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'15年上期のハイレゾ機器販売金額は前年の1.4倍

ハイレゾ対応ヘッドフォンは数量ベース2.9倍に

 ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(GfK)は31日、家電量販店におけるハイレゾオーディオ機器の販売動向を発表。2015年上半期(1~6月)の販売金額は前年同期の1.4倍、ハイレゾ対応ステレオヘッドフォンは数量ベースで前年同期の2.9倍、金額ベ
ースで2.3倍と市場成長を牽引しているという。

ハイレゾオーディオ機器の販売金額は前年同期の1.4倍に(出典:GfK Japan)

 全国の家電量販店約4,000店の販売実績を集計した調査。96kHz/24bit以上に対応したレシーバ、アンプ、プレーヤー、ミニコンポ、USB DACや、40kHz以上の高域再生が可能なスピーカーやヘッドフォンを「ハイレゾオーディオ機器」として調査。携帯電話、パソコン、ICレコーダーは除外されている。

 ハイレゾオーディオ機器市場は右肩上がりで拡大しており、2015年上半期の販売金額は前年同期比で1.4倍、前々年同期比では3.8倍を記録。「ハイレゾ対応を訴求するオーディオ機器の発売が相次いでいるほか、コンテンツ面でも配信曲が増加し、市場拡大を後押ししている」という。

 しかし、オーディオ機器全体に占めるハイレゾオーディオ機器の構成比は数量ベースで2%、金額ベースで12%とまだ低く、「拡大の余地は大きく残されている」(GfK)とする。

 カテゴリ別では、金額構成比が最も高いのはポータブルオーディオプレーヤー。2015年上半期では46%を占めている。2013年上半期以前のハイレゾ音楽再生は、パソコンと組み合わせてUSB DACを使用するPCオーディオや、レシーバーなどの据え置き型が主流であり、携帯音楽プレーヤーの構成比は3%に過ぎなかった。

 しかし、2013年下半期に2万円台の製品が登場し、市場は一気に拡大。ハイレゾ対応ポータブルオーディオプレーヤーの金額構成比は、'14年下半期以降縮小が続いているが、販売自体はプラス成長が続いており、2015年上半期は数量が前年同期比で1.4倍、金額は前年同期比で1.3倍となった。

 ポータブルオーディオプレーヤーに次いで構成比が高いのはステレオヘッドフォン。ハイレゾ対応機は国内主要メーカーから2014年に相次いで発売され、ラインナップは一年間で1.6倍に拡充されている。

 これに伴い、2015年上半期の販売は数量ベースで前年同期の2.9倍、金額ベースでは2.3倍を記録。ハイレゾ対応はスマートフォン、タブレットなど、オーディオ以外の製品カテゴリでも拡大しつつあるが、ヘッドフォンはこうした再生機器と組み合わせた使用も想定されるため、GfKでは「構成比は今後も拡大し、ハイレゾ市場における存在感を増すことが見込まれる」と分析している。

ハイレゾオーディオ機器の金額構成比。携帯プレーヤーに次いで構成比が高いのはステレオヘッドフォン。金額ベースでは前年同期比2.3倍を記録(出典:GfK Japan)

(山崎健太郎)