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Klipsch、新カナル型イヤフォンImage X11i/X4i

フルレンジBA搭載。X4iは球形ハウジング

左から「Image X11i」、「X4i」

 イーフロンティアは、米Klipschのカナル型(耳栓型)イヤフォン新モデル「Image X11i」と「Image X4i」を9月6日に発売する。どちらもバランスド・アーマチュア型ユニットを採用しており、価格はオープンプライス。店頭予想価格は、「X11i」が37,590円前後、「X4i」が15,540円前後。

Image X11i

Image X11i

 Xシリーズの新モデルで、Klipschのイヤフォン第1弾モデルである「X10」の後継にあたる。シングルのフルレンジ・バランスド・アーマチュア(BA)ユニット(KG 926)を採用。X10と同様に、細身の筐体が特徴。耳穴に挿入しやすく、シングルのBAユニットながら、ワイドレンジな再生ができるという。

 再生周波数帯域は5Hz~19kHz、音圧感度は110dB。インピーダンスは50Ω。ケーブルは着脱できない。ケーブルの途中にマイクを内蔵した3ボタン式のリモコンも装備。iPod/iPhone/iPadなどのiOS機器で利用でき、再生操作や音量調節、受話・終話が可能。

筐体サイズはX10とほぼ同じ
装着イメージ
イヤーチップ「Oval Ear Tips」は5種類付属

 重量は10g。イヤーチップ「Oval Ear Tips」は5種類付属。キャリングポーチやケーブルクリップ、航空機用のプラグアダプタ、標準プラグへの変換プラグなども同梱する。

細身のハウジングが特徴
イヤーピースを外したところ
マイク付きリモコンを備えている

Image X4i

Image X4i

 球形に近いハウジングが特徴のイヤフォンで、フルレンジのBA(KG 417)を搭載している。ハウジングにはダイキャスト亜鉛を使用。軽量ながら、耐久性と装着時の快適さを実現するという。

 再生周波数帯域は15Hz~16kHz。音圧感度は110dB。インピーダンスは50Ω。ケーブルは着脱できない。マイク付きの3ボタンリモコンをケーブルに備えており、iOS機器での操作や通話が可能。

Image X4i
装着イメージ
イヤーチップ「Oval Ear Tips」は4種類付属

 重量は16g。イヤーチップ「Oval Ear Tips」は4種類付属。ケーブルクリップやキャリングポーチも同梱する。

イヤーピースを外したところ
マイク付きリモコンを備えている
イヤーピースとケーブルクリップがプレートに固定されている。右はキャリングポーチ

聴いてみる

「Image X4i」を試聴

 X4iは、球形に近いハウジング形状から、ダイナミック型ユニットが入っていそうな雰囲気があるが、実際にはシングルのBAユニットを搭載している。

 細身のX11iと比べ、耳穴に深く挿入するタイプではないので、一般的なイヤフォンと装着感は変わらない。耳穴に深く入れるイヤフォンが苦手という人でも抵抗無く使えるだろう。

両製品のパッケージ

 シングルのBAユニットという事で、レンジの広さが気になるところだが、ハウジングの容積がたっぷりあるためか、中低域が豊かで、とてもシングルとは思えないゆったりとしたワイドレンジサウンドが楽しめる。シングルBA特有の、高域寄りのバランスを予想していたが、X4iの場合はむしろ低域の豊かさが印象に残る。

 また、そこから気持よく飛び出す高域は綺羅びやかで、ドラマチック。BAらしい、切れ味鋭い描写で、低域の豊かさに負けない、華のある高域で、全体としてバランスがとれている。BAイヤフォンらしいシャープさ、高域の繊細な描写と、ダイナミック型を連想させる低域のゆったり感が両方欲しいというユーザーにマッチしそうだ。

AK120と組み合わせて「Image X11i」を試聴

 X11iのサイズや形状はX10とほぼ同じ。カラーがシルバー基調になったため、X10と比べると大人びたシックなイメージだ。細身の筐体を活かし、耳穴に深く挿入できる。

 密閉度を上げ、低域の再生能力を高める基本構造はX10と同じで、シングルBAながら、驚くほどワイドレンジな再生を実現している。なおかつ、シングルユニットで再生しているため、マルチウェイのイヤフォンと比べ、繋がりの良い、自然な再生音が楽しめるのも特徴だ。

 モニターライクなワイドレンジサウンドはX10を踏襲しながら、レンジの広がりの素直さや、音場が広く感じられ、スーッと音の余韻が広がる範囲が拡大した。耳穴に深く挿入するタイプという事もあり、頭内定位がキツそうに思えるが、実際に聴いてみると音の広がりが豊かであるため、閉塞感は少なく、心地よく音楽が楽しめる。

 X4iと比べるとバランスがよりニュートラルで、特定の帯域が強く主張する事が無い。様々なソースに対応できるポテンシャルを持っており、各社のマルチウェイ化競争も一段落した今だからこそ、“シングルBAの良さ”を再確認できるイヤフォンだ。

(山崎健太郎)