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「エコマーク」がテレビにも適用。認定基準Ver.1.0策定

リサイクル性や省エネ性能、ユーザーへの情報提供など

エコマークの表示例

 日本環境協会 エコマーク事務局は12日、高度なリサイクルが可能なテレビに対する「エコマーク」の認定基準を策定したと発表した。

 既に、家電量販店などでは省エネ法に基づく「小売事業者による統一省エネラベル等の表示(小売事業者表示制度)」によるテレビの省エネ性能の表示(年間消費電力量や省エネ基準達成率など)が行なわれている。こうした省エネ性能だけでなく、製品のライフサイクル全体における環境負荷を考慮した情報を提供することを目的に、エコマークの認定基準が制定された。

 今回制定されたエコマークの「テレビ Version 1.0」では、資源消費、省エネルギー、有害物質の使用削減、リサイクル・廃棄など、総合的な環境負荷低減を目指した製品設計の促進を目的として認定基準を策定している。該当するテレビの本体などに「エコマーク」が表示される。制定日は3月12日で、有効期限は2020年3月31日。

 この基準における「テレビ」の定義は、「ディスプレイ」、「1つ以上の信号受信機 (チューナー/レシーバー)であり、データ保存および/または表示用のオプション追加機能を持つもの(例:BDドライブおよび/またはHDD等を内蔵するもの)」という2つの要素をあわせ持つ、単一のユニット/システムで、交流電源により駆動する製品としている。

 リサイクル性については、保守部品の供給期間を、本体の製造停止後8年間確保することや、修理の受託体制を整備することなどを定めている。リサイクルのために分解可能な設計であることが必要で、具体的な設計項目の詳細を記した「製品設計チェックリスト」も用意している。そのほか、「リサイクル可能率」(テレビ1台あたりの質量に占めるリユース可能、マテリアルリサイクル可能な質量のパーセンテージ)の表示や、包装材料が省資源化に配慮していることなども求められている。

 省エネ性能については、経済産業省告示「エネルギーを消費する機械器具の小売の事業を行う者が取り組むべき措置」の多段階評価で5つ星相当、チューナがセパレートの機種は4つ星相当以上であることが必要。ただし、有機ELテレビについては、同じく経産省の「テレビジョン受信機の性能の向上に関する製造事業者等の判断の基準等」1.(4)の基準を暫定的に適用し、動画表示の区分は「液晶4倍速又はプラズマ」(19V型未満は、「液晶倍速」)としている。

 リモコン待機時の消費電力は0.3W以下(チューナがセパレートの機器は構成するそれぞれの機器が0.3W以下)とする。そのほかの節電機能として、自動輝度調節(工場出荷時ON)や無操作電源オフ、無信号電源オフ(工場出荷時ON)の3つを必須とし、その他にも人感センサー、節電スイッチ、消費電力レベル表示、高速起動モード、外部接続機器への制御(BDレコーダなど外部機器の電力を自動制御する機能)、その他の節電機能の6つの選択機能から1種類以上を持つことが必要。

 それ以外にも、鉛、水銀、カドミウムといった有害物質の含有率の制限や、エネルギー消費に関する情報などをユーザーに提供する(画面の操作ガイドや取扱説明書、ホームページなどで)ことなどを定めている。

(中林暁)