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フジテレビオンデマンド、民放初の4K配信で世界文化遺産「軍艦島」ドキュメンタリーを提供
(2015/7/6 11:35)
フジテレビは6日、映像配信のフジテレビオンデマンド(FOD)において、公開実験室「FOD LABO」を開設、FODの会員向けに、民放初となる4K動画配信を開始。第1弾コンテンツとして、5日に世界文化遺産登録された長崎市の軍艦島(端島炭坑)のドキュメンタリー番組「タイムトリップ軍艦島」の配信を開始した。
FOD LABOはPC向けに提供。スマートフォンやタブレットには対応しておらず、Google Chromeの最新バージョンを推奨環境としている。フジテレビオンデマンドの会員(有料)が視聴可能。
一時的なアクセス集中、同時視聴に対応するための4K配信インフラとして、Mist TechnologiesのP2P型CDNサービス「MistCDN」を採用しており、専用のソフトウェアやプラグインを使わず、Webブラウザの標準技術であるWebRTCを使用しているのが特徴。P2P対応ブラウザであればP2Pでのデータ配信、非対応ブラウザでは既存のCDNからの配信が受けられ、ユーザにそれらを意識させずに、効率的なコンテンツ提供ができるという。
4Kコンテンツ配信方式としてはMPEG-DASHを採用し、ビットレートは10Mbps、20Mbps、40Mbpsの3種類を用意。動画視聴中のバッファリングやコマ落ちの発生有無、滞在時間、P2Pオフロード・パフォーマンスなど各種データを解析し、「最適なビットレートと画質のバランスを探っていきたい」としている。
また、4Kで視聴できないユーザのために、通常画質版として2Mbps、800Kbpsのデータも、MistCDNを活用して配信する。
なお、「FOD LABO」では4K動画に限らず、360度動画などの配信も予定。「新しい視聴体験の場を提供できれば」としている。
第1弾コンテンツは軍艦島のドキュメンタリー
6日から配信を開始した4Kコンテンツの第1弾は、世界文化遺産登録された長崎市の軍艦島のドキュメンタリー番組「タイムトリップ軍艦島」。他にも、都内のイルミネーションをガイドする「Tokyo ILLMINATION TOUR」も配信。近日中に全15話のドラマ「不可思議的夏天」も配信予定。このドラマはフジテレビと中国の配信会社IQIYI(アイチ-)が共同制作したもの。
「タイムトリップ軍艦島」は、石炭の採掘によって日本の近代化を支えた端島炭坑、通称“軍艦島”にスポットを当て、なぜ炭鉱施設が閉鎖されたのか、島民たちが島を離れていったのかなど、当時の炭坑や島民の生活を紹介。
軍艦島の過去の写真や映像と現在の島の姿を比較し、廃墟の向こうからこの島が語る未来に向けたメッセージに耳を傾けるというドキュメンタリー番組。