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フジテレビがネット向け番組を無料で配信する新ポータル「フジテレビ+」をスタート。「即戦力な男」がドラマに

左から狩野雄太プロデューサー、鬼ヶ島のアイアム野田さん、オアシズの大久保佳代子さん、フジテレビ+の右近照久編集長、塩原充顕プロデューサー

 フジテレビジョンは、フジテレビが制作するネット向けオリジナルコンテンツを無料で配信するポータルサイト「フジテレビ+(プラス)」を、1月24日からスタート。それを記念し、開局記念番組に出演しているオアシズの大久保佳代子らが参加する発表会がお台場のフジテレビで開催された。

 「フジテレビ+」は、PC、スマートフォン(Android/iPhone)、タブレット端末向けに、オリジナルコンテンツなどを無料で配信する動画配信プラットフォーム。フジテレビは2011年4月から、番組と視聴者のコミュニケーションを重視した動画ポータルサイト「見参楽(みさんが!)」を展開しているが、そこで培ったコンテンツ制作やWebサイト運営のノウハウ、技術を昇華させたのが「フジテレビ+」という位置付けで、「見参楽を経由して、生まれ変わったもの。見参楽という名前が新しく“フジテレビ+”になるというイメージ」(メディア推進センター フジテレビ+編集長の右近照久氏)だという。

 ブラウザを使って視聴し、対応する機器はPC、スマートフォン、タブレット端末。フィーチャーフォンには対応しない。スマートフォンの対応OSはiOS 6.0以降、Android 2.3以降。

 いずれのコンテンツも無料で視聴できるが、1話ごとに配信期間が決まっており、期間が終了した話数は視聴できない。配信が終了する番組は事前に告知される。

左が「世界一即戦力な男」、右が「イイ女の条件」

 オープン時に配信を開始する目玉コンテンツとして、2つの番組を制作。1つは、今春にインターネットを巧みに活用した奇抜な就職活動を行ない、話題となった大学生・菊池良氏の就活の模様をオリジナルドラマ化した「世界一即戦力な男」。

 もう1つは、芸能界で一番の“イイ女”大久保佳代子がMCを務め、一流の美女たちと対談をするトークバラエティ「イイ女の条件」。これ以外にも、様々なコンテンツを提供する予定。

TVで培ったノウハウを活かす

清水賢治総合開発局長

 清水賢治総合開発局長は、「フジテレビ+」を開始する理由として、「スマホやタブレットの普及で、それらを使って動画を視聴するのが日常的になっている。YouTubeやニコニコ動画などを観ている人が多いと思うが、テレビ局のコンテンツをそうしたものに流す場合、地上波などの番組を、またネットで流すというものだった。ネット動画配信市場に今後どのようなコンテンツを持っていくかと考えた時、このマーケットを意識したコンテンツが必要だと考えた。テレビは老若男女に向けたものだが、ネット動画は若いお客さんが多く、パーソナルなメディアであり、今までとは別のお客さんがいる。そこにコンテンツを出してみたら、意外な反応が返って来るのではないかと考えた」という。

 さらに清水局長は、4,000万会員を誇り、独自に配信するドラマ「House of Cards」がエミー賞を獲得するなど、海外におけるネット配信の代名詞的なサービスであるNetflixを、一つの目標として紹介。「そこまで大見得を切ってスタートして、この2作品で大丈夫かなという気もしますが(笑)。各作品のプロデューサーは自信を持っている。視聴者の皆さんは、ダメならダメと言ってやってください」と笑いながら語り、配信作品に対して、ユーザーがSNSで話題を拡散したり、感想などの反応を返しやすいサービスである事もアピールした。

メディア推進センター フジテレビ+編集長の右近照久氏

 メディア推進センター フジテレビ+編集長の右近照久氏は、フジテレビ+の特徴、および他サービスに無い強みとして、「フジテレビ(TV放送)で培ったノウハウを活かして、ニッチでリッチなコンテンツを製作できる事。なおかつ、スポンサーニーズにも柔軟に対応できる事」、「地上波やBS/CSなどのメディアと連携できる事」を挙げる。

 ビジネスモデルとしては、「スポンサーが作りたい動画を、我々の制作能力で作品にする企画先行型と、アジャストさせながら、こちらから売り込んでいく、2つのモデルでやっていきたい」とした。

 今後はフジテレビが得意とするバラエティやドラマに限らず「様々なジャンルのコンテンツを作っていきたい。ネットもテレビも大事なのは魅力的で、楽しくて、興味をひくコンテンツを作っていく事。それができなければ生き残っていけない世の中だと肝に銘じてやっていく」と意気込みを語った。

目玉の2コンテンツ

「世界一即戦力な男」、プロデューサーの狩野雄太氏

 毎週金曜日に配信、10話構成のドラマ「世界一即戦力な男」は、6年間引きこもり、特技も特にない大学生が、自らを“世界一即戦力な男”とアピールするWebサイトなどを作成。奇抜な就職活動を展開して話題を集め、ついに内定を射止めた菊池良氏の実話を基にしたドラマ。

 プロデューサーの狩野雄太氏は、「ネットのWebサイト1つで人生が大きく変わるという時代ならではの話。夢や希望を持てない“さとり世代”と揶揄される若者が、その中でも自分の力で道を切り開いていく様は面白いと感じ、ドラマ化した。菊池さん本人にもお会いして、内定した会社にも協力を得て、これまでに無い面白いアイデアをふんだんに取り入れた作品になっている」と見どころをアピールした。

 もう1つの目玉番組「イイ女の条件」でMCを務める大久保佳代子さんは、発表会に鬼ヶ島のアイアム野田さん扮する執事を連れて登場。番組は、毎回芸能界の美女をゲストに招き、“極上のいい女”である大久保さんが、彼女たちに上から目線で様々なアドバイスを出したり、「色気がない」、「まだまだ子供」など一刀両断するなどして、ゲストを“さらにいい女”へと導く内容だ。

発表会に執事を連れて登場した大久保佳代子さん。いい女の条件なのか、常に斜め上を見ている
女子大生からの質問に、次々と過激なアドバイスを与えていく大久保さん
痴漢対策の質問では、佐野瑞樹アナを痴漢役とし、自らが痴漢されて対処を実現。奇抜な対策アイデアに会場は笑いに包まれた

 発表会場には悩める現役女子大生50人がゲストとして招かれており、「4月から社会人になるが、職場でいい女に見られる秘訣は?」、「電車での痴漢対策を」、「タイプな人を落とす方法」などの質問が。大久保さんは、「女はミステリアスな部分が魅力になるから、職場で月に一度喪に服して黒い服を着て、ある時間になると手を合わせる」、「痴漢されたら逆に“キャッキャ”と可愛くはしゃいで相手に“この女怖い”と思わせる」、「男性はギャップに弱いから、たまに生肉をすごい勢いで食べると良い。キャンパスで生ハムをちょっと口からたらして肉食っぽくしてみて」など、それぞれに強烈なアドバイスを展開。

 発表会の司会をしていた佐野瑞樹アナウンサーに、自分を痴漢させて反応を実演、「あの触り方は何度か本当にやっている」と佐野アナにあらぬ疑惑をかけるなど、暴走気味の大久保さん。最後は女子大生へ「異性を常にエロい目で見る事が大切。キャンパスライフはセックスライフ」と“金言”を残し、ステージを後にした。

(山崎健太郎)