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キヤノン、撮影者も同時記録する新コンセプトカメラ
動画/静止画融合「PowerShot N100」。G1X後継も
(2014/2/12 15:19)
キヤノンは、動画と静止画を融合させ“思い出をストーリーで残す”をコンセプトとした新デジタルカメラ「PowerShot N100」を4月下旬より発売する。価格はオープンプライスで、直販価格は34,800円。
コンパクトデジタルカメラのフラッグシップモデル「PowerShot G1 X Mark II」など合計8機種を発表した。ここではPowerShot N100とG1 X Mark IIを中心にフルHD動画撮影に対応した製品を紹介する。
撮影者も同時記録。思い出をストーリーで残す「PowerShot N100」
メインカメラのほか、背面液晶部に「ストーリーカメラ」と呼ばれる撮影者を撮影するカメラを内蔵した新コンセプトのデジタルカメラ。前後のカメラで撮影した映像を合成した写真や動画アルバムなどにより、「思い出をストーリーで残す」ことを狙いとしている。スクエア(正方形)なボディデザインも特徴。
ストーリーカメラで撮影者も撮影して、メインカメラで撮影した動画や静止画と合成して記録する「デュアルキャプチャー」を搭載。ストーリーカメラは広角25mmで、複数の撮影者もフレーム内に収められるという。
シャッターを切る直前の4秒の動画を静止画と一緒に記録する「プラスムービーオート」を備えており、ストーリーカメラと連携することで、「撮影時の臨場感ある情景を被写体と撮影者双方の表情変化とともに記録できる」とする。また、ストーリーカメラはシャッターを切ったあとも動画記録を続けるため、撮影者のリアクションも残せるとしている。
カメラ内のメモリーカードに記録された静止画と動画から、撮影者にとって大切な写真をカメラが独自のアルゴリズムで選び出して、思いの詰まった作品のような動画アルバムを自動で生成する「ストーリーハイライト」を搭載。日付や人物などを選択するだけで、カメラが自動的に編集して、ストーリー性のある動画アルバムを作成。子供の成長記録や旅行、イベントなどの思い出が編集された動画アルバムを手軽に作成して、残すことができるという。好みの画像や効果を選んで動画アルバムを作成するカスタム機能も備えている。
メインカメラは、1/1.7型、有効1,210万画素の裏面照射CMOSセンサーと、光学5倍で、35mmフィルム換算焦点距離24~120mmのズームレンズを搭載。F値はF1.8~5.7。光学式手ぶれ補正(マルチシーンIS)も備えている。ストーリーカメラは25mm相当でズームは無し。F値は2.8。AF時間は0.10秒(広角端)、撮影タイムラグは0.12秒(広角端)などの高速動作も特徴となる。
動画は最高1,920×1,080ドット/30fpsまでのMPEG-4 AVC/H.264(MP4)記録に対応。映像エンジンは「DIGIC 6」で高感度センサーと組み合わせて、暗いシーンでもノイズを抑えた写真撮影が可能。DIGIC 5の約9倍の処理能力を備えたことで、動画撮影時にはISO1600で、DIGIC 5のISO400相当の低ノイズ撮影が行なえるという。動画撮影中のAF追従性能も向上し、子どもや動物などの動き続ける被写体を、より滑らかに追い続けるられるという。また、ピントが合焦している部分の輪郭に色を付けて強調する「MFピーキング」を表示しながら記録することもできる。
'13年4月発売のPowerShot Nで初搭載した「クリエイティブショット」も進化して装備。被写体に向かってシャッターを押すと、カメラが自動で色や光を調整、さらに構図も決めて切り出しを行ない、異なる5枚の写真を保存してくれるもの(さらにオリジナル画像も保存される)だが、フィルタ数を46まで追加したほか、レトロ/モノクロ/スペシャル/ナチュラルの4つのカテゴリが選べるようになった。「背景ぼかし」などの機能も搭載する。
無線LANも搭載。新たにワンタッチスマホボタンを装備し、ボタン操作だけでスマートフォンやタブレットへの接続や、Webサービスへ画像をアップロードする「クラウドシンクロ」機能などを利用可能。クラウドシンクロは、CANON iMAGE GATEWAYとFlickr、GoogleDriveが選択できる。また、NFCにも対応し、NFC対応スマホでタッチすると専用アプリCanon CameraWindowsの起動などが行なえる。
液晶モニターは3.0型/92.2万画素でタッチパネル対応。チルト機能も備えている。記録メディアはSDメモリーカード(SDXC)対応。USBやHDMI出力なども備えている。バッテリはNB-12L。外形寸法は104.5×35.8×67.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は289g。
PowerShot G1 X Mark II
2012年発売の「PowerShot G1 X」の後継機種で、新ズームレンズや、自社開発の1.5型CMOSセンサー、DIGIC 6の搭載などキヤノンの技術を結集した同社コンパクトデジタルカメラのフラッグシップモデルとなる。3月中旬に発売し、価格はオープンプライス。直販価格は9万90円。
APS-Cサイズに迫るサイズという1.5型/有効1,310万画素CMOSセンサーや、新開発の5倍ズームレンス(F2.0-3.9/35mm換算24~120mm相当)を搭載する。レンズはキヤノンコンパクトカメラ初という6群ズームレンズで、ズーム全域で明るさを確保。インナーフォーカス方式の採用により、広角端で最短撮影距離5mmを実現。また、9枚羽根絞りにより、円形に近いボケ形状を表現するという。
AFアルゴリズムやメカ制御の改善などにより、AF時間はPowerShot G1 Xから約42%高速化した0.22秒に、撮影タイムラグも56%短縮し、0.25秒となった。AF枠も従来の9点から31点に増加している。
撮影モードには「星空」モードが追加。人物写真を合成できる「星空ポートレート」機能も搭載した。クリエイティブショット機能も装備。動画は最高1,920×1,080ドット/30fpsまでのMPEG-4 AVC/H.264(MP4)記録に対応する。
液晶モニターは3型/104万画素のチルト式タッチパネルで、ハイ/ローアングル撮影などに対応する。236万画素の高精細液晶を採用した視野率100%の外付け電子ビューファインダ「EVF-DC1」もオプションで用意する。
無線LANとワンタッチスマホボタンを搭載し、ボタン操作だけでスマートフォンやタブレットへの接続や、クラウドシンクロ機能などを利用可能。NFCにも対応する。外形寸法は116.3×74×66.2mm、重量は553g。
25m防水などフルHD動画対応モデル
30倍ズームレンズ搭載の「PowerShot SX700 HS」と18倍ズームレンズ搭載のスリムモデル「PowerShot SX600 HS」、水深25mまで対応した防水モデル「PowerShot D30」、コンパクトモデル「IXY 630」でもフルHD動画撮影に対応する。
PowerShot SX700 HS/SX600 HSとIXY 630は2月20日に発売、PowerShot D30は3月中旬発売する。直販価格はSX700 HSが37,800円、SX600 HSが28,800円、IXY 630が21,800円、PowerShot D30が31,800円。