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コーレル、マルチカメラ同期編集/HEVC対応の「VideoStudio X9」

 コーレルは、ビデオ編集ソフト「VideoStudio Pro X9」と、Proに映像補正機能などのツール群を追加した「VideoStudio Ultimate X9」を2月26日に発売する。パッケージの通常版価格は、Proが14,800円、Ultimateが19,800円。ダウンロード版はProが12,800円、Ultimateが16,800円。パッケージ、ダウンロード版ともにアップグレード版や特別優待版などを用意する。各バージョンの価格は後述する。対応OSは、Windows 7/8/8.1/10。

VideoStudio Pro X9(右)/VideoStudio Ultimate X9(左)
VideoStudio X9シリーズの編集画面

 XAVC S形式を含む4K(4,096×2,304ドット/3,840×2,160ドット)やAVCHDなどの映像編集が行なえるソフト。Pro/Ultimate共通の主な新機能は、マルチカメラ編集、モーショントラッキングのマルチポイント化、映像テンプレートを自作できるFastFlick(旧:かんたんフォトムービー作成機能)の追加など。上位のUltimateでは細かな映像調整が行なえるNewBlue「VideoEssentials VII」やproDADのエフェクトツール群が搭載されている。

 どちらもIntelの第6世代Coreプロセッサ「Skylake」に最適化。新たにH.265/HEVC形式の読み込み/書き出しに対応する。H.265/HEVC利用時は、Windows 10とSkylakeが必要。また、Ultimateは新たに、業務用カメラ向けのビデオフォーマット「MXF」読み込みに対応する。

最大6台のカメラ映像を同期編集。複数の動き追従モザイクも

 VideoStudio X9のPro/Ultimateで共通の新機能として、同一シーンを異なる角度のカメラでとらえた複数の映像を音声などで同期させて編集する「マルチカメラエディタ」を搭載。ライブやスポーツ、イベントなどの様子をダイナミックに仕上げられるという。

 マルチカメラエディタでは、Proは最大4台分、Ultimateは最大6台分の映像を読み込み可能。読み込んだ映像を音声やマーカー、撮影日時などで同期させ、カメラを切り替えたいタイミングでタイムライン上からプレビューをクリックしていくだけで切り替え編集が行なえる。同期させた各トラックをロックすることで意図しない移動を防げる。

マルチカメラ映像の編集画面

 タイムライン上で扱えるトラック数は、ビデオトラックが最大21、ミュージックトラックが8。トラックボタンの右クリックメニューからタイムライン上のトラックの上下に追加トラックを簡単に配置できるようメニューが強化されている。

モーショントラッキング機能がマルチポイント化

 動いている被写体に画像/文字などを追従させるモーショントラッキング機能では、新たに複数のトラッキングポイント設定が可能になった。たとえば車のナンバープレートなど映像に写り込ませたくない部分にモザイクを掛ける場合、プレートの四隅にトラッキングポイントを配置し、移動に合わせて拡大/縮小してもモザイク加工を自動適用できるようになっている。

画面奥へと進む列車の一部を4点トラッキングさせたところ
Fastflick

 写真/動画とテンプレートを使ったフォトムービー作成が手軽にできる、初心者向け「おまかせモード」は、名称を「Fastflick」に変更。新たに「Fastflickテンプレートデザイナー」を備え、イメージやトランジション、モーションなどの効果を設定したVideoStudioプロジェクトファイルから、Fastflickのオリジナルテンプレート作成が行なえる。新規テンプレート10点も追加されている。

VideoStudioプロジェクトからテンプレートを作成できる
オーディオ平均化機能を搭載

 音声関連では複数クリップの音声レベルを平均化(ノーマライズ)できる機能が新たに追加。またX8から搭載された、動画にBGMを付ける際に会話などの音声部分でBGM音量を抑えるオーディオダッキング機能には、アタック/ディケイのタイミングを手動で秒数設定できる機能が加わり、より細かい調整が可能になった。

オーディオダッキングでアタック/ディケイの手動調整が可能に
ニコニコ動画への直接アップロードが可能

 編集した映像作品はYouTubeやFacebookに加え、新たにニコニコ動画への直接アップロードにも対応。iPhoneやAndroid端末、ポータブルゲーム機などのモバイル機器で再生可能なフォーマットでの出力もできる。

 前バージョンのX8.5から搭載された「VideoStudio MyDVD」(旧:Roxio BD/DVDオーサリングソフト)を使い、メニュー/チャプターを組み込むなどのBD/DVDオーサリングも可能。ただしBD読み込み/書き出しには別途、有償オプション(実売1,000円程度)のBlu-rayプラグイン購入が必要となっている。

BDメディアへの書き出しは有償で機能追加が必要
VideoStudio MyDVD

 上位バージョンであるUltimateには、NewBlue製の映像編集用ツール「VideoEssentials VII」を搭載。映像のコントラストや明度・色相などを調整できる「ビデオチューンナッププラス」や、モザイク処理を簡単にできる「クイックピクセレータ」などを備える。

NewBlueの映像調整「ビデオチューンナッププラス」
クイックピクセレータ

 proDAD製のエフェクトツールは、タイトルロゴの追加エフェクトのほか、地図などの上をなぞった軌跡の上に飛行機などのシンボルを移動させる「RotoPen」などを備えている。

proDADエフェクトの例
飛行機シンボルの移動経路をマップ上でアニメーション化

 コーレルでは、X9の発売を前に、旧世代となるX8シリーズの期間限定値引きキャンペーンを25日まで実施中。対象製品はVideoStudio Pro/Ultimate X8の全製品で、販売価格は各店頭やオンラインストアによって異なる。コーレル直販サイトではパッケージ版/ダウンロード版ともに30%値引きで販売している。

種類製品名バージョン価格
パッケージ版VideoStudio Pro X9通常版14,800円
アップグレード/
特別優待版
7,980円
アカデミック版7,800円
VideoStudio Ultimate X9通常版19,800円
アップグレード/
特別優待版
14,800円
アカデミック版11,800円
ダウンロード版VideoStudio Pro X9通常版12,800円
アップグレード版6,980円
VideoStudio Ultimate X9通常版16,800円
アップグレード版12,800円

(庄司亮一)