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パナソニック、4K30p、水中やリュック肩紐位置から撮影も可能なウェアラブルカメラ

ウェアラブルカメラ「HX-A500」

 パナソニックは、記録ユニットの本体とカメラ部を分離し、旅先の風景撮影や、アクションカメラとしても使えるウェアラブルカメラ新機種として、4K30p撮影に対応した「HX-A500」を6月12日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は42,000円前後。カラーはオレンジ(D)とグレー(H)の2色。

 筒状のカメラ部と、SDカードを挿入する本体部に別れ、両者が有線接続されたウェアラブルカメラ。同梱のヘッドマウント用アクセサリを使い、カメラ部を頬の位置にホールド。人間の目線で旅先の風景を撮影したり、スキーなどスポーツ中の視界も撮影できる。自転車のハンドルに取り付けるなど、アクションカメラとしても利用可能。本体部を収納するアームバンドケースも同梱する。

カラーはオレンジとグレーの2色
付属のヘッドマウントでカメラ部を頭部に固定できる

 従来モデル「HX-A100」との大きな違いは新設計のレンズや、新センサーを採用して画質を向上させた事と、4K30p撮影にも対応した事。本体部に液晶モニタも新たに備え、スマートフォンなどを使わずに画角の確認ができるようになった。さらに、防水機能もA100のIPX8(水深1.5mに30分)から、IPX8(水深3mに30分)へと強化。ハウジングなしで水中撮影ができるようになった。なお、HX-A100は併売される。

本体にディスプレイが追加された
防水機能が強化。写真はカードスロットのゴムパッキン
カメラ部。4K撮影が可能に

 画質面では、新設計の5レンズシステムを採用。通常時だけでなく、水中でも高精細な撮影が可能になったという。また、撮像素子が有効903万画素の、大型1/2.3型MOSセンサーに進化。裏面照射型の高感度なセンサーで、セルサイズの大型化やフォトダイオードの大型化、集光率のアップなどで、高精細な撮影や、暗いシーンでの撮影でも画質が向上したとする。

 カメラ部は外形寸法26.5×26.5×68.5mm、重量約31gと小型・軽量で、頭部などに装着しても負担が少ないのが特徴。

 画像処理エンジンは「クリスタルエンジンPRO+」。1チップで4Kエンコードができ、3,840×2,160ドット、30pでの撮影が可能。なお、撮影フォーマットはMPEG-4 AVC/H.264のMP4で、4K30p撮影時のビットレートは約72Mbps。1080/60p、1080/30p、720/60pでの撮影も可能。

新しい5レンズシステム
画像処理エンジンは「クリスタルエンジンPRO+」

 傾き補正、ブレ補正も装備。スローモーションモードやループ記録モードも用意する。

4K30p撮影した動画を4K対応テレビで表示したところ

 本体には1.5型、約11万画素の液晶モニタを装備。画角や設定の確認ができるほか、屋外でも見やすいコーティングを施したという。本体には電源ボタンや録画ボタン、メニュー操作用のジョイスティックを装備している。

 バッテリも本体側に搭載。連続撮影時間は、4Kで約56分。フルHDでは、その約4倍に長くなるという。本体部の外形寸法は59.5×94×26.7mm、重量は約128g。

 無線LAN機能も装備。Android/iOSアプリ「Panasonic Image App」を利用して、スマートフォンやタブレットとワイヤレス接続し、撮影している画角を確認したり、遠隔操作が行なえる。撮影動画をスマートフォン経由でアップロードする事も可能。NFCにも対応しており、対応端末とワンタッチでペアリングできる。また、スマートフォンを介して、撮影中の映像を直接Ustreamで配信する事もできる。

 撮影後に使える機能として「ムービースライドショー」も用意。アクションカメラは1カットが長くなりがちだが、この機能を使うと、自動的に見どころを集めた1分程度の動画を作成してくれる。パナソニックの通常のビデオカメラに搭載されているものと同じアルゴリズムで自動編集する、登山や旅行向け「ナチュラルモード」に加え、重力センサーで検知した動きの情報を用いて、激しい動きのシーンを中心にピックアップ編集する新アルゴリズムの「ダイナミックモード」も搭載した。

 なお、HX-A100にもファームウェアアップデートで機能が追加される。ムービースライドショー、ループ記録モード、Delay REC、傾き補正チェック、マイクのON/OFF機能、傾き補正の強/標準/切る選択機能、バッテリー残量表示で、6月2日にダウンロードが開始される。

アクセサリも改良&充実

 A500に付属するヘッドマウントも進化。「VW-HMA100」という型番で、A100に同梱されていたイヤーフックは、両耳で支える構造だったが、新ヘッドマウントは頭部と側面の3点で支持。装着感がアップし、長時間の装着でも負担が少ないという。なお、「VW-HMA100」はマウント単体でもA100ユーザー向けに3,500円で販売される。

 さらにアクセサリが追加。帽子のつばなど、様々な場所にカメラ部を固定できるクリップマウント「VW-CLA100-K」は2,000円。リュックの肩紐に取り付け、カメラを固定すると共に本体も収納、リュックを背負って旅先を歩きながら撮影できるマルチベルト「VW-MBA100-K」も5,000円で発売する。このベルトは、ベルト単体でも腰に巻くなど、体に固定して利用できる。

右がヘッドマウントの「VW-HMA100」
帽子のつばにカメラ部を固定できるクリップマウント「VW-CLA100-K」
ヘルメットの頭部に取り付けるアダプタも
リュックの肩紐、手前が黒くなっているが、この部分がマルチベルト「VW-MBA100-K」。肩紐にマルチベルトを取り付けており、このベルト上部にカメラを固定。本体はベルトの内側に収納できる

 本体を腕などに固定できるマルチケース「VW-HLA500-K」も4,000円で新たに発売する。このケースは自転車のステムなどに固定する事も可能で、カメラ部は既発売のビデオカメラマウント(ハンドルバー用/RP-CMC10-K)を使ってハンドルバーに固定できる。

マルチケースとビデオカメラマウントで自転車に固定したところ
スキーのゴーグルにも装着できる

BMXライダーの内野洋平も絶賛

 パナソニックでは、国内のアクションカメラの市場動向について、2013年は12万台、2014年は40万台(前年比333%)、2015年は47万台(前年比118%)と予想。2年で約3.9倍の成長市場と見ている。また、ユーザー層は7割が男性で、幅広い年齢層で使われていると分析。

 従来モデルの利用シーン調査では、自転車・サイクリングが最も多く、以降バイク、旅行、ウインタースポーツ、子どもと遊ぶ、車、登山、ペットと遊ぶ、マリンスポーツ、散歩と多岐に渡っているという。

国内アクションカメラの市場予測
ユーザー層分析
ユーザーの利用シーン

 利用シーンが豊富なのは、カメラ部が小さく、単純にバイクや自転車に取り付けるだけでなく、人間の体に装着し、旅先の出来事を手軽に記録するなど、様々な撮影スタイルに対応できるため、パナソニックでは他社にはないそのスタイルを今後も提案していくという。

 アクションカメラでの4K撮影対応は、「GoPro」もサポートしているが、フレームレートが15fpsと低く、カクカクした映像になる。一方、A500では4K30p撮影に対応する事で、「実際に使える綺麗な4K撮影を実現した」とアピールした。

 製品説明会にはゲストとして、プロBMXライダーの内野洋平氏も登場。A100を愛用しているという内野氏は、A500の新しいヘッドマウントの装着感の良さや、装着するまでの時間の短さなどを実感。さらにディスプレイが本体に搭載された事で、より手軽に画角のチェックができる点などを喜んでいた。

プロBMXライダーの内野洋平氏
パフォーマンス中の内野氏の視線でとらえた映像

 会場では自らA500を装着し、BMXを高速で回転させたり、ハンドルの上に立つなど、激しいパフォーマンスを披露。高速回転時は強烈なGがかかるため、通常のイヤフォンやヘッドフォンはすぐに飛んでいってしまうという激しさだが、新しいヘッドマウントは安定して装着できていたという。

圧巻のパフォーマンスを披露する内野氏

 さらに内野氏は、「友人達とテスト撮影して、迫力のある映像が撮れて面白かった」という、小型軽量なカメラ部を活かした新しい撮影スタイルも提案。BMXで、同じ場所を高速回転するパフォーマンスをしている最中に、それを取り囲むように撮影者が集まり、カメラ部を地面近くに手でホールド。BMXに当たらないギリギリのところまでカメラを近づけて撮影するというもの。実際にやってみると、ローアングルから迫力満点の撮影ができた。

白い円の中で回る内野氏をギリギリの位置から撮影
迫力満点の映像が撮影できた

 なお、HX-A500と4K VIERAを一緒に購入した人に、3万円分の商品券をプレゼントするキャンペーンも実施する。購入期間は7月31日までで詳細は同社ホームページで案内する。

(山崎健太郎)