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キヤノン、SNS連携に特化した「PowerShot N」

自動でアレンジ写真5枚を作成。「IXY 610F」も

PowerShot N

 キヤノンは、TwitterやFacebookなど、SNSでの利用に適した新しいコンセプトのデジタルカメラ「PowerShot N」を4月下旬に発売する。同社オンラインショップ限定販売となり、カメラと共に、ジャケットとストラップもセットにして販売。アクアブルー、マルチボーダー、ステッチブラック、サクラパールの4種類があり、セット価格は直販29,980円。また、500台限定でビンテージブラウンのレザーストラップをセットにしたモデルも32,980円で用意する。

アクアブルー
マルチボーダー
ステッチブラック
サクラパール
限定のビンテージブラウン、レザーストラップモデル

 また、コンパクトデジタルカメラの新モデルとして、フルHD動画の撮影に対応した「IXY 610F」も2月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、直販価格は27,980円。



PowerShot N

PowerShot Nの正面

 ワンタッチで撮影画像をスマートフォンに転送でき、SNSで気軽にシェアできるのが特徴。さらに、「思いもよらなかったオシャレな写真やセンスあふれる写真をカンタンに」をコンセプトに、アングルや構図のバリエーション、ハイキーにしたり周辺光量を落としたり、背景をぼかすなどの色や光に関する設定をカメラがサポートしてくれる「クリエイティブショット」機能を搭載する。

 これは、被写体に向かってシャッターを押すと、カメラが自動で色や光を調整、さらに構図も決めて切り出しを行ない、異なる5枚の写真を保存してくれるもの(さらにオリジナル画像も保存される)。

 被写体の位置や色情報、距離情報などを分析して最適な処理を施す「画像解析技術」、被写体が人物かどうか、動いているかどうか、露出はどうかなどを判別して最適なブラケットを選ぶ「シーン解析技術」、ぼかし系処理の特殊フィルタやカラーフィルタ、切り出し位置やサイズ、回転処理などを担当する「選択アルゴリズム」、ぼかし処理やシェーディング、25種類のカラーフィルタなどを適用する「画像処理技術」が使われている。

 具体的には、シャッターを切る際に、人物や露出、そこまでの距離、逆光、動きなどからシーン解析を行ない、ブラケットの種類(AFブラケット、AEブラケット、連写)を選択して撮影を実施。撮影後は、被写体の位置、大きさ、形状、画面内の色情報、被写体の距離情報などをもとに、シェーディングやぼかし系の特殊フィルタを適用。さらに、全25種類からのカラーフィルタが選ばれ、構図切り出しやサイズ選択も実施。回転処理も施して、5枚の仕上がりの異なる画像が保存される。オリジナルの画像も保存される。

 こうして撮影できた画像をスマートフォンに伝送するために、無線LAN機能を搭載し、「ワンタッチスマホボタン」を用意。事前に設定をしておくことで、カメラのワンタッチボタンを押し、スマホのアプリ「CameraWindow」(iOS版は2月下旬公開予定/Android版はリリース済み)を起動するだけの2ステップで、カメラとスマホが接続可能。無線で、撮影画像(一度に50枚まで)や動画(合計2分まで)を転送でき、SNSでシェアできる。

 接続を手軽にする「Wi-Fi履歴メニュー」を搭載。SNS連携では、Facebookグループへの投稿、SNSコメント入力にも対応した。また、撮影動画を自宅のPCに転送する事も可能。キヤノンのオンラインサービス「IMAGE GATEWAY」と連携して行なうもので、カメラからIMAGE GATEWAYに画像をアップロード。そこに対して、自宅のPCが新しい画像の有無を問い合わせて、新しい画像がアップされていれば自動的にPCへダウンロードする機能となる。
 動画はMPEG-4 AVC/H.264のMOV形式で、1080/24p、720/30pなどの撮影が可能。ダイジェスト動画、ハイスピード動画、ジオラマ風動画なども撮影できる。

 静止画と動画を同時撮影する事もでき、静止画を撮影した直前の4秒間を動画で記録。これを繰り返す事で、撮影された映像は自動で編集され、1日のダイジェスト動画も作れる「プラスムービーオート」機能も用意する。

 従来のカメラにとらわれない形状になっており、シャッターボタンは存在しない。レンズのまわりにズームリングとシャッターリングがあり、背面には約90度に開くチルト式の液晶モニタ(2.8型/約46.1万画素)を搭載。ズームリングで画角を決め、シャッターリングは上下に動くようになっており、それを動かすとレリーズできる。この機構とチルト式液晶モニタを組み合わせる事で、自由なアングルでの撮影ができるとしている。これ以外に、液晶モニタをタッチしてもシャッターが切れる。

背面の液晶モニタは約90度開くので、右のような撮影スタイルも可能

 撮像素子は、有効約1,210万画素、1/2.3型CMOS。レンズは光学8倍ズームで、焦点距離は35mm換算で28~224mm。F値は3.0~5.9。約16倍の「プログレッシブファインズーム」機能も備えている。画像処理エンジンはDIGIC 5。ISO 6400の高感度撮影もできる。

 外形寸法は78.6×29.3×60.2mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約174g。バッテリやメモリーカードを含めると約195g。



IXY 610F

 薄型高倍率ズームレンズを搭載すると共に、無線LAN機能も内蔵。撮影画像をSNSでシェアしたり、メールで送信、旅先から自宅のPCへ写真を保存する事も可能。キヤノン製カメラ同士で写真を交換する機能も備えている。カラーはピンク、ゴールド、シルバーの3色。

カラーはピンク、ゴールド、シルバーの3色

 前述のPowerShot Nと同様に、無線LAN機能を強化。接続を手軽にする「Wi-Fi履歴メニュー」を搭載。SNS連携では、Facebookグループへの投稿、SNSコメント入力にも対応した。IMAGE GATEWAYを使い、自宅PCへの転送も可能。スマートフォンとの連携も行なえる。

 動画撮影も可能で、MPEG-4 AVC/H.264のMOV形式で、1080/24p、720/30pなどの撮影が可能。ダイジェスト動画、ハイスピード動画、ジオラマ風動画も撮影でき、PowerShot Nでも採用されている「プラスムービーオート」も利用可能。

 より多くの撮影をできるようにするための「エコモード」を用意。無操作状態が続くとモニタを消して、消費電力を抑える機能は従来から搭載しているが、新モデルでは無操作状態が2秒続くと画面の輝度を落とし、10秒後には表示を消しつつ省エネ状態へ以降するというアナウンスを表示。その後、画面が黒くなるようにした。これにより、撮影枚数を増加させている。画面が黒くなった状態でも、何かの操作をすると直ちに復帰する。

 撮像素子は、1/2.3型、裏面照射タイプの1,210万画素CMOS。レンズは35mm換算で24~240mmの10倍ズーム。F値は3.0~6.9。従来モデルの28mmから広角化すると共に、倍率も8倍から10倍にと向上している。約20倍のプログレッシブファインズーム機能も利用可能。こだわりAUTOは58シーン、個人認証機能も備えている。手ブレ補正は「マルチシーンIS」。液晶モニタは3型の46.1万画素。

 外形寸法は97.2×22.5×56.4mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約125g、バッテリやメモリーカードを含めると約144g。

(山崎健太郎)