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GM、今後日本で販売するキャデラック、シボレー全車種にApple「CarPlay」標準搭載

 ゼネラルモーターズ・ジャパン(GMジャパン)は8日、今後日本市場に輸入・販売するキャデラック、シボレーの全車種ラインナップにおいて、iPhoneをカーナビやカーオーディオとして活用できる、Appleの「CarPlay」を標準搭載すると発表した。CarPlayに標準装備で対応するのは国内初とする。

デモカーとして用意されたキャデラック CTS-V

 CarPlay標準搭載車は、2016年ラインナップのキャデラックのATSセダン/ATSクーペ/CTS/ATS-V/CTS-V/エスカレード。シボレーはキャプティバ/コルベットZ06。これらのスペックや価格などは、12月14日の週に、Webサイト「GMメディア・オンライン」で順次発表される予定。

キャデラックCTS
シボレー、コルベット
シボレー、コルベットZ06

 キャデラックやシボレーの車にはこれまで、カーナビは標準装備ではなくオプション扱いだった。2016年のラインナップからは、これが標準装備に変更。パナソニックが開発した、統合制御ナビゲーションシステムが採用され、キャデラックの車両は「CUE(キャデラック・ユーザー・エクスペリエンス)」、シボレーの車両には「シボレーMyLink」という名称で標準装備される。

 この統合制御ナビゲーションシステムが、CarPlayに対応。Lightningケーブルで対応iPhoneと接続すると、統合制御ナビのナビ機能などを使わず、iPhoneのiOSに内包されたCarPlay機能により、iPhoneをカーナビやカーオーディオのプレーヤーとして扱えるようになる。SMSを使ったメッセージ送受信なども可能。逆に、CarPlay機能を使わずに統合制御ナビを通常のカーナビとして使う事も可能。

CarPlayのホーム画面。アイコンがスマホ利用時よりも大きい
iPhoneとLightningケーブルで統合制御ナビゲーションシステムを接続する
標準的なホーム画面。サードパーティー製アプリを追加していくと、スマホのように次のページにアイコンが並ぶ

 CarPlayに対応した機器とiPhoneを接続すると、統合制御ナビのディスプレイにiPhoneのホーム画面のようなアイコンが並ぶ。スマホをして利用するよりもアイコンは大きく、操作しやすくなっているのが特徴。iPhoneにインストールされているアプリが全て表示されるのではなく、CarPlayに対応したアプリが並び、純正アプリでは「電話」、「ミュージック」、「マップ」、「メッセージ」がメインとなる。

 主な操作はSiriで行ない、「電話」、「山田太郎さんへ」といった声での指令で電話をかけたり、ナビの目的地を設定できる。音楽再生もアーティスト名や曲名を声に出して指示できる。メッセージアプリで、Siriに向かって話しかけてメールを作成、送信する事も可能。ステアリングにはSiriに話かけるためのボタンも備えている。

ナビ機能を利用しているところ
音楽再生画面。プレイリスト、アーティストなど、スマホ利用時と変わらない音楽再生機能が使える

 PodcastやオーディオブックなどのアプリもCarPlayに対応。現在はプリインストールアプリが主流だが、GMは「将来的にサードパーティー製アプリも増えていくだろう。また、GMでも独自のアプリ開発していく予定」とした。

GMジャパン

GMジャパンの石井澄人代表取締役社長

 GMジャパンの石井澄人代表取締役社長は、同社が掲げる戦略的優先順位として、「お客様と永遠の関係創り」、「ブランドの成長」、「技術と革新でリードする」、「効率的運営を促進する」、「勝利を得るための企業文化」という5つのワードを紹介。その中でCarPlayは「技術と革新でリードする」に位置していると説明。自動車のセルスターターを初めて導入したのがキャデラックだった事なども振り返り、GMの先進的な姿勢を紹介。

 さらに、頻繁に渡米する自身の経験から、タクシーの料金をスマートフォンで支払うのが一般的で、空港のいたるところにニュースやフライトステータスが確認できるタブレットが置かれているなど、スマートフォンやITの活用度では米国が日本よりも大きく進んでいると説明。スマートフォンの機能を活用するCarPlayへ対応させていく事で、スマートフォンがより活用される今後の日本市場で、顧客の満足度や利便性を向上させる事に繋がるとした。

(山崎健太郎)