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'12年の家電/IT市場はエコポイント前の水準に。GfK調査

TVは6割減、レコーダ4割減。デジカメは5年ぶりの金額増

 ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(GfK)は20日、2012年における国内家電/IT市場の販売動向調査結果を発表した。国内家電小売市場は、前年比11%減の7兆4,800億円。

 減少の要因としては、エコポイント制度やアナログ停波による映像関連商品の需要が2011年で一巡した反動と見ている。ただし、2008年以前の家電市場規模は7兆円台のため、「結果的にはエコポイント制度開始前の市場規模レベルに戻ったと見ることもできる」としている。また、家電のインターネット通販は成長を続けており、2012年では家電市場規模全体の1割弱をインターネット通販が占めたという。

 この調査は、GfKが全国の家電量販店や地域家電店、総合量販店、カメラ専門店、携帯電話専門店、総合ネット通販などからPOSデータ等を収集。統計的な手法に基づき、全国市場規模相当に拡大推計している。

 薄型テレビ市場は数量が前年比60%減の837万台。1990年代以降は年間1,000万台程度で推移してきたが、'12年はエコポイント制度やアナログ停波による特需の反動減などが影響したと見ている。画面サイズ別では、55/60型など大型の割合が増え、50型以上の構成比は数量ベースで前年の2%から5%に、金額ベースでは前年の7%から18%に増加した。Blu-ray Discレコーダは、数量前年比42%減の359万台。また、サウンドバーの販売数量は前年の約1.4倍だった。

 ポータブルメディアプレーヤーは、スマートフォン拡大などの影響を受け、数量前年比20%減の519万台となった。ヘッドフォン/ヘッドセットは数量前年比3%減の1,935万本。内訳はヘッドフォンが1,306万本で前年から9%減少した一方、ヘッドセットは前年から13%の増加となった。ヘッドフォン/ヘッドセットは高音質/高単価製品の伸長で平均価格が上昇し、金額ベースでは前年並みとなった。

 デジタルカメラは、数量前年比6%減の897万台。コンパクトカメラが同11%減の727万台だったが、レンズ交換式カメラは同21%増の170万台と3年連続でプラス成長となった。レンズ交換式カメラの内訳を見ると、一眼レフは前年並みの93万台で、ミラーレス一眼は同56%増の77万台へと拡大した。数量ベースではマイナス成長だったが、ミラーレス一眼/ハイエンド一眼レフの販売増で、金額ベースでは5年ぶりのプラス成長となった。

 パソコン市場全体は数量前年比2%増の1,528万台。タブレット端末は前年比2.2倍の300万台で、画面サイズ別では7型クラスが前年から12ポイント拡大し、数量構成比28%となった。通信方式別では、回線契約を伴わない無線LAN(Wi-Fi)モデルが前年から12ポイント拡大し、同56%だった。

 携帯電話市場は前年並みの3,783万台。スマートフォンは数量前年比63%増の2,550万台で、携帯電話販売数に占める構成比は前年の44%から67%へ拡大した。CPUコア数がデュアルコア以上の数量構成比は前年の25%から81%へ、LTE対応端末はほとんどない状態から42%へ伸長した。

(中林暁)