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Klipsch、リモコン外して低価格化したシングルBAイヤフォン「X11」、「X7」

 フロンティアファクトリーは、米Klipschのカナル型(耳栓型)イヤフォン「X11」と「X7」を8月22日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はX11が24,800円前後、X7が16,800円前後。カラーはX11がブラックのみ、X7はホワイトのみ。

 既発売の「Image X11i」、「Image X7i」からリモコンを省いたモデルで、実売では各3,000円程度低価格となる。また、既報の通り、販売終了となっていたリモコンを搭載しない「X10」(実売19,800円前後)が復活し、7月25日から新たに発売。リモコンを搭載しないXシリーズが拡充している。

左がX7、右がX11

 リモコンの有無以外、X11iとX11、X7iとX7の違いは無い。どちらもフルレンジのバランスド・アーマチュアユニットを採用。X11は「KG 926」、X7は「KG 623」を採用している。再生周波数特性はX11が5Hz~19kHz、X7は10Hz~19kHz。インピーダンスは50Ω、出力音圧レベルは110dB、遮音性は-26dBと共通している。

ケーブルにリモコンは搭載されていない

 X11は、Klipschイヤフォンの最上位モデルで、アルミニウム素材を使った細身の筐体が特徴。サウンドの系統はX10を受け継ぎながら、中低域に若干のボリューム感を出し、「Klipsch製品らしく、バランスの良い、より豊潤なサウンドを提供する」としてる。

X7のケーブルは耐久性のあるフラットタイプ

 X7はセラミック製の丸みのあるハウジングを採用しているのが特徴。ケーブルは耐久性のあるフラットタイプ。

 どちらのモデルもケーブルの着脱はできない。イヤーピースとして、独自のOval Ear Tipsを5サイズ同梱。遮音性と装着感を両立させるという。

音を聴いてみる

 先日は復活したX10を聴いたが、X11iとX7iもリモコンを省いたモデルが追加される事となった。音としてはX11iとX11、X7iとX7に大きな違いは無いが、その違いを改めて簡単に紹介したい。

 X10はフルレンジながら、低域まで伸びた、バランスの良いワイドレンジサウンドが特徴だが、X11はそれと同系統でありながら、中低域をややパワフルにしたサウンドだ。低域の沈み込みというよりも、中低域の張り出しが強くなっており、どちからと言えばスッキリとしたサウンドのX10と比べると、エネルギッシュで、個性的なサウンドになっている。

 かといって、ナローでモコモコした音ではなく、高域の抜けの良さはキッチリ確保されており、Klipschらしいクリアなサウンドという面も併せ持っている。X10はどちらかというとマニア向けするニュートラルサウンドだが、パワフルなロックなどの楽曲をメインに楽しみたいという人には、X11というチョイスも良いだろう。

 X7はX10やX11と比べると低価格だが、完成度の高いモデルだ。系統としてはX10と似た、ワイドレンジ、バランス重視タイプ。最低域の沈み込みはX10/X11と比べるとやや浅くなるが、コントラストが深く、音や音像にメリハリがあり、クッキリと音を描写するタイプだ。流線型でセラミックの筐体は剛性が高く、ボリュームを上げても筐体が振動したり反響する付帯音がほとんど乗らず、クリアな持ち味のまま迫力がアップしていく。上位モデルに負けない再生能力の高さを持ったお買い得モデルと言えるだろう。

(山崎健太郎)