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ビームを天井に反射、ヤマハが世界初のDolby Atmos対応サウンドバー「YSP-5600」

 ヤマハは、ビーム状の音を壁などに反射させ、一体型ながらリアルなサラウンド再生を可能にする「デジタル・サウンド・プロジェクター」の新フラッグシップモデルとして、Dolby AtmosやDTS:Xに対応した「YSP-5600」を11月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は175,000円前後。カラーはブラック。

YSP-5600

 別売のサブウーファを有線接続できるほか、別売オプションとして、ワイヤレスサブウーファーキット「SWK-W16」(オープンプライス/実売15,000円前後)もラインナップ。YSP-5600から音声をワイヤレスで伝送し、SWK-W16で受信、SWK-W16に接続したアクティブサブウーファから低音を再生する事もできる。

ビーム状のサウンドを天井に反射

ビーム状のサウンドを天井に反射させる

 最大7.1.2ch相当のリアル3Dサラウンド再生を、一体型サウンドバータイプとして、YSPシリーズで初めて実現した製品。「デジタル・サウンド・プロジェクター」は小型のアレイスピーカーを多数搭載し、ビーム状の音を放出、壁や天井などに反射させる事でリスナーの横や背後からリアルな音を聴かせる事ができる。この特徴をさらに進化させ、天井からの音にも対応。Dolby AtmosやDTS:Xの再生を可能にしている。

 本体の左右端に、各6基、合計12基の28mm径、垂直アレイスピーカーを搭載。斜め上を向けて配置されており、上方に2本の音声ビームを放出。天井の反射を利用し、ハイトチャンネルを創出。7.1.2チャンネルのDolby AtmosやDTS:Xに対応する。なお、DTS:Xへの対応はファームウェアアップデートにより、後日行なわれる予定。

 ハイトチャンネルは、ビームの角度を前後方向に調整する事で、視聴位置に応じた最適な臨場感が得られるよう調整できるという。サラウンド効果を使用しない「ステレオ」モード時は、垂直ビームスピーカーが高音専用のツィータとして動作。音楽再生時の音質を向上させている。

 ハイトチャンネル信号を含まない3Dサラウンドフォーマット非対応のコンテンツに対しても、内蔵デコーダによりハイトチャンネル信号を創出。音場感を立体的にスケールアップする「アップミックス機能」を備えている。

 設置する部屋の室内形状などに合わせたベストな視聴環境がフルオートで得られるYSPのための音響測定・最適化技術「インテリビーム」も継続して搭載。ハイトチャンネル音声を含む各チャンネルの音のビーム角度・音量・音質などを自動で設定する。セリフの音像を上に持ち上げるダイアログリフトにも対応している。

合計44個のアレイスピーカーを搭載

 この垂直アレイスピーカーとは別に、筐体中央に32個の40mm径、水平アレイスピーカーを搭載。これでフロント、サラウンド、リアなどの音声ビームを放出する。合計44個のアレイスピーカーを搭載している。さらに、中央のスピーカーと左右端のスピーカーの間に、11cm径のウーファを2基搭載している。

 垂直ビーム専用アレイスピーカーを活用し、音場に「高さ」方向のデータを加えて立体的なサラウンド空間を再現する独自の音場創生技術「シネマDSP 3Dモード」に、YSPシリーズとして初めて対応。映画や音楽、ゲームなどに最適化した10種類の音場プログラム利用できる。

 出力は128W(アレイスピーカー88W、ウーファ20W×2)。

 HDMI端子は4入力、1出力を搭載。4:2:0の4K/60p映像をパススルーでき、HDCP 2.2にも対応。ARC(オーディオリターンチャンネル)もサポートする。HDMIリンク機能を使い、番組に合わせたサラウンドを自動で選択する「おまかせサラウンド」にも対応。

 無線LANも装備し、DLNA 1.5のネットワーク音楽再生にも対応。192kHzまでのPCM再生が可能。インターネットラジオやradiko.jpの受信、iOS機器やPCからワイヤレス再生できるAirPlayにも対応する。BluetoothはSBC/AACコーデックをサポート。プロファイルはA2DP/AVRCPに対応する。

 新ネットワーク機能の「MusicCast」にも対応。専用のアプリ「MusicCast CONTROLLER」を利用し、スマートフォンやタブレットから対応するAV機器を制御したり、NAS内の音楽を選択し、AV機器から再生したり、インターネットラジオの選局も可能。

 MusicCastの機能を使用してのネットワーク経由での音楽再生は、DLNAと似た機能で、ネットワーク経由でアプリからNASにアクセスし、保存された音楽を再生する事ができる。特徴としては、1つの端末から、複数の部屋にあるMusicCast対応機器に音楽を再生させたり、アプリを使い集中制御する事も可能。

9月の「IFA 2015」で展示されたもの

 HDMI以外にも、光デジタル入力×2、同軸デジタル入力×1、アナログRCA入力×1を装備。サブウーファ出力も1系統備えている。Ethernet端子や自動音場調整で利用する「インテリビームマイク」用の入力なども装備する。

 デザインは、テレビの直下に設置した際に、シアター鑑賞の邪魔にならないよう、正面から見たときに「極力無表情となる外観デザインを優先して設計した」という。動作状態などを表示するFLディスプレイ部(無操作時には消灯)をスピーカー部と一体のパンチンググリルで覆い、アプリや付属リモコンでの操作を前提に本体の操作ボタン類も本体上面に集約。無線LANのアンテナも内蔵化している。

 消費電力は45W。外形寸法は1,100×93×212mm(幅×奥行き×高さ)、重量は11.7kg。壁掛け金具「SPM-K30」も利用できる。

(山崎健太郎)