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写真と動画の選択転送、RAWにも対応したWi-Fi SDカード「Eyefi Mobi Pro 32GB」
(2015/3/25 17:50)
アイファイジャパンは、無線LAN機能を内蔵したSDメモリーカード「Eyefi」の新モデルとして、RAW静止画ファイルの転送や、静止画/動画の選択転送にも対応した上位版の「Eyefi Mobi Pro 32GB」を3月27日に発売する。価格は9,980円(税込)。購入すると、後述するクラウドサービスを1年間無料で利用できる。
スマートフォンなどから簡単に初期設定できるEyefi Mobiカードの新モデル。クラウド経由の同期機能など機能を搭載するほか、新たにRAW画像転送や、動画/静止画の選択転送にも対応。「Eye-Fi Pro X2」(生産終了モデル)では対応していたが、Eyefi Mobiではこれまでできなかったこれらの機能もサポートしたのが大きな特徴。転送速度はClass 10.
既発売のEyefi Mobiカードと同様に、クラウドへのアップロード/同期機能も利用可能で、Eyefi Mobi Pro 32GBカードの購入により、容量無制限の「Eyefiクラウド」サービスを1年間無料で利用できる。Eyefiクラウドの無料期間終了後は、年額5,000円で引き続き利用可能。なお、Eyefiクラウドサービスを解約した場合も、再加入した時に、解約前の画像が再び使えるように保存されるという。
RAW画像と選択転送に対応したことで、例えば「デジカメでRAW+JPEG記録に設定し、外出先ではスマホにJPEGのみ、家やスタジオに帰ったらパソコンにRAWを転送する」といった使い方が可能になる。RAW画像もJPEGなどと同様に、パソコン内の任意のフォルダにワイヤレスで転送可能。モバイル端末でRAWを受信した場合は、Eyefiクラウド経由でパソコンに自動でダウンロードされる。
選択転送は、デジタルカメラのメニュー画面で転送したい静止画や動画にプロテクトを掛けることで可能。指定されたファイルをスマートフォンなどにすぐ転送できる。転送が完了すると、Eyefi Mobi Proカードは、電波を発しない省電力モードに移行する。
転送対応ファイル形式は、静止画がJPEGとRAW、動画はAVI、MP4、MPG、MTS、MOV。なお、Eyefiクラウドは静止画のみ対応し、動画は非対応。
WiFiルーター経由での高速転送にも対応したことで、ペアリングされている端末にルーターを通じて、動画/静止画を転送可能。あらかじめペアリング済みであれば、iPhoneやiPadのネットワークを切り替える必要は無い。
Eyefi Mobiカードとデジカメからの転送だけでなく、スマートフォンアプリの「Eyefi Mobi」からEyefiクラウドへの転送も可能。アプリの対応OSはiOS 7以降とAndroid 4.0.3以降。
パソコン用ソフトは「スマートビュー」と「スマートタグ」に対応
Eyefi Mobi Pro 32GBの設定や、受信した画像をEyefiクラウドへアップロードするパソコン用常駐ソフトの「Eyefi Mobi デスクトップアプリ」も一新。HDD内のフォルダを指定して、パソコン上に保存してある画像をクラウドへ一括アップロード可能になった。パソコンの対応OSは、Windows 7以降とMac OS X Yosemite。
WebブラウザでEyefiクラウドの画像を管理できる新機能の「Eyefiクラウド スマートビュー」も採用。写真を日付/場所によって検索して絞り込み表示できる。さらに、4月後半に追加される新機能「Eyefiクラウド スマートタグ」により、Eyefiクラウド上の画像をシーン判別し、自動で「風景」、「食事」、「人物」などのタグ付けを行なう。これにより、Eyefiカードで撮影するより前の古い写真もクラウドにアップロードして、自動整理することも可能になる。タグ付けは、大カテゴリとして10項目、その下に約80のサブカテゴリを用意して分類。膨大な画像から瞬時に検索できるようになるという。タグの削除や、ユーザーが任意のタグを付けるといったことも可能。
これらのタグは写真データそのものに付与されるのではなく、クラウド上で管理する際に紐づけされる別データとなっている。このため、クラウド上やモバイルアプリ上で利用する場合はタグを活用できるが、パソコンのHDDにダウンロードするとタグは利用できなくなる。
「パートナー」、「製品」、「クラウド」の3つを強化
25日に行なわれた発表会において、Eye-FiのMatt DiMaria CEOが新製品/サービスの狙いを説明。「全てのカメラ、全てのデバイス、全ての写真に対応した究極のソリューションを目指す」とし、それに向けた取り組みとして、「パートナー」、「製品」、「クラウド」の3つの柱に注力していくと説明した。
1つめの「パートナー」については、新たに対応カメラにシグマ(SIGMA)が加わることを発表。具体的な対応モデルはシグマから発表されるとのことだが、今後発売される新モデルでサポート予定だという。また、オリンパスとの協力により、オリンパス製カメラの全ユーザーに対し、Eyefiクラウドの無料期間延長や、年間料金割引といった特典を用意していることを紹介した。
2つめの「製品」と3つ目の「クラウド」については、前述のEyefi Mobi Pro 32GBカードにおけるネットワーク機能の強化をアピール。パソコン用ソフトの一新で写真を管理しやすくなったことや、スマホアプリとの連携により、デジカメ/PC/スマホを問わずにクラウド上で一括管理できる利便性を強調した。現時点では、Eyefiクラウドは動画に対応していないが、Matt DiMaria CEOは「今は主要なミッションとして写真にフォーカスしている。将来的にビデオ向けの機能も強化していく」と述べた。
なお、Eyefiクラウドのユースケースをさらに広げるために、一般向けにAPIを公開していることも紹介。このAPIを活用した例として、DigiBookが提供する「Cloud Controller for Eyefi」により、Eyefiクラウド上の写真を、Flickr、Google Drive、FTPサーバーなどへ自動で共有できるという。