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Shure初のヘッドフォンアンプ「SHA900」。12万円前後

4bandEQで“フルチューニング”

 シュア・ジャパン(Shure)は、同社初のUSB DAC/ポータブルヘッドフォンアンプ「SHA900」を11月中旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は12万円前後。

SHA900

 22日に同社が発表した世界初の高遮音性コンデンサ型イヤフォン「KSE1500」のUSB DAC/アンプ部を、ステレオミニ接続ヘッドフォン対応とした製品。特にShureのフラッグシップイヤフォン「SE846」に最適化して開発しているという。

 USB DAC/ADCを搭載しており、96kHz/24bitのハイレゾ音声にも対応。専用の充電池、専用DSPを搭載し、4バンドのパラメトリックイコライザを備え、周波数、ゲイン、アッテネーションや、EQフィルターの帯域幅などを調整できる。Low Boost/Vocal Boost/Loudnessなど5種のプリセットと4種のユーザー設定が用意され、サウンドを自由にカスタマイズできる点も特徴。

 EQは有機LEDのカラーディスプレイで確認可能。DSPをバイパスするモードも備えている。PC、Mac、iOS、AndroidとUSB接続して利用できる。

SHA900

 ヘッドフォン出力はステレオミニ。出力は最大135mW×2ch(16Ω)、最大95mW×2ch(42Ω)。対応ヘッドフォンインピーダンスは6~600Ω。USB入力のほか、ステレオミニのライン入力も備えており、スイッチで切り替えられる。

 バッテリ駆動時間はUSB接続時で最大10時間、アナログ接続時で最大20時間。

上部。左がボリュームダイヤル。天面は鏡面仕上げになっている
底面も鏡面仕上げ。USB入力や入力切替スイッチを用意している
側面には電源ボタンなどを装備

音を聴いてみる

 発表会場において、ハイレゾポータブルプレーヤーのAK380とのアナログ接続や、Androidスマートフォン「Xperia Z1」とのUSBデジタル接続などで音をチェックした。イヤフォンは、最適化して開発しているという「SE846」を使っている。

 SE846は、マルチウェイのバランスドアーマチュアイヤフォンとしては、各帯域の音が前へ前へとせり出すような鳴り方はせず、節度をもって、繋がりが良く、どちらかというとヘッドフォンのような広い音場空間を再生するタイプのイヤフォンだ。

 これをSHA900でドライブすると、音場の広さに磨きがかかると共に、広い空間の中でも、個々の音の輪郭がわかりやすくなり、よりクリアで明瞭な再生音に変化する。音像が頭の中心に近づいてくるのではなく、広い空間に距離をもって定位しつつ、そこから奏でられる音の明瞭さがアップする印象だ。個々のドライバがドライブ力の高いアンプでキッチリ駆動されていると感じる。SE846に抱いていた印象が、より良い方向に変化する、“よくできた相棒”というイメージのアンプだ。

(臼田勤哉/山崎健太郎)