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ヤマハ、サブウーファ内蔵で薄さ65mmを実現。ビームスピーカー搭載サウンドバー

 ヤマハは、ビームスピーカーとサブウーファを1つのサウンドバー型筐体に搭載した、デジタル・サウンド・プロジェクターの新モデル「YSP-1600」と、テレビを上に設置できるボードタイプの「SRT-1500」を9月上旬に発売する。価格はどちらもオープンプライス。店頭予想価格はどちらのモデルも60,000円前後。両モデルとも新機能「MusicCast」に対応する。

デジタル・サウンド・プロジェクターの新モデル「YSP-1600」
「YSP-1600」の前面。8個のビームスピーカーを搭載している

 どちらも搭載している基本的な機能は同じ。前面に8個のビームスピーカーを搭載しており、指向性の高い音をビームのように放出、部屋の壁などに反射させ、スピーカーを設置していない背後などから定位に優れた音を聴かせる。サウンドバーの「YSP-1600」は、サブウーファを天面に搭載する事で、低背化する液晶テレビに合わせた薄型化を実現した。

ボードタイプの「SRT-1500」

 サラウンドモードとしてシネマDSPを搭載、音楽/映画/スポーツ/テレビ番組/ゲームからモードを選択できる。

 ビームスピーカーのユニットサイズは2.8cm径×8基。8.5cm径のサブウーファ×2基も筐体に内蔵する。サウンドバー型の「YSP-1600」は、従来モデルにおいて脚部にサブウーファを搭載していたが、新モデルでは天面に配置。上方に向けて低音を出すカタチになっている。その際、スピーカーの前に座っているリスナー方向に音を出すために、筐体全体がわずかに前方に向かって斜めになっているのが特徴。

「YSP-1600」を横から見たところ。前に向かって傾斜しているのがわかる

 サブウーファプリアウトも1系統備え、別途単体サブウーファを追加する事もできる。「YSP-1600」の外形寸法は1,000×130×65mm(幅×奥行き×高さ)。最大出力はビームスピーカーが2W×8、サブウーファが30W×2。背面に高効率なバスレフポートも装備。消費電力は25W。重量は4.7kg。

 ボードタイプの「SRT-1500」は、2.8cm径×8基のビームスピーカーに加え、4×10cm径のフルレンジユニット×2基、8.5cm径のサブウーファ×2基も底面に向けて搭載している。フルレンジユニットは全面の左右端に搭載しており、「伸びのある高域とクリアな中域による抜けの良い音質を実現する」という。

 最大出力はビームスピーカーが2W×8、フルレンジが30W×2ch、サブウーファが60W。筐体は密閉型。消費電力は25W。外形寸法は780×370×77mm(幅×奥行き×高さ)。アンテナを除いた重量は9.3kg。上に設置できるテレビの脚部は750×340mm以下(幅×奥行き)。重量は40kg以下で55型以下の薄型テレビに対応する。

左が「YSP-1600」、右が「SRT-1500」

 新モデル2機種では、新たにHDMI端子を装備。4K/60p/HDCP 2.2の映像をパススルーできる。ARC(オーディオリターンチャンネル)にも対応。HDMI CECにも対応し、テレビやレコーダと連動して電源をON/OFFしたり、音量調整などが可能。番組表の情報を元に、テレビ番組のジャンルに合わせて最適なシネマDSPを自動的に適用する機能も備えている。

 デコーダはHDオーディオ非対応で、ドルビーデジタル/DTS/AACに対応する。光デジタル入力、ステレオミニのアナログ音声入力も搭載する。

YSP-1600
YSP-1500

 Bluetooth受信機能も搭載し、A2DP/AVRCPプロファイルに対応。コーデックはSBC/AACに対応する。圧縮された音楽を再生する際に、補完を行なうミュージックエンハンサー機能も用意する。

 新たに無線LAN機能も内蔵。IEEE 802.11b/g/nを搭載し、サイマルラジオのradiko.jpに対応。インターネットラジオのvTunerも利用できる。さらに、端末とのWireless Direct接続や、AirPlayにも対応する。

「YSP-1600」の背面。HDMI入出力端子も備えている

 Wireless Directを含むネットワーク経由で製品を制御するためのアプリ、「HOME THEATER CONTROLLER(WLAN)」も用意。入力切替や、部屋のサイズを指定しての音響設定などが行なえる。

新機能「MusicCast」

MusicCastのイメージ

 ネットワーク関連の機能として新たに用意されるのが「MusicCast」。専用のアプリ「MusicCast CONTROLLER」を利用し、スマートフォンやタブレットから対応するAV機器を制御したり、NAS内の音楽を選択し、AV機器から再生したり、インターネットラジオの選局、radikoの選局などが行なえる。

 アプリをインストールした端末内の音楽を、対応機器から再生させる事も可能。

 ネットワーク経由での音楽再生としてはDLNAと似た機能で、アプリからNASにアクセスし、保存された音楽を再生する事ができる。特徴としては、楽曲再生時にスマホのアプリを経由しており、その際にDLNAではない独自の規格で伝送している。ハイレゾ楽曲の伝送にも対応できるという。

 1つの端末から、複数の部屋にあるMusicCast対応機器に音楽を再生させたり、制御する事も可能。例えば、リビングにある対応製品からAという曲を再生させ、寝室にある製品からはBという曲を再生、それぞれのボリュームなどもアプリから個別に制御できる。

 さらにMusicCast対応機器同士とも連携可能。例えば、アナログ音声入力端子を備えたMusicCast対応製品に、ポータブルプレーヤーを接続。その入力音声をデジタル変換し、MusicCastのネットワークに配信、それをスマホのアプリで受け、別のMusicCast対応製品から再生させる事もできる。

 なお、製品の設定などを細かく行なう「HOME THEATER CONTROLLER(WLAN)」アプリとも連携しており、MusicCastアプリから「HOME THEATER CONTROLLER(WLAN)」を呼び出す事もできる。

 ヤマハでは今後、ネットワークに対応する機器においては、「MusicCast」をサポートする事を基本路線としていく予定で、複数のヤマハ対応製品を1つの端末から制御し、音楽を再生させる事ができるようになる。

(山崎健太郎)