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Gracenoteが映画/音楽に加えスポーツデータも提供へ

スポーツデータ2社買収。総合エンタメデータ企業に

 米Gracenoteは28日(現地時間)、スポーツデータを扱うInfostrada Statistics(Infostrada Sports)とSportsDirectを買収し、スポーツ事業部門を新設すると発表した。この買収により音楽、映画/テレビ、スポーツのデータを扱う企業となり、同社顧客企業にワンストップでエンターテインメントデータを提供可能になるという。

 Infostrada Sportsは、オリンピックと欧州サッカーのデータを専門としたオランダの企業、SportsDirectはカナダの企業で、NFL(アメリカンフットボール)や米ナショナル・フットボールリーグ(NFL)、米メジャーリーグ(MLB)、米プロバスケットボール(NBA)、北米アイスホッケーリーグ(NHL)、サッカー、ゴルフ、テニスなどのデータを提供している。

 両社の持つ試合スケジュールやスコア、実況試合データなど詳細なスポーツ情報データをGracenoteに提供。Gracenoteでは、ケーブル放送事業社や衛星放送事業社、家電メーカー、自動車メーカーなどの既存クライアントとの協業を通じてスポーツファンにこれまでにない新しいスポーツ観戦体験の提供を目指すとしており、CATVや衛星放送の番組ガイドにスポーツデータを機能として追加。試合のスコアなど実況データをスマートテレビやモバイルデバイスの画面上にオーバーレイ表示させたり、自動車のダッシュボードに実況アラートとして表示することも可能となるという。

 GracenoteのJohn Batter CEOは、「すでに世界中で提供している音楽・映画/テレビのメタデータに加えてスポーツデータも提供してほしいとクライアントから要望をもらっていた。Infostrada SportsとSportsDirectの買収によって、急成長しつつあるスポーツエンターテインメントデータ市場において主導的なポジションを獲得し、音楽、映画/テレビ、スポーツのデータを扱う世界唯一の企業となる。スポーツデータ提供の開始は、我々がこれまで培ってきたデータ技術力をスポーツ分野へ応用し、スポーツ観戦体験をさらに強化する新たな方法につながる」とコメントしている。

 SportsDirect買収の一環として、米国のスポーツゲームにスコアやオッズ、マッチアップ、分析記事などを提供するCovers.comの運営企業Covers Media Groupも買収。これらの買収と、Gracenoteの親会社であるトリビューン・メディアが保有する全米42の放送局と関連サイトにおいて、スポーツ情報データの統合を可能にする。GracenoteのInfostrada Sports、SportsDirect、Coversの買収総額は約5,400万ドル。

(臼田勤哉)