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【IFA 2013】東芝、50型4Kテレビを参考出展。Z8XシリーズはHDMI 2.0対応予定

テレビについて説明したビジュアルソリューション事業部の村沢圧司事業部長

 東芝は、ドイツ・ベルリンのメッセ・ベルリン見本市会場にて9月6日~11日(現地時間)に行なわれる「IFA(国際コンシューマエレクトロニクス展) 2013」の開幕に先駆けて、日本のプレス向けに同社テレビやPCなどデジタルプロダクツの商品戦略説明会を行なった。

 同社デジタルプロダクツ&サービス社の映像事業は、これまでの地域別での体制から、「ビジュアルソリューション事業部」、「ビジネスソリューション事業部」、「パーソナルソリューション事業部」という製品別事業部体制に移行。テレビ/PCのシナジーを活かし、「4Kモデルの強化」と、「積極的なグローバル展開」を進めるという。

 グローバルで50型以上の大画面市場が拡大している動きを受け、同社は55型以上に置いて4Kモデルの販売台数構成を伸ばし、「大画面=4Kがメインストリームになった」と分析。同社テレビが長年取り組んできた高画質化技術と4K超解像技術により、映画、スポーツ、ライブなどの感動を4Kにより最大化することを狙う。

映像事業の方向性
大画面市場の拡大
日本での大画面テレビ市場における4Kモデルの台数構成比の推移

 同社は6月に、日本では第2世代となる4Kテレビ「Z8Xシリーズ」を発売。「テレビを最高に楽しむコンセプトが評価され、販売は好調」としている。特に、Z8Xの投入により同社のテレビ販売平均単価が大幅に上がったことに注目しており、全モデル(10型以上)で約2.1万円アップ(主要メーカー平均は約5,000円アップ)、55型以上の大画面では約5.5万円アップ(同約2万円アップ)になり、事業収益にも貢献したとのこと。日本における同社大画面テレビの4台に1台が4Kモデルで、4Kモデルが同社大画面テレビ売上(金額構成比)の約45%まで拡大(台数構成比は24.6%)した。4Kモデルはコンシューマだけでなく、編集スタジオ向けモニターや、店頭のサイネージなどにも採用。映画監督や写真家、映像編集からからも高い評価を得たという。

日本で発売されたZ8Xシリーズ
大画面テレビの中で4Kモデルの存在感が高まりつつある
4Kモデルによる単価アップで、収益にも貢献しているという
50型4Kテレビの試作機

 欧州では8月より4Kモデル「L9シリーズ」を84/65/58型の3サイズで発売。'14年度には台数ベースで55型以上の半数を4Kモデルとし、'15年度は4Kの割合アジア/中近東では、8月29日に発表会を行ない、アジアや、中近東で、4Kモデルを核とした、大画面テレビのシェア拡大を目指す。

 今回のIFA 2013においては、比較的小型なサイズとなる50型の4Kモデル試作機も参考出展。同社ビジュアルソリューション事業部 事業部長の村沢圧司氏によれば、「50型でも良い画が出るということを確認できたため、商品化を進める」としている。なお、発売時期や価格は現時点では明らかにしていない。

4Kモデルのグローバル展開
欧州での展開
欧州でも、大画面テレビの4Kモデル構成比アップを目指す
IFA 2013で50型の4Kモデル試作機を参考出展
50型4Kテレビ試作機の側面
パソコンからの出力で4Kテレビに表示するというデモも

Z8XなどのHDMI 2.0対応アップデートを計画

既発売モデルのZ8Xは、HDMI 2.0にアップデートで対応することを予告

 4日に発表されたHDMIの新バージョン「HDMI 2.0」への対応については、Z8Xシリーズ(日本国内)、L9300シリーズ(海外)ともに、ソフトウェアアップデートにより対応を予告。HDMIケーブル1本で4K解像度の60p映像(2160p)が伝送可能になる。

 アップデートの時期については「別途説明する」として今回は明らかにされなかったが、「もともと、60p入力の実力は持っていた。今回、規格が決まったことで、アップデートにより対応する」としている。

「4Kの“先駆者”から“リーダー”へ」を目指す

 民生用テレビで初の4K対応テレビを製品化した東芝は、「4Kの先駆者で終わるのではなく、グローバルで真のリーダーになっていく。そのためには、サイズバリエーションやデザインなどの強化に加え、日本で評価されている『タイムシフト機能』など大画面の“楽しい使い方”で感動を与え続けるメーカーであり続けたい」という方針を示した。

 PC部門については、ビジネスソリューション事業部の檜山太郎事業部長が説明。PC商品戦略としては、「ビジネスに必要とされる拡張性、操作性」を実現するモデル、「コンシューマに必要とされる使い勝手、ストレージ」を持たせたモデル、「長時間駆動/高画質/薄型化/軽量化モデル」の3つの方向性を挙げ、それぞれに適した2 in 1(キーボード着脱式)モデルなどを紹介した。

 タブレットについては、8型でWindows 8.1搭載の「Encore」と、10.1型で手書き&アプリ連携を備えた10.1型Android 4.2モデル「Excite White」を紹介。「見る・探す」というコンテンツ消費型から、「ビジネス・学びを“創造する”タブレット」への用途拡大を見込む。

ビジネスソリューション事業部の檜山太郎事業部長
PC商品戦略
タブレット商品戦略

(中林暁)