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総務省、さかのぼりネット配信など、ソチ五輪でのNHK「Hybridcast」新サービスを認可。PC向け配信も
(2013/11/22 15:10)
総務省は20日、'14年2月に開幕するソチ・オリンピックにおいて、日本放送協会(NHK)が放送通信連携サービス「NHK Hybridcast」を使い、競技中継をさかのぼって視聴できる「時差再生」などの新サービスを実施する事を認可。PC向けのライブストリーミング配信についても認可した。
ハイブリッドキャストは、テレビ放送とインターネットを通じた映像・情報を組み合わせてユーザーに提示するのが特徴。NHKはソチ・オリンピックの中継において、放送中の番組を、ネット配信映像を活用してさかのぼって視聴できる「時差再生」や、放送で使っていないカメラの映像をネットを通じて配信する「マルチビュー」、スポーツ中継のハイライト動画を、中継番組が終了する前にネットを通じて提供する「ハイライト視聴」など、6つの新サービスを予定。9月に総務省に対して、実施の申請をしていた。
総務省は「(ハイブリッドキャストの)対応受信機が広く普及し、多くの視聴者・国民がこの新しいサービスを十全に享受できるためには、協会(NHK)が保有するコンテンツやノウハウを十分に活用した、放送局ならではの魅力あるサービスコンテンツの開発が待たれている。こうしたサービスの技術的検証を先導的に実施し、その知見を得ることは、官民を挙げた次世代放送サービスの高度化にも資する。協会は、本業務を行うことで得られたデータ等を、サービス設計面、演出面、技術面といった観点からハイブリッドキャストサービスのさらなる発展のための技術的検証等に役立てたいとしており、放送及びその受信の進歩発達にも資する」と判断。
また、コンテンツ開発・制作費やシステム整備費などとして2013年度に1億2,000万円、2014年度に7億3,000万円の費用が見込まれている事については、「著しく多額とは認められない。また、協会は、当該コンテンツを無償で提供することとしており、営利を目的とするものにはあたらない」とした。
さらに、インターネットを使ったPC向けの配信については、「オリンピック大会のように、国民的な関心が非常に高い事象に係る映像を協会(NHK)が国民・視聴者に対して最大限放送し、国民の情報ニーズに応えることは、協会の目的にかなうもの。(ネット配信の活用は)放送を補完するとともに、放送する競技種目と一体として受信料財源で調達されたオリンピックソチ大会の映像の有効活用にも資するもの」としている。