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BD発売「ゼロ・グラビティ」、宇宙飛行士も太鼓判。安藤美姫は宇宙で何回転ジャンプ?
(2014/4/24 10:45)
第86回アカデミー賞で監督賞など、最多7部門を受賞した映画「ゼロ・グラビティ」。既報の通り、23日にワーナー・ホーム・ビデオからBlu-ray/DVDが発売された。それを記念した特別試写会が都内で開催。スペシャルゲストとしてフィギュアスケーターの安藤美姫さんと、宇宙飛行士の山崎直子さんも参加し、トークショーを行なった。
メキシコ出身の監督として初めてオスカーを手にする事になったアルフォンソ・キュアロン監督の作品で、宇宙空間が舞台。メディカル・エンジニアであるライアン・ストーン博士(サンドラ・ブロック)は、ベテラン宇宙飛行士マット・コワルスキー(ジョージ・クルーニー)のサポートのもと、地球の上空60万メートルの無重力空間“ゼロ・グラビティ”で、データ通信システムの故障の原因を探っていた。
しかし、人工衛星の破片などの宇宙のゴミ(スペース・デブリ)が衝突。連鎖反応で衛星が次々と破壊され、地球との通信も途絶、シャトルに戻ろうとする2人に、凶器と化したデブリが襲いかかり、宇宙区間へ放り出されてしまう。シャトルは大破し、生存者はストーンとコワルスキーの2人だけ。地球への帰還を目指す、壮絶な道のりが幕を開ける。
特典として「フォーカス・ポイント」(映像に潜む物語/試行錯誤の果てに/無限なる世界を描く/宇宙の色彩など)と、「撮影の舞台裏」(感動を構築する/国際宇宙ステーション(ISS)での火災/再誕を奏でるなど)を収録。ドキュメンタリー「スペースデブリの脅威」なども収めている。
フィギュアスケーターは宇宙空間で何回転ジャンプできる!?
実際にスペースシャトルディスカバリーで宇宙へ、そして映画にも登場する国際宇宙ステーションにも滞在した宇宙飛行士の山崎直子さんは、映画における宇宙の描写について「非常にリアル。無重力状態や、そのために地球が一定の方向ではなく、様々な方向から見えるところなどもとてもリアルに作られている」と絶賛。
さらに、映画の中に登場する国際宇宙ステーションの映像を見ながら、「この部分が70m程度のソーラーパネルで、ここが日本の実験棟・きぼうです」と、細部を紹介。宇宙ステーションの形状も、実際のそれに忠実に作られている事に感心した様子だ。
映画では、宇宙空間に存在するゴミ、スペース・デブリが1つの要素となっているが、現実の宇宙でもデブリは問題になっており、「デブリが接近すると地球からの情報で警報が鳴り、宇宙ステーションの姿勢を変えてそれを避ける」のだという。また、山崎さんがシャトルで地球へと帰還した際も、窓などに小さなデブリが衝突した事によるヒビが数箇所入っていたとのこと。映画のストーリーはフィクションだが、実際に起こるかもしれないリアリティのある物語というわけだ。
世界選手権など、数々の大会で活躍してきたフィギュアスケーターの安藤美姫さんは、サンドラ・ブロック演じる主人公のライアン・ストーン博士が、困難と戦う女性であり、また、安藤さんと同じ娘を持つ母でもある事から共感するシーンも多かった様子。「娘は自分できちんと育てたいと思い、日本に残さず、試合にも連れて行っていました。ストーン博士も辛い時に娘の事を思い出していましたね」と振り返る。
世界中を飛び回る選手生活を続けてきた安藤さんは、辛かったり、日本が恋しくなった時は「空は日本と繋がっているので、空を見上げて元気を出すようにしていました」とのこと。スケートをやめようと考えた時に支えてくれたのは、近くでサポートしてくれる人だけでなく、「最後の最後は応援してくれる人の手紙などのメッセージでした。選手として、1人でもそういう人がいてくれたのは幸せだったと思います」と語った。
そんな安藤さんだが、山崎さんから無重力空間で姿勢を維持する大変さや、宇宙飛行士達が“宙返りが何回連続でできるか”を競ったエピソードなどを聞くと、「(フィギュアのような)横方向の回転は難しいんですか? フィギュアでは0.7秒で4回転するんですが、どのくらいの速さで回れますか?」と“宇宙空間でのジャンプ”に興味津々の様子。
「実際に宇宙に行けるとしたら?」という問いに安藤さんは、「映画を観ると“怖いな”と思ってしまいますが(笑)、地上から見上げるばかりなので、宇宙から雲や、季節の変化を見てみたいです」と目を輝かせていた。
映画について安藤さんは、「(山崎さんから話を聞いて)本当にリアルに近い映画なんだと知ったので、そういう目線でもう一度観たいです。大変な状況にもなりますが、状況に応じて、人間が思う事や感情も組み込まれている映画です。そういう所も感じて欲しいです」とアピール。
山崎さんは、「映画は約90分、90分で国際宇宙ステーションは地球を一周するのですが、この映画で宇宙旅行を体験して欲しいです。宇宙から地球に戻った時に、空気の匂いなどを感じて、地球って良いなと感じたのですが、そういう感覚も映画で味わえます。宇宙だけでなく、改めて“地球での日常の良さ”に気づく映画なのでは」と、宇宙飛行士ならではの目線で魅力を語った。
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