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TANNOY、ソフトドームツイータを復活させた新スピーカー「Mercury 7」

 エソテリックは、英TANNOY(タンノイ)のスピーカー「Mercury 7」シリーズ3機種を12月1日より発売する。価格は、フロア型の「Mercury 7.4」が61,000円/台、ブックシェルフ型の「Mercury 7.1」がペアで44,000円、センタースピーカーの「Mercury 7C」が38,000円/台。

ブックシェルフ型「Mercury 7.1」

 9月の「2015東京インターナショナルオーディオショウ」で展示されていたモデルで、発売日と価格が決定した。ツイータは3機種共通で新設計の28mmソフトドームを各1基。ウーファはフロア型「7.4」が178mm径×2、ブックシェルフ型「7.1」が127mm径×1、センタースピーカー「7C」が127mm径×2。

センタースピーカー「Mercury 7C」
フロア型「Mercury 7.4」

 第7世代にあたる7シリーズは新設計の28mmツイータを採用し、“Mercuryシリーズ伝統”というソフトドーム振動板が復活。強力な高磁束密度マグネットと特殊なニトロウレタンコーティングの採用で、高域32kHzまでのワイドレンジ再生に対応する('13年発売のViシリーズはマグネシウム配合のアルミ合金製ツイータで53kHzまで対応)。

 ウーファの振動板は軽量・高剛性のマルチファイバーペーパーコーン。コンピューターによる「FEA」(Finite Element Analysis:有限要素解析)の導入で設計されたウーファ磁気回路を備え、パワーハンドリング性能が向上したことでより大音量で再生可能。また、通常のリスニングレベルにおいてもクリアな音質に貢献するという。新設計のラバーエッジでロングストロークに対応。「ハイスピードで引き締まったパワフルな低域と艶のある中域を両立させ、音楽に豊かな奥行きを与える」とする。

 クロスオーバーネットワークには、独自のDMT(Differential Material Technology=素材差動技術)防振コンパウンドを加えたカスタムフィルムコンデンサを採用し、不要振動を低減。リードワイヤには銀を使用している。また、低損失ラミネート鉄芯インダクターなど、数々のオーディオグレードパーツも採用。クロスオーバー周波数はフロア型が2.4kHz、ブックシェルフ型が3.4kHz、センタースピーカーが3.5kHz。

 エンクロージャはフロア型とセンタースピーカーがツインリアバスレフ、ブックシェルフ型がリアバスレフ。低域再生能力を高めるため、内部ブレーシング(添木)とチャンバー構造で堅牢性を高め、共振による音色の変化(カラーレーション)も抑えたとする。ドライバ背面をDMT防振コンパウンドを介して内部ブレーシングにも固定し、ピストンモーションを安定的に支え、空間表現力やダイナミクスを向上させるとしている。表面の仕上げはウォルナット木目調。

 金メッキ仕上げの大型スピーカー端子を備え、極太の高級スピーカーケーブルを確実に接続できるとする。フロア型はバイワイヤリング接続にも対応。

 フロア型はスピーカーベースとスパイク、スパイク受けを標準装備し、設置安定性を高めている。ブックシェルフ型とセンタースピーカーは背面に市販のスピーカーブラケットに対応したマウント用ネジ穴を備え、壁掛けや吊り下げなどの設置に対応する。

製品名Mercury 7.4Mercury 7.1Mercury 7C
形状フロア型ブックシェルフ型センタースピーカー
推奨アンプ出力20~150W20~80W20~120W
能率93dB87dB91dB
インピーダンス
周波数特性32Hz~32kHz53Hz~32kHz62Hz~32kHz
外形寸法
(幅×奥行き×高さ)
314.3×308×955mm160×194.7×270mm420×167.3×160mm
重量15kg2.7kg4.4kg

(庄司亮一)