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LUMINネットワークプレーヤー「M1」。励磁型スピーカーやRaspberry Piオーディオなど

 オーディオ・ビジュアル関連の総合展示会「オーディオ・ホームシアター展 2015」(音展)が、東京・お台場の「タイム24ビル」で10月16日に開幕した。展示の中から、LUMINやSPECなどのネットワークオーディオプレーヤー、DEERブランドの励磁型スピーカーなど、2階ブースの新製品や、1階の完実電気関連ブースを中心にレポートする。

初出展されたLUMIN M1

 音展のイベント期間は18日(日)までの3日間。主催は日本オーディオ協会。入場無料だが、一部のイベントは有料。

音展会場の「タイム24ビル」

LUMIN初のアンプ搭載ネットワークプレーヤー、DEER励磁型スピーカーなど

 ブライトーンのブースで参考展示されたのは、LUMINのネットワークプレーヤー新モデル「M1」。LUMINでは初めてパワーアンプも本体に内蔵したモデルで、背面にスピーカー端子を装備。従来モデルよりも幅広い層に向けたモデルとなる。アンプ出力は60W×2ch(8Ω)、100W×2ch(4Ω)。発売時期や価格は未定。

 DSD再生は同社の上位機と同等に5.6MHzまで対応し、PCMは384kHz/32bitまでサポート。96kHzまでのアップサンプリング機能も備える。使い勝手の良さでも知られる同社ネットワークプレーヤー操作用のスマートフォンアプリ「LUMIN App」をM1でも使用できる。本体はアルミ製。Ethernetを備えるほか、USBストレージからの再生も可能。

LUMIN M1
背面。スピーカー端子も装備

 ローヤル産業は、振動板を動かす磁気回路に電磁石を使ったDEERブランドの励磁型スピーカー新機種として、最上位の3ウェイモデル「RSS-3000」を展示。価格や発売日は未定だが、同社が55周年を迎える'16年の発売を目指している。スピーカーユニットから自社で手掛けており、ツイータは、60mmのベリリウム銅キャップ搭載マグネシウム振動板、ミッドレンジは16cm径、ウーファは30cm径コーンを使用している。エンクロージャ内部には特殊コーティングを施すことで不要な振動などを防いでいる。なお、励磁型スピーカー利用時は専用電源との組み合わせが必要となる。

DEERブランドの励磁型3ウェイスピーカー「RSS-3000」

 独自技術を用いたフィルム型スーパーツイータを展開するキットヒットは、現行モデル「HIT-ST10」に使用する素材を変更したモデルを参考展示。ST10の発音体は、樹脂にニッケルベースの金属を蒸着させているが、その蒸着させる金属をアルミに変更したもので、型番は決まっていないが、現在は「ST-20」にすることを検討している。アルミ蒸着に変えたことで、周波数特性がナチュラルになったという。

キットヒットのスーパーツイータ新モデル
右の現行機HIT-ST10は、新モデルに比べると発音体の部分が少し赤みがかっている

SPECネットワークプレーヤー「RMP-X1」、MeridianのDAC「Director」

 スペックのブースには、15日に発売したばかりのDSD 11.2MHz対応ネットワークプレーヤー「RMP-X1」(80万円)を展示。会場でデモも行なっている。DACにはESSの「ES9018S」を左右チャンネル独立で搭載。アナログ電源部には、新開発のニチコン製電解コンデンサ「響一(ひびきいち)」を搭載している。電源は別筐体。Ethernet経由でのソフトウェアアップデートも可能で、「常に最新の機能と性能にアップデートし進化し続ける」という点も特徴。

RMP-X1。下段が電源部

 また、同室にはMeridian製品も展示されており、ハイレゾのMQAも再生可能な小型USB DAC「Explorer2」(実売4万円前後)に加え、現在米国で販売しているDACの「Director」も展示されていた。USBに加え光/同軸デジタル入力も備えたモデルで、192kHz/24bitに対応する。パソコンのほか、ネットワークプレーヤーやCDプレーヤーなどの音源を、手持ちのアナログ機器に接続するといった利用を主に想定している。

MeridianのDAC「Director」
Directorの入出力端子
Explorer2(左)とDirector(右)の比較
アイ・オー・データはハイレゾオーディオNAS「fidata」のミラーリング対応4TBモデル「HFAS1-H40」と1TB SSDの「HFAS1-S10」を一般向けに初披露。ブースで試聴可能となっている
本体内部

クリプトン10周年の「KX-5P」など。Raspberry Piオーディオの試聴も

 クリプトンのブースでは、スピーカー参入10周年を記念した2ウェイブックシェルフ型スピーカー「KX-5P(Piano & Performance)」を展示。会場でデモを行なっている。

クリプトン「KX-5P」(中央)

 KX-5P(10月下旬発売/ペア48万5,000円)は、アルニコマグネットをウーファ/ツイータに備えた密閉型の2ウェイのブックシェルフスピーカー。ユニットは既存のKX-5(ペア45万円)を継承しているが、エンクロージャの仕上げを、KX-5のポリウレタン材塗装仕上げから、KX-5Pではポリエステルのピアノフィニッシュに変更。それに合わせて吸音材などを見直している。

 また、同社ブースで注目したいは、手のひらサイズのコンピュータ「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」を用いた超小型の“Raspi Audio(ラズパイオーディオ)”を使ったデモ。IT/AVコラムニストの海上忍氏が、デモを18日まで1日1回(17日は16時~、18日は14時30分~)、90分間に渡って実施する。

Raspi Audioの試作機。左がネオフェード・カーボンマトリックス3層材を用いた上位モデル

 ラズパイオーディオにのめり込み、解説の電子書籍なども手掛けた海上氏が講師を務めるイベント。海上氏が監修した2つのRaspi Audio試作機を用意。USB DACなどに接続することで、超小型の自作オーディオを楽しめるシステムで、試作機の上位モデルは、クリプトンのネオフェード・カーボンマトリックス3層材を使うことで音質改善を図っているのが特徴。両モデルをUSB DACと接続して試聴するほか、最終日の18日には、クアルコムとの協力によりI2Sで“生の音をそのまま出力する”というデモも行ない、音の違いをチェックできるという。

超小型のコンピュータで自作オーディオが楽しめる
試作機の本体内部

STAX新コンデンサ型ヘッドフォンなども試聴可能

 1階のSTAXブースでは、新世代コンデンサ型ヘッドフォン「SR-L700」や「SR-L500」、専用ドライブユニット「SRM-353X」などを試聴可能。いずれも10月下旬発売で、SR-L700は、最上位モデル「SR-009」と同様のステンレスエッチング、3層熱拡散結合により作られた固定電極を採用、SR-L500は、ステンレス製電極を投入している。

STAXのコンデンサ型ヘッドフォン「SR-L700」
「SR-L500」と、専用ドライブユニット「SRM-353X」
完実電気ブースには、Regaのアナログターンテーブルも参考出展。左から「RP10」、「RP8」、「RP6」
DS Audioは「光電式カートリッジ」を展示していた
光城精工(KOJO)は、ORBとコラボした真鍮削り出しポータブルヘッドフォンアンプ「KM01-BRASS」を展示
KOJOの円筒形ポータブルアンプ「KM02-PAMP(パム)」
オラソニックブランド(東和電子)のタマゴ型USBスピーカー「TW-D9HDM」
nanocompoと、クラフトノーツ製のスピーカー「OT-360」を組み合わせたコンパクトなシステムも
OT-360は、背面からでもしっかり音が聴こえる点などが特徴のスピーカー

(中林暁)