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JBLやAKG製品集結、ハーマンがミッドタウンに初の直営店。1,500万円のシステムで試聴

 ハーマンインターナショナルは18日、東京ミッドタウン内に日本初となる直営店「HARMAN Store」をオープンした。JBL、AKG、harman/kardon、Mark Levinsonなど、取り扱うブランドの製品が多数試聴できるほか、製品の購入も可能。営業時間は11時~21時。そのオープニングイベントが18日にマスコミ向けに開催された。

直営店「HARMAN Store」

 場所は東京ミッドタウン・ガレリア3階。開放的なフロアに、JBLの各種スピーカーや、harman/kardonのアクティブスピーカー、AKGのヘッドフォンなどが多数展示されており、音を確かめる事も可能。保有ブランドのフルラインナップが揃えられているほか、今後は直営店限定モデルの販売も検討されている。

店舗の外観
harman/kardonの製品が展示されたコーナー
JBLのスピーカーもズラリ
AKGのヘッドフォンやイヤフォンも多数。試聴も可能だ
Bluetoothスピーカーなども用意されている
オープニングセレモニーではテープカットも行なわれた。左からHARMAN Storeの坪井一樹店長、ハーマンインターナショナルジャパンの仲井一雄社長、東京ミッドタウンマネジメント タウンマネジメント部 豊藏英介部長

 さらに、ストアの奥には防音構造で10畳ほどの試聴室も用意。JBLの最上位スピーカー、EVEREST DD67000 MA(1台300万円)や、K2 S9900 BG(1台185万円)、マーク・レビンソンのリファレンスプリアンプ「No.52」(330万円)、デュアルモノラルパワーアンプ「No.532」(280万円)、SACD/CDプレーヤー「No.512」(210万円)といった、総額約1,500万円という超ハイエンドシステムが体験できる。

試聴室も用意されている

 試聴室がフリーの場合は設置されている機器を聴く事ができるほか、予約すれば、好きなスピーカーをセッティングしてもらい、試聴する事も可能となっている。

マーク・レビンソンのシステムでJBL EVEREST DD67000が聴ける
K2 S9900 BGも用意

参考展示が3モデル

 直営店内を取材していたところ、未発表の参考展示3モデルを発見した。

 JBLブランドの「Authentic L16」は、木目筐体を採用した一体型のオーディオシステムで、前面に3ウェイのスピーカーを内蔵。天面の左右に操作ボタンを備え、中央のくぼみにUSB端子を装備している。

上段にあるのが「Authentic L16」

 Bluetooth受信やDLNA、AirPlayといったネットワーク再生に対応しており、スマートフォンやタブレットなどと連携して音楽を再生。USB端子から、連携している端末へ給電する事もできるようだ。さらにMM/MC対応のフォノイコライザも搭載し、アナログプレーヤーとも接続可能。価格は未定だが、12万円程度のイメージだという。

木目の筐体がデザイン面での特徴。前面に3ウェイスピーカーを装備
天面の窪みには、モバイルデバイス向けに給電などを行なうためのUSB端子を備えている

 「Authentic L8」は、L16の下位モデルで、スピーカーが2ウェイになるほか、アナログプレーヤーとの接続には対応しない。

「Authentic L8」は下位モデル。スピーカー構成は2ウェイとなる

 harman/kardonのコーナーで発見した参考展示モデルは「AURA」というラウンドフォルムの無指向性スピーカー。8月上旬頃の発売を予定しているというモデルで、本体上部の中央に穴があいている。これはバスレフポートで、ダイナミック型のユニットが底面に、下向きに搭載されている。

 この構造により、音を360度に放出。1台で利用するスピーカーだが、広がりのあるサウンドが楽しめるという。Bluetoothや、DLNA/AirPlayのネットワークオーディオ機能に対応し、スマートフォンやタブレットをソースとして再生したり、ネットワークHDDに保存した楽曲を再生する事もできる。

harman/kardonの無指向性スピーカー「AURA」。Bluetooth、ネットワーク再生機能を備えている
上に向かって空いている穴がバスレフポート
ユニットは底面に取り付けられている

「若い人にも気軽にハイエンドスピーカーの音を」

 ハーマンインターナショナルジャパンの仲井一雄社長は、JBLやAKG、harman/kardonといった取扱ブランドの歴史や、代表的な製品を紹介。スピーカーなどのAV機器がお馴染みだが、それだけでなく、カーオーディオや、カーナビを含めたインフォテイメント事業、東芝やLenovoなどのノートパソコンへのスピーカーの提供なども積極的に展開。「自動車関係の事業がかなり大きな部分を占めている」という。

ハーマンインターナショナルジャパンの仲井一雄社長
ハーマンが取り扱う主なブランド

 直営店をオープンした理由として仲井社長は、「一昔前は、ラジカセやミニコンポで音楽を聴き、そこから高校、大学になると単品コンポになり、そこからオーディオファンになった。しかし、現在ではピラミッドのようなユーザー層にはなっておらず、ヘッドフォンマニア層、ガジェット層、ハイエンド層と、ユーザーニーズが細分化し、従来のようなステップアップが望めない」と説明。

 その上で、「今後はそれぞれの層に向けた商品群を提案していく必要がある。さらに、ヘッドフォンを買いに来た人、Bluetoothスピーカーを買いに来た人にも、気軽に試聴ルームに入っていただき、ピュアオーディオのスピーカーの音を体験して欲しい。本当に良い音というのはこういうもので、こういう聴き方があるという体験をしていただきたい」と語り、ヘッドフォンやガジェット好きの層を、ピュアオーディオの世界へ誘う流れも直営店で作っていきたいとした。

従来のオーディオマーケットの構造
現在のオーディオマーケットの構造

(山崎健太郎)