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スマホのヘッドフォン端子につないだ外部機器を給電/動作させる「クイックジャック」

 オランダのNXPセミコンダクターズは26日(現地時間)、スマートフォンの3.5mmヘッドフォン端子に外部センサーやスイッチ、コントローラなどの機器を接続して利用可能にする「クイックジャックソリューション」を開発したと発表した。

クイックジャックソリューションのデモボード「OM13069」

 スマートフォンにセンサーやキーボード、スキャナといった外部機器を接続する際に、マイクロUSBやLightning端子を使わずに、ヘッドフォン端子を通信用として利用する技術。給電もヘッドフォン端子から行なうため、外部電源を必要とせず、ヘッドフォンを端子に挿すのと同じく容易に使用できるという。ミシガン大学のプロジェクト「HiJack」からヒントを得ており、ウェアラブルな医療/フィットネス装置、ゲームコントローラ、玩具、診断/メンテナンスツールなどの製品設計を可能にするとしている。

 同ソリューションは、小型ボード、スマートフォンOS用の無料アプリサンプル、設計ドキュメントで構成。データ伝送用に左オーディオチャンネルの使用を可能にする「 マンチェスターアルゴリズム化/復号化」処理と周辺機器との通信を処理するLPC812マイクロコントローラーや、センサー/スイッチ/HMI周辺機器/データ収集デバイスを簡単に接続するための標準型拡張ヘッダ、右オーディオチャンネルで電源を取り、ボードや付属部品に供給をするエナジーハーベスティング(環境発電)回路、サンプルアプリケーションでデータ/信号を視覚化し、スマートフォンUIを制御するミニチュアジョイスティックなどが含まれている。

 NXPセミコンダクターズのビジネスライン・マイクロコントローラー部門 副社長兼ゼネラルマネージャー Jim Trent氏は「ポータブル大気品質モニターのような高精度装置類から、変更/アップロード機能が付いた子供用の玩具に至るまで、様々な最終製品の設計において、容易な接続性という点で利点がある」とコメント。

 また、ミシガン大学助教授のPrabal Dutta氏は、「このスマートフォン向けのクイックジャックソリューションがあれば、最終製品の設計者は、データ表示、制御スイッチ、センサー監視、診断などのフィールドデータの取得において、スマートフォン用の魅力的なUI機能を、すぐに使用できる。スマートフォンの無線接続で、データアップロード、保存、ファームウェア更新、クラウドとの汎用通信がサポートされているため、別のハードウェアやソフトウェアを設定する必要は無い」としている。

 NXPはクイックジャックで制作したいアプリケーションのアイデアを募集するコンテストも開催。6月20日まで応募を受け付けている。

(中林暁)