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ラックスマン、創業90年の管球セパレートアンプ。カリモク木箱のプリ「CL-38uL」など

 ラックスマンは、創業90年を記念した真空管セパレートアンプの90台限定モデルとして、プリアンプの「CL-38uL」とパワーアンプ「MQ-88uL」を7月に発売する。価格は、「CL-38uL」が43万円、「MQ-88uL」が47万円。

プリアンプ「CL-38uL」

 '11年に発売した木箱入りの真空管プリアンプ「CL-38u」と、KT88 3極管接続のパワーアンプ「MQ-88u」をベースに、外観デザインや部品の信頼性、音質や音色を特別に磨きあげたという特別モデル。CL-38uLには、カリモク家具製の木箱ケースを採用している。

パワーアンプ「MQ-88uL」(ボンネットカバーを外した状態)

CL-38uL

 真空管プリアンプのCL-38uに、外観デザインや回路パーツなどをカスタマイズ。創業75年を迎えた国産家具メーカーのカリモク家具とのコラボレーションで生まれたウォールナット突板材にローズウッド色の光沢仕上げを施した専用のロの字型木箱ケースを採用。筐体のアルミパネル部を淡い「シャンペンゴールド」仕上げに変更。「オーディオ創世時代の伝統的なデザインをさらに追求した」という。

 ミニチュア管は、スロバキアJJ製の高信頼管「ECC803S」と「ECC802S」 に変更し、長期の使用における回路の安定動作性向上を図っている。また、回路間を接続するカップリングコンデンサーには、同社オリジナル開発のオイルコンデンサーを採用し、艷やかでなめらかな音色を追求している。

CL-38uLの背面

 CL-38uから引き継いだ機能として、フォノアンプ、トーンコントロール、フラットアンプのすべてに低インピーダンス伝送を実現するSRPP(Shunt Regulated Push Pull)構成を採用。アナログレコード再生用に左右/2段階ゲインごとに独立したMCトランス4基を搭載。アナログレコードの反りによるウーファのふらつきを抑えるローカットスイッチや、モノラル再生時に便利なモノラルスイッチを装備する。

 細かな音質調節が可能なターンオーバー周波数3段階切替のLUX方式トーンコントロール機能も装備。電源部は、低漏洩磁束のトロイダル電源トランスとチョーク一体型シールドケースによる高S/Nの信号伝送を可能にしたという。耐久性に優れたオーディオ専用リレーも備える。

付属リモコンも色を変更

 入力はアナログ音声(RCA)×4、フォノ×1、録音用入出力×1を装備。出力はアナログ音声(RCA)×2系統を備える。消費電力は30W。外来ノイズに強い全方位シールド型金属シャーシ構造を採用。外形寸法は402×307×169mm(幅×奥行き×高さ)。重量は13.5kg。アルミ製小型リモコン「RA-18(G)」と、OFC極太線ノンツイスト構造の純正電源ケーブル「JPA-10000」が付属する。

MQ-88uL

 真空管ステレオパワーアンプのMQ-88uをベースに外観デザインや回路パーツをカスタマイズしたモデル。筐体のアルミパネル部を淡いシャンペンゴールド仕上げに変更。

MQ-88uLの背面

 CL-38uLと同様に、ミニチュア管をスロバキアJJの「ECC803S」と「ECC802S」 に変更したほか、カップリングコンデンサにはオリジナルのオイルコンデンサを採用。

 既存モデルのMQ-88uと同じく、定格出力は25W×2ch(6Ω)、20W×2ch(4Ω/8Ω) 。出力管にはスロバキアJJ製「KT88」をプッシュプル構成で採用。初段アンプをパラレル化し高S/N、低インピーダンス伝送でドライバー段に直結。ドライバー段にムラード型回路を使用したほか、3極管接続も採用する。

 オリジナル形状で復刻したアルミダイキャストケース入りのOY15型出力トランスや、粘り強い音質を実現するというEIタイプの大容量電源トランス、安定したパワー供給を実現する大型オリジナルのブロックコンデンサも採用する。

 入力はバリアブル入力と、ダイレクト入力の2系統を用意。消費電力は280W、150W(無信号時)。外形寸法は440×230×184mm (幅×奥行き×高さ)。重量は15.8kg。真空管や他の大型パーツを保護する網型のボンネットカバーを付属するほか、OFC極太線ノンツイスト構造の純正電源ケーブル「JPA-10000」を同梱する。

(中林暁)