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4K/8K放送に向け新団体「A-PAB」が4月1日発足。DpaとNexTV-F統合

 デジタル放送推進協会(Dpa)は、2月26日に臨時総会を開始し、次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)との合併が承認された。この合併により、4月1日からは一般社団法人の「放送サービス高度化推進協会」(A-PAB)が発足する。なお、NexTV-Fでは2月22日の臨時総会で既に合併が承認されていた。

 Dpaの臨時総会には、議決権を持つ正会員223団体のうち103団体が出席、委任状による参加が45団体、書面表決による参加が47団体で、合わせて195団体が参加し、臨時総会が有効に成立。

 審議事項は、第1号議案「一般社団法人次世代放送推進フォーラムとの合併について」、第2号議案「合併に伴う規定の変更について」、第3号議案「合併に伴う役員の選任について」。

 この中で、Dpaを存続法人とすることや、新団体の名称を放送サービス高度化推進協会(The Association for Promotion of Advanced Broadcasting Services/A-PAB)とすることなどを記した定款等の規定の変更について説明された。審議の結果、第1号議案から第3号議案は異議なしと認められ、原案の通り承認された。

 このほかにも、合併に伴う規定の新設/変更や、2016年度事業計画及び収支予算が報告された。事業計画では、4K/8Kテレビ放送など「放送サービスの高度化」を確実に実現できるよう送受信環境を整備することや、高度化のためのコンテンツ制作やサービスの構築、視聴者への周知広報の実施を中期的な事業の柱とすることが提示された。2016年度は、放送サービスの高度化にかかわる技術仕様の検討、検証、評価、仕様の実用化に向けてBSによる4K8K試験放送を開始することなどが説明された。

 なお、Dpaの福田俊男理事長は、審議の前にNHKアイテックに関する不正事案についても言及。この問題は、NHKアイテックの社員2名が架空の発注により合計2億円を着服したというものだが、そのうち約4,800万円がデジサポ(総務省テレビ混信対策センター)の新たな難視解消の作業に際し、Dpaへ偽造した関係書類を提出し、Dpaからの業務委託費の一部を着服していたという。福田理事長は「調査の結果、Dpa・デジサポの審査手続きは適正に行なわれていた。ほかの案件についても調査しているが、現状では不正なものは発見されていない。当協会としても忸怩たる思い。今後、一層脇をかためながら取り組む」とした。

(中林暁)