ニュース

キヤノン、ズーム全域で同等の明るさ維持したLCOSプロジェクタ。F2.8通しのレンズ採用

WUXGAパネルの「WUX450」

 キヤノンは、ビジネス向けプロジェクタ「パワープロジェクター」シリーズ新モデルとして、レンズのズーム全域で同等の明るさを実現するという、WUXGAの「WUX450」を2014年1月下旬に、WXGA+の「WX520」を2014年2月中旬に発売する。価格はどちらもオープンプライス。店頭予想価格は各50万円前後。

 同社の光学技術を駆使した、新開発の光学システム「AISYS(エイシス)5.0」を搭載。レンズは1.8倍の手動ズームで、明るさはズーム全域でF2.8を維持。5%程度の低下はあるが、高輝度の明るさを、ズーム全域でほぼ損なうことなく投写できる。ランプ出力は260Wで、WUX450は最短投写距離の3mから1.8倍域の5.4mまで4,500ルーメン、WX520は最短投写距離3.1mから1.8倍域の5.5mまで、5,200ルーメンの明るさを維持して投写できる(いずれも100インチでの計算値)。

 投写距離はWUX450が1.2m~16.2m、WX520が1.2m~16.6m。100型の投写距離はWUX450が3.0~5.4m、WX520が3.1~5.5m。

WXGA+の「WX520」

 撮像素子はLCOS(反射型液晶)で、パネル解像度は「WUX450」が1,920×1,200ドット、「WX520」が1,440×900ドット。独自開発のLCOSを採用する事で、映像の網目のような格子感を抑え、滑らかな投写ができるという。

 新開発映像エンジンも搭載し、画像の4隅の歪を個別に調整できる「4点キーストーン補正」に対応。補正時でも解像感を保ちながらモアレを低減する。また、被写界深度の深いレンズを使うことで、斜めから投写する場合でも、画面形状の歪みを正しく補正、画面全域で鮮明な投写ができるとする。

 PCからLANケーブルを介して映像を受け取り、投写する「ネットワークマルチプロジェクション」機能を搭載。1台ずつのPCとプロジェクタをLANケーブルで直接接続するだけでなく、6台までのプロジェクタと10台までのPCを接続して投写する事が可能。各自の資料を投写、共有しながらディスカッションできる「ミーティングモード」、授業などで教員が選択した端末のデータを投写する「クラスルームモード」、同じ映像を複数のプロジェクタに配信する「ブロードキャストモード」が利用できる。

 複数のプロジェクタの映像をつなぎ合わせて投写する「エッジブレンディング」機能も搭載。PCからプロジェクタの遠隔監視や制御が可能な「Crestron RoomView」にも対応する。

 入力端子はDVI-I、HDMI、アナログRGB(ミニD Sub15ピン)、ステレオミニ音声×2を搭載。USB端子も備え、USBメモリなどに保存したJPEGも投写できる。ステレオミニの音声出力と、5Wのモノラルスピーカーも備えている。外形寸法と重量は共通。33.7×37×13.4cm(幅×奥行き×高さ)、約5.9kg。本体後方に排熱処理システムを配置し、通常の据え置きや天吊りに加え、2台重ね上向き/下向きなど、さまざまな設置形態に対応する。

(山崎健太郎)