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パナソニック、業界初・竹由来の“プラントオパール”使ったスピーカー。車載/AV向け

左にあるのが竹プラントオパールスピーカ

 パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズは、業界初となる、竹から抽出した硬い材料“プラントオパール”を振動板に使ったスピーカーユニット「竹プラントオパールスピーカ」を開発。自動車メーカーや音響機器メーカー向けに、3月1日からサンプル発売を開始する。仕様や価格は応相談。

 歪が小さく、再生帯域の広いスピーカーを実現するためには、軽量で高剛性かつ音速に優れた振動板が必要となる。パナソニックでは、竹に含有されている植物由来オパールに着目。独自技術で抽出した竹プラントオパールを竹材料(竹繊維、竹炭)と配合して樹脂と混練。これを独自技術で分散し、業界初となる振動板を開発した。

 竹プラントオパールは、竹の葉に分布する釣り針状の硬質な物質で、従来品と比べて、曲げ弾性率、音速が向上し、スピーカーの歪低減と再生帯域の拡大、高信頼性を実現したという。

 さらに、振動板は内部損失が大きいほどクリアな再生が可能だが、竹材料と竹プラントオパールを樹脂に混練することで、振動板内の振動を吸収して内部損失が大きくなるという。これにより、ワイドな再生帯域とクリアな音を実現したとする。

 これらの材料技術や構造設計技術を融合させることで、自動車/音響機器メーカーなどの要望に応える、きめ細かな音作りが可能としている。

 竹は天然繊維であることから、通常のスピーカーユニットで混合されるマイカやタルク、ガラス、アルミナといった無機質フィラーと比べ、製造時のエネルギー消費が小さい。さらに、スピーカでよく使用される天然繊維の木材と比べて生育が早く、持続的再生産も可能な資源だという。また、さらに高機能化した竹炭、竹由来のプラントオパールを利用した環境負荷が小さい振動板で、さらなる音質向上に役立てられるという。

(山崎健太郎)