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「IFA 2016」はBtoB会場新設などで拡大。中国・深センで第1回「CE China」も
(2016/4/19 09:03)
国際コンシューマ・エレクトロニクス展「IFA 2016」が、ドイツ・ベルリンの国際見本市会場において9月2日~9月7日(現地時間)に開催される。これに先駆けて、報道関係者向けのプレイベント「IFA 2015 Global Press Conference」(IFA GPC)が香港で4月18日に開幕した。
IFA 2016は、ドイツ・ベルリン国際見本市会場で9月2日~7日(現地時間)に開催。1924年の初開催から今年で56回目となる。AV/IT機器や、白物家電メーカーのほか、スタートアップ企業なども多数参加し、家電やIoT、VRなど最新トレンドの製品が展示される。
IFA GPCは、IFAの本イベント出展社らが新製品の予告や今後の戦略などについてプレゼンテーションを行なうもの。今回が10回目で、初めて欧州以外の国での開催となった。また、IFAの姉妹イベントと位置付けられる「CE China」の第1回が、4月20日から22日までの3日間、中国・深セン市の「Shenzhen Convention and Exhibition Center」で開催される節目の年ともなった。
BtoB専門の会場をベルリン市内に新設
IFAを運営するメッセ・ベルリン(Messe Berlin)のクリスチャン・ゲーケCEOは、昨年のIFA 2015は、展示面積が前年比0.3%増の約15万m2へ拡大したことや、来場者が24万人、そのうちトレード目的の来場者が前年比32%増の14万人まで拡大したことをアピール。
Tech Watchのコーナーには、スマートホームアプリから、“(センサー内蔵の)デジタルランニングシューズ”といったユニークな製品が集結。15カ国から45のスタートアップ企業が参加した。
また、Apple製品の周辺機器などを扱うメーカーが多数出展する「iZone」のコーナーでは、19カ国が6,000m2のエリアに展示。その他にも、スペシャル展示エリアとして「FITNESS & ACTIVITY」というコーナーも用意された。
'16年のIFAの変更点として、ベルリン市内に新たな展示拠点を用意。「IFA Global Markets」と呼ぶBtoB専用のコーナーで、IFAの本会場であるMesse Berlinから車や地下鉄で20分ほどで移動できる場所に新設。広さは約1万m2で、部品メーカーや、ODM/OEMメーカーなどが集まる商談向けのスペースであり、一般の入場はできない。これまでもIFA会場内にはBtoB専用のスペースが設けられていたが、コンシューマ向けの展示のスペースが足りなくなったことも、BtoBのみ別会場になったことの大きな要因だという。
そのほか、様々な業界から代表者が集まり、未来のトレンドや技術革新のきっかけなどを探る「IFA + Summit」のイベントでは、'16年はMicrosoftのほか、広告関連のクリエイター、人工知能の専門家などが集まる予定。
基調講演は、'15年はLGやマイクロソフト、ハーマンインターナショナルが登壇したが、'16年の登壇者として、BOSCH(ボッシュ)やSIEMENS(シーメンス)を展開するB/S/HのDr. Karsten Ottenberg CEOが「Connected Kitchen」をテーマに9月2日に登場。Daimler(ダイムラー)のDr.Dieter Zetsche取締役会長も同日に登壇することが決まっている。
中国・深センで第1回「CE China」開催。オンキヨーやiFI Audioも参加
今回のIFA GPCの会場の一つとなっている中国・深センは、鴻海精密工業(ホンハイ)やファーウェイ、ZTEといったテクノロジーや金融などの様々な企業が集まる経済特区として知られる。この地に20日からは国際家電イベントの「CE China」が開幕。会場はShenzhen Convention and Exhibition Centerで、会期は22日まで。中国やグローバルブランドのデジタル機器や生活家電などの製品/サービスが登場するトレードショーとなっている。
Messe BerlinのゲーケCEOは、CE Chinaの開催理由として、「シンプルに、ベルリンでのIFAのクオリティと成功の両方を中国でも同じように実現する試み」と説明。
IFAの様々なパートナーとの協力で実現しており、オンラインショッピングなどで知られるAlibaba GroupやZTEなどの企業が参加するほか、日本からはオンキヨーブランドも出展。英iFI Audioもメンバーに加わっている。
IFAグローバル統轄本部長のイエンズ・ハイテッカー氏は、CE Chinaの開催について、単にIFAのコピーでは無く、リテーラーなどとの協力で、中国とアジアに向けた新たなショーとして提案することを紹介。
アジア向けの展示イベントとしては、CESを運営するCTA(Consumer Technology Association)が、「CES Asia」を'15年に中国・上海で開催したが、それとの違いとしては、自動車産業やモバイル技術ではなく、デジタル家電や生活家電などにフォーカスしていることを強調した。
今回のIFA GPCには、50カ国以上、300人を超すジャーナリストらが参加している。記者会見では、今回のIFAの概要が紹介されたほか、家電業界を取り巻く市場環境などについて、調査会社のGfKらがプレゼンテーションを行なった。マーケットトレンドなどに関する発表会は、別記事でレポートする。