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【ヘッドフォン】「HERUS」など小型DSD DAC登場。電池内蔵「nano iDSD」は2万円台

既報の通り、コルグがDSD対応のUSB DAC「DS-DAC-100」(左)と「DS-DAC-100m」(右)をヘッドフォン祭で発表している

 10月26日に開幕した「秋のヘッドフォン祭 2013」から、エミライやトップウイング、フォステクスのブースで出展されていた小型のDSD対応USB DACをレポートする。ヘッドフォン祭の会場は東京・外苑前駅近くのスタジアムプレイス青山で、27日まで開催している。いずれの製品も会場で試聴可能となっていた。

Resonessence Labs「HERUS」

Resonessence Labs製の「HERUS」

 エミライが出展していたResonessence Labs製の「HERUS」(ヒールス)は、2.8/5.6HzのDSDや最高24bit/352.8kHzのリニアPCMに対応するUSB DAC/ヘッドフォンアンプ。価格は39,900円で、発売時期は改めて発表する。

 63.5×31.7×19mm(縦×横×厚さ)の小型筐体で、DACチップはESS製の「ES9010-2M」を搭載。Resonessence Labsオリジナルのカスタムプログラムとアシンクロナス伝送アルゴリズムを使用している。DSD再生にはDoP(DSD over PCM) 1.1を使用。

 HERUS専用に開発されたという電源回路も特徴。電源は5V USBバスパワーながら、2.4V RMS(6.8Vp-p)の強力なドライブ力を実現。ヘッドフォン出力のSN比は100dB以上としている。出力インピーダンスは0.2Ω。全高調波歪み率は-85dB以下。出力は標準ヘッドフォン端子で、32~600Ωのヘッドフォン/イヤフォンに対応。

 Android/iOS端末とも接続可能。iOS端末利用時はCamera Connection Kit経由で接続することで、充電ケーブルを用意することなく外部DACとして動作する。筐体はアルミ合金のソリッドブロックから削り出して加工されている。

パソコンとの接続例
主な特徴
OPPOのBDプレーヤーなども出展されている

iFI-Audio「nano iDSD」

左が「nano iDSD」。右はポータブルヘッドフォンアンプの「nano iCAN」

 トップウイングは、iFI-Audioの新製品として予告していたポータブルのDSD対応USB DAC/ヘッドフォンアンプ「nano iDSD」を出展している。発売は11月下旬~12月上旬で、価格はこれまで明らかにしていなかったが、2万円台の見込みだという。

 「nano iDSD」は、世界初というバッテリ内蔵のDSDネイティブ再生対応USB DAC/ポータブルヘッドフォンアンプ。5.6MHzのDSDや、32bit/384kHzまでのPCMファイルに対応する。DSD再生はDoP方式。ステレオミニのヘッドフォン出力に加え、同軸デジタルとアナログ(RCA)の出力端子も装備。DAC/ヘッドフォンアンプ/DDCとして利用できる。

 モバイル機器との接続は、Camera Connection Kit(CCK)など別売ケーブルを介してiOS 7搭載端末や、Android 4.1端末に対応。10月の発表時点では、iOS端末でのDSD再生についてA2cApps製アプリ「Hibiki」(450円)が対応していると説明していたが、その後オンキヨーが提供開始した「HF PLAYER」でも再生可能なことが確認できたという。なお、HF PLAYERでハイレゾ音源を再生するには拡張パックのHD Player Pack(1,000円)が必要。パソコン利用時は、foober 2000や、Audirvana Plusなどのソフトに対応する。

iOS端末のDSD再生アプリからの音をCCK経由で入力可能
USB B端子に装着すると「USBオーディオからアナログライクなサウンドを引き出す」というアクセサリ「iPurifier」も展示
iFI-AudioのThorsten Loesch氏も英国から来日していた

フォステクス「HP-A4」

HP-A4(上)。下のHP-08と比べると大きさの違いが分かる

 フォステクスカンパニーは、11月28日に発売するUSB DAC/ヘッドフォンアンプ「HP-A4」を展示。価格は42,000円。USBバスパワーで動作する。

 5.6MHzまでのDSDと最高24bit/192kHzのPCM再生に対応。DSD再生にはDoPとASIOドライバに対応する。出力は標準ヘッドフォンに加え、光デジタルとアナログ(RCA)を装備。ヘッドフォンのゲインはHI/LOの2段階で切り替え可能で、出力は100mW(32Ω)/20mW(300Ω)。外形寸法は113×155×34mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約500g。

HP-A4の背面

 HP-A8ユーザー向けに、11月上旬から「FOSTEX Audio Player」のベータ版を同社ホームページで公開予定。ヘッドフォン祭の会場でも、このプレーヤーを使って試聴できる。

 また、会場には参考展示として、リボンタイプの平面振動板ユニットを搭載したヘッドフォンも用意。型番は決まっておらず、発売時期などは未定。また、ダイナミック型ドライバのイヤフォンで、MMCXコネクタによりケーブル交換が可能な「TE-05」(11月発売)も展示。これらの新しいヘッドフォン/イヤフォンと、前述のHP-A8を組み合わせて試聴できるようになっていた。

「FOSTEX Audio Player」の画面
平面振動板のヘッドフォン試作機。「柔らかな音が特徴」とのこと
MMCXコネクタ採用のイヤフォン「TE-05」

(中林暁)