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NHK、中国のショートドラマ制作現場に迫る「縦の支配」取材追加版。総合テレビで8月2日放送
2026年7月24日 17:00
今年、BSスペシャルで大きな反響を呼んだドキュメント番組「縦の支配 中国 ショートドラマの光と影」。新たな取材を追加し、NHKスペシャル・シリーズ「臨界世界」として、総合テレビで8月2日21時から放送されることが決まった。
空腹と疲労を抱えた労働者たちのひとときの休息の時間、人々の視線はスマホの小さな画面に吸い寄せられる。映し出されるのは「縦型ショートドラマ」だ。1話わずか1分。虐げられた主人公の復しゅう劇、美女が次々と登場する男性向けの作品―強烈な感情を次々とかき立てる物語がとめどなく流れ、人々をとりこにしていく。
その勢いは社会現象となり、中国国内の視聴者は7億人、市場規模は2兆円を突破。今や映画産業をもしのぐ存在となった。
番組が向かったのは、中国最大級のショートドラマ制作拠点となった河南省・鄭州(ていしゅう)。不況のなかで仕事を失った俳優やクリエイター、就職難の若者たちが集まり、「ドラマをバズらせ、大金を手に入れる」という夢に賭けていた。だが、その熱狂を動かしているのは、人々の好みを分析し「見たくなる作品」を選び出す仕組み=アルゴリズムだった。
視聴データを絶対視するクライアントからは絶えずロケ現場や衣装の急な変更、俳優の変更などむちゃなオーダーが繰り返され、撮影現場のスタッフは長時間労働を強いられ、疲弊してゆく。低コストで最大の利益を上げるためのシステムが、人間を追い詰めていた。
かつて映画俳優として活動し、映画監督になることを志して演出を学んできた鄭亜龍(テイ・アリュウ)。しかし、景気の低迷で映画の仕事は激減し、生きるためにショートドラマ業界に飛び込んだ。そこは、60話のドラマをわずか5日で撮り切り「命を削る仕事」とも呼ばれる過酷な世界だった。
睡眠も休息も惜しんで撮影が続き、実際、過密スケジュールの末に亡くなったある監督は「ショートドラマはビックデータに支配されている」と書き残していた。一方で、ショートドラマ市場の熱狂は加速し、毎月1,000本を超える新作が配信され、競争は激しさを増していく。
亜龍もまた、次々と要求を突きつけるクライアントと板挟みになりながらも、作品を完成させるため奔走していた。そんな中、亜龍が所属する制作会社からAIでのドラマ制作にかじを切るという知らせが飛び込み、業界にも大きな時代の変化の波が押し寄せる。それでも亜龍は問い続ける「人間にしか作れない物語は、まだ残されているのか——」。変わりゆく時代の中で、その答えを探る。





