NTT西、フレッツ光で4K/60p映像の複数同時配信に成功

　西日本電信電話(NTT西日本)とNTTビズリンク、NTTエレクトロニクスは10日、フレッツ光を用いた2種類のIP方式で4K/60p映像を同時に複数拠点へ配信することに成功したと発表した。この方式を利用して、パブリックビューイングなど4K映像の複数拠点へのリアルタイム配信サービスの本格提供へ取り組む。

NTT西日本らが実証した内容

　4Kカメラで撮影した4K(3,840×2,160)/60p映像を、HEVC/H.265で圧縮し、「帯域確保型配信技術」と、「フレッツ・キャスト」を使ったマルチキャスト配信により複数拠点へ同時にリアルタイム配信。NTT西日本エリアにおいて800万契約を突破(6月30日時点)したフレッツ光を用いることにより、低価格で4Kパブリックビューイングなどを実施できるという。HEVCのエンコーダ/デコーダと、マルチキャスト配信装置はNTTエレクトロニクスが提供している。

　NTT西日本の「フレッツ 光ネクスト ビジネスタイプ」とNTTビズリンクの「帯域確保型配信技術」を用いて、パケットロスがほぼ発生しないという高品質な25Mbpsの4K映像配信を実証。この方式による配信は、大型スクリーンで多数の観客が視聴するODS(Other Digital Source/映画以外のコンテンツを映画館で上映すること)などの用途で映画館や競技場などへの配信を想定している。

　また、NTT西日本の「フレッツ・キャスト」と「フレッツ 光ネクスト ファミリー・スーパーハイスピードタイプ 隼」を使って、ベストエフォート型のIPv6マルチキャスト配信による4K映像配信を実証した。映像再生には、NTT西日本が試作した4K対応のSTBを利用している。この方式は、家庭向けの光アクセスサービスをそのまま利用でき、店舗や家庭への配信に適しているという。

　国内のライブ配信市場が成長し、ODSとして映画館で開催されるパブリックビューイングの公演件数も年々増加していることなどから、NTT西日本は、4K映像のパブリックビューイングにフレッツ光を用いた配信の技術を検討。また、店舗や家庭など、利用シーンに応じて最適に配信する複数の方式についても検証を進めてきた。

　今回実証した配信方式を用いたパブリックビューイングをグランフロント大阪(大阪)、ITプラザ福岡(福岡)、光ライフショールーム(名古屋)で開催。11月14日に行なわれる「第53回電話応対コンクール全国大会in金沢」の模様を各会場へ配信する。

　今回の成功を踏まえ、4K映像の複数拠点へのリアルタイム配信サービスの本格提供へ早期に取り組むとともに、8K(7,680×4,320ドット)映像の複数拠点へのリアルタイム配信サービスについても、実現に向けて取り組んでいくという。