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オーテク、45mm新ユニットでハイレゾ対応、“40周年の集大成”ヘッドフォン「MSR7」
(2014/10/16 16:27)
オーディオテクニカは、ハイレゾ再生に対応し、新開発ドライバを採用した密閉型ヘッドフォン「ATH-MSR7」を11月14日に発売する。価格はオープンプライスで店頭予想価格は27,000円前後。カラーはガンメタリック(GM)、ブラック(BK)の2色を用意する。
さらに、MSR7をベースに、より鮮やかなカラーリングを採用した限定モデル「ATH-MSR7LTD」も11月14日に発売する。店頭予想価格は28,000円前後。
いずれのモデルにも、新開発の45mm径ドライバを採用。「45mm "True Motion" Hi-Res Audio Driver」と名付けられたもので、駆動力を最大限に高め、様々な音源を高精細に描写できるという。
同社がヘッドフォンの開発をスタートしてから40年の技術を多数投入した、「40周年記念の1つの集大成」と位置づけられており、「オーディオテクニカを代表するモデルにしようという想いで開発した」という。
高駆動設計の振動板と、ボビン巻きのショートボイスコイルを採用。各音域のバランスを調整する、デュアルアコースティックレジスターも備えている。音の歪を抑える、トップマウントPCB方式も採用する。
さらに、「Dual-layer Air-control Technology」を採用。音響効果の高い、強靭な積層構造と、音の空気経路を綿密に計算した独自の技術で、原音を忠実に再生できるという。
他にも、不要振動を抑制する「レイヤードメタル構造」や、低中高域の特性を向上させるトリプルベントシステムも採用する。
開発を担当した、第一技術部の安藤幸三氏と、商品企画部の奈良崇史氏は発表会において「いかに高音質な再生を行なうかをテーマに開発。今までにないほど、沢山の人が関わって完成したモデル。オーディオテクニカにとって、今後間違いなく、ポータブルヘッドフォンのスタンダードモデルになると確信している」と語り、完成度への自信を覗かせた。
ハウジングはどちらも密閉型。再生周波数特性は5Hz~40kHz。最大入力は2,000mW。インピーダンスは35Ω。ケーブルを除いた重量は約290g。
ケーブルは着脱可能で、ヘッドフォン側の入力にはステレオミニを採用。ケーブルは1.2mと3m、さらにスマートフォン用リモコンマイクを備えた1.2mのもの、計3本を同梱する。持ち運び用のポーチも付属する。
音を聴いてみる
2万円台という価格や、カラーを含めた雰囲気なども含め、ソニーの「MDR-1R」シリーズのライバルになりそうなモデルだ。
サウンド面でもライバルになりそうで、色付けが少なく、ワイドで高解像度なサウンド。ハウジングは薄めで密閉型だが、音場も広い。モニターヘッドフォンライクな再生能力がありつつ、聴き疲れしない開放感もあり、モニターと音楽鑑賞、どちらにも使えるオールマイティーなモデルだ。
1Rと比べると、側圧は強めで、ガッシリと両側からホールドする。そのせいか、イヤーパッドとの密着性が高く、低音が逃げずに、パワフルかつ音圧豊かに再生される。1Rの低域はどちらかというとゆったりした感じだが、MSR7は低域までハイスピードさが貫かれていると感じた。
ヘッドフォン事業40周年
松下和雄社長は、オーディオテクニカのヘッドフォン事業が、1974年の第1弾モデルから、今年で40周年の節目を迎えた事を紹介。「それまで培ってきたカートリッジの音作りや精密技術を用いてヘッドフォンを開発すれば、必ず世界に通用するものが作れると考え、ヘッドフォン事業を手掛けた」という。
また、「当時、ヘッドフォンはステレオセットの付属品、あくまでオマケという扱いで、音質は二の次だった。音楽は家の中で聴くもので、屋外で聴くものでもなかった。しかし、技術革新により、24時間、どこでも好きな音楽が聴けるようになった。音楽が身近になり、必要不可欠なものになった。そして、デジタルサウンドの時代を迎えている。今後もワイヤレス、ハイレゾといったトレンドやライフスタイルに合わせたモデルを開発していきたい」と決意を語った。