤーで再生する楽曲のテンポと拍位置をワンアクションで合わせられる「BEAT SYNC」、再生中の楽曲のキーに対して、協和音となる楽曲を青色で表示し、簡単に探し出せる 「TRAFFIC LIGHT」、設定したポイント(MEMORY CUE)までの拍数を正確に把握できる 「BEAT COUNT」、楽曲のビート/小節を表示する「PHASE METER」の情報を、「PRO DJ LINK」で接続されている他のプレーヤーで同時に表示できる。

 「SLIP」は、ループ/リバース/スクラッチ/ホットキュー/ポーズ中にバックグラウンドで楽曲を動かし続ける機能。これにより、ループ/リバース/スクラッチ/ホットキュー/ポーズ後でも原曲の展開を変えることなくアレンジできるという。また、「QUANTIZE」は、ループ/リバース/ホットキューを使用する際に、ビートに対してタイミングがずれた場合でも自動で補正を行なう機能。

 CDJ-2000のオーディオ回路を継承するほか、電源ケーブルとの接触面積が広いACインレットの採用や、耐振性の向上により、大音量環境下のDJブースでも安定したパワフルなサウンドを実現。また、ウォルフソン製DACのクロックを高精度化したことでジッター量を約1/4に低減。高音質オペアンプを採用するほか、オーディオ電源へのデジタルノイズ低減も図っている。

 6.1型のカラー液晶を搭載。楽曲のアートワーク表示や、楽曲情報のリスト表示が行なえる。USBストレージやSDメモリーカード、音楽CDのほか、CD-R/RW、DVD±R/RW/R DLに記録された音楽ファイルも再生可能。再生対応フォーマットはMP3、AAC、WAV、AIFF。市販DJソフトのMIDI/HIDコントロールにも対応する。外形寸法は320×405.7×106.5mm(幅×奥行き×高さ)。重量は4.7kg。消費電力は37W。



■ CDJ-2000/900のファームアップデートも実施

 10月下旬に、「CDJ-2000」「CDJ-900」のファームウェアアップデートを予定。最新のVer.4.20を適用することで、「CDJ-2000nexus」と「CDJ-2000」、「CDJ-900」をLAN接続した際に、一部の機能に制限がかかることを回避できるという。ファームウェアは同社サイトで配信する。



(2012年 9月 6日)

[AV Watch編集部 中林暁]