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デノン、約12万円のDSD/USB対応SACDプレーヤー

同価格のプリメインも含む「1500RE」シリーズ

SACDプレーヤー「DCD-1500RE」

 デノンは、DSD対応のUSB DAC機能も備えたSACDプレーヤー「DCD-1500RE」と、プリメインアンプ「PMA-1500RE」の2機種を9月中旬に発売する。価格は各126,000円。

DCD-1500RE

DCD-1500RE

 上級機「DCD-1650RE」の思想を受け継いだという回路構成やコンストラクションを採用したSACDプレーヤー。独自のビット拡張&データ補完による、アナログ波形再現技術「Advanced AL32 Processing」を搭載。アルゴリズムをブラッシュアップした最新バージョンで、CDの再生だけでなく、USB DACから入力されるデジタル信号も32bit/192kHzにハイビット&ハイサンプリング化して処理する。

 DACは、32bit/192kHz対応のものを左右それぞれに2chずつ使用する差動出力構成。DACをマスターとしてクロック供給を行なっており、デジタル回路の正確な同期を実現。また、新たにロージッタタイプのクロック発信器を採用する事で、位相ノイズも低減。ダイナミックレンジを大幅に拡大したという。なお、クロックは入力信号のサンプリングレートに合わせ、44.1kHz系と48kHz系の2系統搭載している。

 メカユニット、そしてUSB DACからDACまでの信号経路は短縮させており、基板の改善と合わせ、SN比など、オーディオ特性の向上に寄与しているという。

内部構造
DAC部分
電流出力型の第2世代32bit/192kHz DACを搭載している

 USB DACはアシンクロナス伝送に対応。PCM信号は24bit/192kHzまで対応しており、前述の通り、「Advanced AL32 Processing」でハイビット&ハイサンプリング化。DSDにも対応し、2.8MHzと5.6MHzの両方をサポート。伝送方式もASIOドライバのネイティブ再生と、DoPをサポートする。対応OSはWindows XP/Vista/7/8、Mac OS X 10.6.4以降。

USB DAC用にブロックコンデンサを新設計

 信号ラインから流入するPCノイズをカットするため、デジタルアイソレータを搭載。DSD信号の伝送にも余裕で対応できるハイスピードなトランス結合タイプのアイソレータとなっており、PCと電気的に絶縁。ノイズをカットしている。また、USB DACのパフォーマンスを十分に引き出すように、ブロックコンデンサを新設計している。

 メカドライブは自社開発。従来よりもメカの高さを10mm抑えた低重心設計で、振動に強いという。また、スピンドルシャフトを短くする事で回転精度を高めている。トレーには、強度が高く、制振性に優れる変性ポリフェニレンエーテル樹脂を採用。トレーの共振も抑制している。

従来よりもメカの高さを10mm抑えた低重心設計のドライブ
上位モデルであるDCD-1650REとの比較
背面

 なお、出力は2chのみでSACDのマルチチャンネル出力には対応していないが、マルチチャンネルデータを読み込み、ダウンミックスしたステレオ再生は可能。CD-R/RWに記録したWMA/MP3ファイルも再生できる。

 出力端子はアナログRCA×1、光デジタル×1、同軸デジタル×1。入力は、光デジタル×1、同軸デジタル×1、USB×2(タイプB×1/タイプA×1)。消費電力は38W、待機時消費電力は0.1W。外形寸法は434×331×134mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は8.2kg。

PMA-1500RE

 PMA-2000REの思想を受け継ぐというプリメインアンプ。最大出力は140W×2ch(4Ω)。

 音質面で有利な、シンプルなシングルプッシュプル方式の素子を採用。しかし、シンプルな回路で大出力を得るためには、大きな電流を扱える必要がある。そこで、「Ultra High Current-MOS」を使用。シンプルなシングル・プッシュプル回路ながら、パラレルプッシュプルに匹敵する大出力が得られるという。

プリメインアンプ「PMA-1500RE」

 パワーアンプの入力段には、新たにDual FETを採用。特性の揃ったDual FETをペアで使うことで、温度変化による音質への影響を抑え、安定した動作を可能にしている。また、差動増幅回路の初段にカスコードブートストラップ回路を採用。高速、高帯域な信号再生でも、周波数位相ずれの少ない増幅ができるという。

 電流供給能力を向上させるため、2つの大容量トランスを並列接続してインピーダンスを下げている。トランスの向きは、2つを逆向きに配置する「L.C.(Leakage Canceling)マウント」となっており、互いの漏洩磁束をキャンセル。周辺回路への影響を防止した。ブロックコンデンサには新開発のパーツを使用。回路パターンやレイアウトはシンプル&ストレート化。レックアウトセレクタも省き、信号経路をさらに短くしている。

内部構造
新開発のブロックコンデンサ

 27型の大型ボリュームを搭載。操作感を高めているほか、伝導モータードライブも備え、リモコンでのボリューム操作が可能。重量のあるノブも採用し、ボリュームシャフトの振動を抑制している。

背面

 ロゴはバッジから彫り込み式に変更。フロントパネルはアルミで、不必要な装飾やボタンを減らし、「上級機の持つエレガントな方向性を踏襲した新世代デザイン」になっているという。

 付属リモコンはデノン製CDプレーヤーやネットワークプレーヤーの操作にも対応する。音声入力は、アナログアンバランス×5、Phono×1、パワーアンプダイレクト×1。出力は、レックアウト×1、プリアウト×1、ヘッドフォン出力×1を搭載。コントロール端子も備えている。消費電力は295W、待機時は0.2W。外形寸法は434×414×135mm(幅×奥行き×高さ)、重量は16.1kg。

レックセレクターを省いたことで、回路の最適化を実現した
PMA-2000REとRMA-1500REの比較表

(山崎健太郎)