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ドコモ、車との対話や「YUBI NAVI」、ウェアラブルなどの体験展示

 映像、情報、通信の総合展示会「CEATEC JAPAN 2014」が、10月7日に幕張メッセで開幕した。入場料は一般1,000円だが、Web事前登録により無料となる。期間は11日までで、11日の土曜は無料公開日(18才以上は入場登録が必要)。

 ここでは、スマートフォンや通信を活用して、ウェアラブルやヘルスケア、コミュニケーションなど様々な分野への提案を行なっているNTTドコモのブースをレポートする。

NTTドコモのブース

「車との対話」や、歩きスマホ不要の「YUBI NAVI」歩行ナビなど

 NTTドコモブースは、端末の試作機やサービスを体験できる展示が多いのが特徴。音声で車と会話するように運転できる「対話型車両エージェント」や、触覚を通じてコミュニケーションする「YUBI NAVI」、生体ガス成分(アセトン)を測定して健康をチェックするウェアラブルデバイスのコーナーを設けている。

 「対話型車両エージェント」は、スマートフォンの通信機能を活用して、車と日常会話するように音声コミュニケーションできるという技術。ドライバーの食事やスケジュールなど日常生活に関する質問をしたり、行き先などを尋ねて、それにドライバーが返答すると、その内容に応じたコメントなどを返すことで、自然な対話を実現。急ブレーキを踏んだ時に、ドライバーに「今日はゆっくり休んで」と声を掛けるといったことも行なう。スマホのボタンなどを押さなくても、音声認識のみで連続して対話できることも特徴。2年後の実用化を目指している。

「対話型車両エージェント」のコーナー

 今回のデモでは、「住宅街の道」や「繁華街の道」、「会社近くの道」など様々なシチュエーションの映像が流れ、運転しているような感覚で対話を体験できる。今回シナリオは3つのシチュエーションでそれぞれ3つずつ、計9種類を用意しており、データを増やすことで様々なシーンに沿った会話が可能になるという。

運転しているような感覚で体験できる
車が話しかけてくる質問などに答えると、それに応じた会話をしてくれる
今回のデモ用に、スマホで対話の履歴を表示している

 「YUBI NAVI」は、片手で握る専用端末を利用し、触覚を通じてコミュニケーションするというもので、歩行ナビのように使ったり、複数人で対話することが可能。

 例えば、スマホに目的地を入力して歩くと、曲がり角の時に、右折する場合は端末を握った親指が右へ動くように先端部分が動作。これにより、端末を目で見なくても曲がる方向が触覚で分かり、「歩きスマホ」をしなくて済むという。

 ナビとしての利用の他に、簡単なコミュニケーション端末としての利用も想定。離れている2人がそれぞれ端末を握り、指で押すなどの操作をすると、相手の端末がその動作を伝え、まるで直接相手に触られたような体験ができるという。

YUBI NAVIを使ってナビ機能を体験できる
2人で簡単なコミュニケーションも可能

 「皮膚アセトン測定による健康管理」は、生体ガス成分(アセトン)を測定する小型デバイスを腕に装着すると、日頃の体脂肪燃焼量が「見える化」され、生活習慣病の予防や改善に向けた個人別のアドバイスが受けられるというもの。スマホと「皮膚アセトン測定デバイス」をBluetooth接続し、日々の測定で生活習慣を推定。食事メニューや食事量などをアドバイスする。さらに、導電性複合素材を用いたスポーツウェアで心拍数を計測できる「hitoeウェア」と連携すると、より効率的なダイエットが行なえるという。

皮膚アセトン測定デバイスの装着例
皮膚アセトン測定デバイスの測定データをスマホに送り、健康アドバイスが受けられる
hitoeウェアのデモも行なっている

ポータブルSIMや、iPhoneをおサイフケータイにするジャケットも

 「ポータブルSIM」は、スマホやタブレットのSIMカードの新しい利用を提案するもの。現在は、スマホとタブレットでLTEなどの通信回線を使う場合、各端末にSIMカードを挿入する必要があるが、ポータブルSIMはそれぞれの端末にかざすだけで簡単に同じSIMの電話などを切り替えて利用できるもの。実用化の時期は検討中。

左側の白い端末がポータブルSIMの試作機

 ポータブルSIM端末にはSIMカードとBluetooth、NFC、バッテリを搭載。NFC対応スマホにかざすとBluetooth接続して、そのスマホで通話やデータ通信が行なえる。帰宅してタブレットを使う場合は、ポータブルSIMをタブレットにかざせば、すぐにタブレットで通信が可能になる。

スマホのNFC部分にかざすとLTE通信が行なえ、通話などが可能になる
腕時計型など、小型化を進める予定

 SIMカードのセキュリティ領域を利用し、通販サイトなどへのログインIDやパスワードも記録できるため、NFCタッチするだけでスマホでサイトへのログインもすぐに行なえる。この認証機能は、スマホ/タブレットだけでなくPCでも利用できる。

 また、ポータブルSIMを家族で使い分けることで、一つのタブレットを家族で共用する場合にも活用可能。例えば子供用のSIMで通信している時はGoogle Playでアプリをダウンロードできないようにするなど、ペアレンタルコントロールが行なえる。

通販サイトなどへのログインも簡単にできる
ポータブルSIMの特徴

 「おサイフケータイジャケット」は、モバイルFeliCa ICチップを搭載した端末とiPhoneケースを組み合わせて、iPhoneでおサイフケータイの決済ができるもの。対応アプリ「おサイフリンク」をインストールした端末とBluetooth接続し、ドコモの電子マネー「iD」や、ポイントサービス、飛行機の搭乗券など複数の対応サービスを利用できる。対応端末はiPhone 5s/5c/6/6 plusとiPad Air、iPad mini Retinaディスプレイモデル。

「おサイフケータイジャケット」のデモ

 機種変更した場合も装着するケースを替えることで、データ移行手続き不要で「おサイフケータイ」を継続利用できる。連続動作時間は約2.5か月で、電池残量もLED表示で表示される。10月下旬より、ドコモ取扱店やドコモオンラインショップで発売する。

ジャケット(左)と、モバイルFeliCa IC搭載端末(右)を組み合わせて利用
iPhoneケースのように装着する
ジャケットを替えることで、iPhoneの各モデルに装着可能

(中林暁)