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デジカメ写真をスマホ/タブレットに自動共有する「Eyefiクラウド」。カードも一新
(2014/7/15 17:54)
アイファイジャパンは、無線LAN内蔵SDHCカード「Eye-Fi」に記録した写真や動画をクラウド経由で同期/シェアできる新たなサービス「Eyefiクラウド」を発表。日本でのサービスを7月15日より開始した。既発売の「Eye-Fi Mobi」カードのユーザーは無料で90日間使用でき、それ以降は年額5,000円(アプリ内課金)となる。容量は無制限。なお、Eyefi Mobiカードのデザインも一新。価格は従来と同じく8GBモデルが4,980円、16GBが6,980円、32GBが9,980円。Eyefiクラウドの対応OSはiOS 7以降とAndroid 4.0.3以降、Windows 7以降、Mac OS X 10.8以降。
【訂正】記事初出時、利用料金を「月額5,000円」としていましたが、正しくは「年額5,000円」です。お詫びして訂正します(7月15日20時43分)
デジタルカメラからワイヤレスでパソコンやスマートフォン、写真共有サイトなどに転送/アップロードできるEye-Fiカードを利用したもので、「写真好きな人のために開発されたプライベートなクラウドサービス」としている。Eyefi Mobiカード専用となっており、Eye-Fi Pro X2などのユーザーはEyefiクラウドを利用できないが、これまで通りアプリを使ったスマホ/PCへの転送などは可能。
Eyefiクラウドには、スマートフォン/タブレット用の新アプリ「Eyefi Mobi」を利用。デジカメでEyefi Mobiカードに記録した写真を無線LAN経由でスマートフォンなどに自動転送できるほか、アプリ経由で手持ちのスマホ/タブレットなど全てのデバイスで写真の閲覧/整理/同期/シェアが可能になる。米国では4月に開始しており、日本は2カ国目のサービス展開となる。
クラウドにはオリジナルの画像ファイルが保存されるほか、利用する端末に合わせて自動で3種類の解像度へリサイズ。長辺が2,048/1,280/640ドットのファイルが保存され、使うスマホなどに適したサイズの画像が自動でアプリをインストールした各端末へダウンロードされる。端末がオフラインの場合は、インターネットに接続された時点で同期を行なう。アルバムの整理やタグ付け、削除などをスマホで行なうと、他の端末へも反映。ExifやGPSといったメタデータは、クラウド上では写真ファイルと別に管理。アルバム編集などの情報は、メタデータの同期によって他のデバイスに反映するため、回線速度が遅くても更新などに長い時間を必要としないという。
Eyefi Mobiカードの仕様は従来と同じで、SDHC対応のデジカメで利用可能。転送速度はClass 10。カードに付属する10桁のアクティベーションコードをアプリに入力、Eyefiクラウドの新規ユーザー登録をするだけで初期設定が行なえる。既存のEyefi Mobiカード利用者も、新アプリを利用すると90日間無料で使用可能。Eyefi Mobiカードを2枚購入した場合、合わせて無料期間が180日となる。
Eyefiクラウドの容量は無制限だが、対応するファイルはJPEG静止画のみで、動画やRAWなどは非対応。ただし、デジカメからスマホなどへの転送は、従来と同様に動画なども対応。対応フォーマットは動画がAVI、MP4、MPG、MTS、MOV。静止画がJPEG。
アプリでは全ての写真をオフラインでも閲覧可能。アプリからSNSへのシェアやメール送信なども行なえる。共有したい相手に、写真アルバムのURLを貼り付けてメールを送ると、その相手はEyefiのアカウントが無くてもオリジナルの画像などをダウンロードできる。また、共有したアルバムに写真追加などの変更を行なうと、共有した相手にも自動でメールを送り、アルバムが更新されたことを伝える。
新たにWeb版のインターフェイスも用意。スマホやPCなどのWebブラウザからも全ての写真にアクセスできるほか、オリジナルサイズを含む画像をクラウドからダウンロード可能。複数選択して一括ダウンロードも可能で、その場合はZIPファイルに圧縮される。
デジタルイメージングをクラウドの世界へ導く
Eye-Fiは、今回のクラウドサービス開始に合わせて、コーポレートブランドを一新。ロゴマークなどのデザインも新しくなった。発表会では米Eye-FiのMatt DiMaria CEOが来日。新製品の特徴と、今後の事業展開などについて説明した。
同社は約1年前の'13年6月にEye-Fi Mobiカードを発表。スマートフォンでの利用に特化した簡単にな初期設定などを特徴とし、「それまでは高い技術を持つ人向けに販売していたが、カメラとスマートフォンを持っている一般ユーザーにも製品提供できるようにした第一歩だった」とMatt DiMaria CEOは振り返り、今回のEyefiクラウドについて「次の新しい歴史を刻む。Eye-Fiは、これまでのハードウェアの企業から、デジタルイメージング業界を新しいクラウドの時代に導く企業へと変わる」と述べた。
サードパーティー製のデバイスやクラウドサービスとのAPI連携も視野に入れており、ユーザーの工夫などで、例えばDropboxを使ってPC上の写真をEyefiクラウドにアップロード、他のデバイスに同期させたり、Eyefiクラウドでタグ付けした写真をFlickrやFacebookに自動アップロードしたり、Eyefiクラウドにアップロードされた写真をGoogle Drive経由でPCに自動保存することなども行なえるという。
なお、現時点ではEyefiクラウドがRAWなどに対応していない点については「iOSやAndroidがRAWに対応していないため、今のユーザーエクスペリエンスでは、JPEGを転送するのがユーザーにとって一番いいと考えている。デバイスが(RAWなどに)対応すれば、我々もサポートする可能性は十分にある」とした。