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シャープ、CES向け説明会で4K「AQUOS Ultra HD」発表
IGZO強調、4Kは「ハイエンドのICCと普及型AQUOS」で
(2013/1/8 07:40)
米シャープは7日(米国時間)、International CES開催前にプレスカンファレンスを開催。IGZOを含む今後の技術戦略を説明したほか、米国市場向けに大型パネルを使った製品を発表した。
同社が発表したのは、「AQUOS Ultra HD」ブランドと「ICC PURIOS」ブランド。両方の4Kクラステレビのほか、80型、70型、60型の米国向け製品も披露。既に日本で導入済みの製品に相当するものが基本だが、4Kの「AQUOS Ultra HD」については初お披露目となり、日本でも「ICC PURIOSとは異なるラインとして製品化を予定している。他社がインチ1万円という以上、競争力のある価格で展開したい」(シャープ副社長執行役員 商品事業担当 兼 グローバルマーケティング本部長の高橋興三氏)としている。
大型シフトで存在感アップ、4K AQUOSは「新世代エンジン」
同社は2010年以降、堺工場の生産力を生かせるよう、一貫して大型パネルを使った製品を展開してきたが、結果、 2012年度は北米において「60型以上の市場でトップとなり、収益は2倍になった」(高橋氏)という。
元々、60型を商品化した際は「それ以上のサイズの計画をもっていなかった」というが、結果、市場の要望に答える形で、90型までを製品化している。90型について、同社は「通常、市場で手に入る最大のサイズ(特別な受注生産ではない、という意味)」としている。結果、この市場で20%の成長を達成したが、2013年度は40%の成長を見込むという。なお、90型より上については、「現状、通常の製品としての予定はない」(高橋氏)とする。
トップエンドの商品として紹介されたのは、2つの4K(UHD)クラスの製品。日本で発表済みのICC PURIOSに加え、AQUOSブランドの「AQUOS Ultra HD」をラインナップする。こちらはICCを使っていないが、「4Kはいままでとまったく違う世界であるので、映像エンジンとしてはまったくの新世代」(シャープ関係者)になるという。
アメリカ市場向けの主力ラインとしては、価格毎に6シリーズ・7シリーズ・8シリーズの3ラインナップを用意し、それぞれにサイズ毎にラインを設ける。すべてにネット接続を使ったスマートTV機能「Smart Central」を搭載する。
自社技術としてIGZOをアピール、次世代クアトロンでは縦方向解像度を改善
また将来の技術として、特にIGZOを強くアピールした。発表内容は日本でのものと同じだが、すでに日本でデバイスが登場していることも紹介。「世界で最初に量産に成功した」という点を強調しており、シャープとしての力の入れようもわかる。今回の話題の中心を、ここに持ってきたいという思いが伝わるカンファレンスとなった。
特に「2014年以降の技術」として紹介したのが、パネルへの映り込みを大幅に低減する「モスアイ」と「次世代クアトロン」だ。前者はすでに日本で発売済みだが、後者は今回新たに発表されたものだ。
元々クアトロンは、4色の画素をサブピクセルレベルでコントロールすることで、精細度を高める仕組みを持っているが、現状は水平方向のみに限られていた。次世代クアトロンでは垂直方向にも制御可能とすることで、特に、文字に関する精細度が高まり、「Ultra HDと同じような効果をもっと低コストに実現する」と謳っている。
また、液晶向けガラスで知られるコーニング ガラステクノロジーのプレジデント、ジェームス・クラッピン氏も登壇。シャープとの長年にわたる協力と、今後の最適化に関してもアピールした。