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シャープ、'26年テレビでRGBミニLED不採用のワケ。「正確に色を保つアプローチが思想に合っていると判断」

量子ドット×ミニLEDの“AQUOS XLED”「4T-75X9A」

シャープは5月14日、有機ELアクオス「AQUOS OLED」やミニLEDアクオス「AQUOS XLED」、テレビ向けの新サービス「AQUOS AI」の発表会を開催した。このなかでサムスン製有機ELパネルを採用しなかった理由や、他社で採用が相次ぐRGBミニLEDを搭載しなかった理由を明かした。

2026年のAQUOS OLEDは「S9A/S7A」シリーズの計8機種、AQUOS XLEDは「X9A/X7A」シリーズの計7機種で展開。

AQUOS OLEDでは、アクオス初となるRGBタンデム有機ELを採用したことに加え、国内で唯一かつRGBタンデム有機ELで最小サイズの48型「4T-48S9A」を用意した。

AQUOS XLEDでは、高輝度・広色域かつ反射を抑える「N-Black Wideパネル」や、光の3原色である赤・緑・青それぞれが高い純度を持つ新開発の「Advanced RGB量子ドットリッチカラー」などを盛り込んでいる。

各モデルの詳細は別記事で紹介している。

テレビ向けの「AQUOS AI」サービスは、テレビの大画面でAIキャラクターとの会話が楽しめるほか、コンテンツ選び、使い方の相談ができるもの。対応機種は2026年モデルの「S9A/S7A/X9A/X7A」を皮切りに順次拡大予定。

5月23日より提供を開始し、番組のおすすめ、使い方ヘルプは無料で利用可能。トークは月間の会話上限回数によって料金が異なり、50回/月のフリーは無料、400回/月のノーマルは月額495円、1,600回/月のゴールドは月額1,980円。

同社によれば、AQUOS AIは、「テレビの大画面を活かし、AIキャラクターとの会話を楽しめる“新しいエンターテインメント”として開発」したという。

以前から会話を通じてユーザーに寄り添うAIキャラクターの創出に取り組んでおり、2025年12月にはAIキャラクター「ポケとも」を展開している。

今回、シャープ独自の対話技術をテレビ向けに進化させ、大画面に映し出される表情豊かなAIキャラクターによる、ひとりひとりに寄り添ったコミュニケーションを実現した。

Advanced RGB量子ドットリッチカラーで「3色LEDバックライトでは実現が難しいディスプレイ性能」を達成

同日に行なわれた発表会で国内商品企画部の鈴木正幸部長は、新モデルの特徴を紹介。「アクオスは解像度や色のダイナミックレンジを主に進化させてきました。今回の最上位モデルは色再現範囲を広げることで、より鮮やかで印象的な映像を実現しています」とする。

「量子ドットミニLEDモデルは、高輝度のアクティブミニLED駆動で輝きを再現し、外光の反射を低減するN-Black Wideパネルで明るいリビングでも見やすさを高めています」

「(最上位の)X9Aラインでは、色純度の向上を図るため、ナノスケールで半導体材料を見直したAdvanced RGB量子ドットリッチカラー技術を採用することで、自然界に存在する深みのある赤や緑を、鮮やかに再現できるようになりました。これは3色のLEDを組み合わせたバックライトでは実現が難しいディスプレイ性能となっています」

「有機EL最上位のS9ラインでは新世代のRGBタンデム有機ELパネルを搭載しています。高効率な赤・緑・青の有機EL発光素子により、明るさと色鮮やかが大きく進化しました」

有機ELモデルでQD-OLEDを採用しなかった理由は?

タンデム有機ELパネルを採用した「4T-77S9A」

これまでシャープは、有機EL最上位モデルについてサムスン製のQD-OLEDパネルを採用した「GS1」や「HS1」を発売してきたが、2026年モデルではQD-OLEDではなく、LG製のタンデム有機ELパネルに変更されている。

これについて鈴木部長は「今年のタンデム有機ELパネルは進化していて、発光効率、色再現性が向上しており、QD-OLEDパネルと遜色ないレベルだと判断しました。明るい部屋での視聴時に重要な反射率を抑える技術を採用しているほか、消費電力にも(タンデム有機ELに)メリットがあると判断しました」と説明。

また液晶モデルについても、他社からはRGBミニLEDを採用したモデルが投入されているが、量子ドット×ミニLEDの組み合わせを採用した理由について「(RGBミニLEDも量子ドットも)色域を広げることを目的とした技術ですが、その広げ方が異なります」とした。

右が「Advanced RGB量子ドットリッチカラー」を採用した2026年モデル「4T-65X9A」。左は2025年モデル「4T-C65HP1」

「量子ドットは色の波長を正確に制御でき、純粋な三原色を生成する技術と考えています。一方でRGBミニLEDは、赤・緑・青それぞれのLED光源を用いて、シーンに応じて混色して色を作って表現するという技術です」

「この違いは、RGBミニLEDが色を増やすというイメージに対し、私たちが採用したAdvanced RGB量子ドットリッチカラーは正確に色を保つというアプローチです。現段階では、こちらのほうが私たちの思想に合っていると判断しました」

なお、同社スタッフに聞いたところ「我々のAdvanced RGB量子ドットリッチカラーは、”スーパー量子ドット(SQD)”と呼ばれている材料と同義」とのことだった。

アクオス誕生から25周年「提案したいのは『AIでテレビがもっと楽しく、美しく。』」

アクオスは2001年の誕生から今年で25周年を迎えた

TVシステム事業本部 Entertainment事業部の木村健一事業部長は、「AQUOSは2001年に誕生し、今年でようやく25周年を迎えることができました。国内の累計出荷台数は5,600万台。日本で購入いただいた薄型テレビのうち3台に1台はアクオスであるという実績です。長年のご愛顧に心から感謝申し上げます」とコメント。

さらに「しかしながら、この25周年は次の四半世紀に向けた出発地点と考えております。次のアクオスで提案していきたいのは『AIでテレビがもっと楽しく、美しく。』、このコンセプトにあります」

「AIを使った便利な機能をひとつ追加する、そういったものではなく、映像や音、使い勝手をAIにまかせていくことで、もっと使いやすく、迷いなく、快適にテレビを操作できる、さらに一歩進んでテレビが話し相手、相談相手になってくれる、そういった形でテレビの価値を変えていきたいという思いがあります」

またTVシステム事業本部 新規事業統括部の上杉俊介統括部長は、新サービスのAQUOS AIについてOpenAIのLLM「GPT」をベースに、シャープ独自のチューニングを施したものだと紹介。「私たちはテレビの大画面にキャラクターといっしょに表示するというところの独自性があり、生成AIそのものをエンターテインメントとして楽しんでいただきたい」とした。

なお、AQUOS AIのトーク機能では、基本的に最新情報などリアルタイム検索を伴う会話には非対応。ただし、「今日の天気は?」という質問にはテレビが置かれている場所の位置情報を元に天気情報を回答できる。

またコンテンツの紹介機能では、地上波などの番組表データ、接続されているHDD内の録画番組情報のほか、U-NEXT、YouTubeからコンテンツ情報を取得し、オススメ番組を紹介してくれる。