ミニレビュー

テレビもVODも操作可能! PS4ユーザー待望のHORI「BD/TV マルチリモコン」

 ゲーム機能だけでなく、torne PlayStation 4を使ったテレビ番組視聴、NetflixやHulu、Amazon プライム・ビデオなどの動画配信サービスにも多数対応し、AV機器としての要素も強い「PlayStation 4」(PS4)。そうしたAV機能を活用しているユーザーにとっては待望とも言えるPS4対応のリモコン「BD/TV マルチリモコン for PlayStation4」がHORIから登場した。価格は4,298円(税込)で、ECサイトや家電量販店などで購入できる。

 PlayStation 3では、SIE(当時はSCE)から「CECH-ZRC1J」とい専用リモコン製品が発売されていたが、PS4用リモコンは本体発売から1年半以上経ってもSIEから発売されていない。しかし、HORIのリモコンは、外観がCECH-ZRC1Jによく似ているだけでなく、PS4だけでなくテレビや対応アンプも操作できるなど、機能面でもCECH-ZRC1Jを踏襲している。

PS3用のSIE純正リモコン「CECH-ZRC1J」

PS4だけでなく、テレビなども操作可能

 「BD/TV マルチリモコン for PlayStation4」(以下PS4版リモコン)の本体サイズは約235×45×22mm(縦×横×厚さ)、重量は約110g。CECH-ZRC1J(230×50×19.5mm)と比べると厚みは増したが横幅が5mm縮まり、角の部分がより丸みを帯びたデザインになったことで、手に持った時に握りやすくなった。また、縦の長さは5mm大きくなっているものの、本体下部が斜めになっているので、見た目はさほどその大きさを感じない。

BD/TV マルチリモコン for PlayStation4
パッケージ

 重量を実測すると約113g。CECH-ZRC1J(約102)との差は約10g。実際に手に取ると、PS4版リモコンのほうが確かにやや重みを感じるが、比べてやっとわかる程度。それよりも本体の幅が縮まって握りやすくなったことのほうが恩恵を感じる。

 ボタンは、上部にPS4/AMP/TVなどのデバイス選択や、入力切替、TV/AMPの電源ボタン、3Dボタンなどを装備。その下に12キーボタン、さらに下には字幕(SUBTITLE)、アングル(ANGLE)、ポップアップメニュー[POP UP]、4色ボタンなどを配している。

上部にデバイス切り替えやTV関連ボタン

 中央にはプレイステーション用の十字カーソルと、○×△□ボタン、PSボタンや、L1/L2/L3、R1/R2/R3、SHARE、OPTIONSなどプレイステーション用のボタンが並ぶ。また、PS4のタッチパッドをクリックした時の動作用として[TOUCH]ボタンが新たに追加されている。再生や停止、スキップなどのトリックプレイ用の操作ボタンは一番下になり、音量とチャンネルボタンがその上に配置されている。

下部はプレイステーション関連のボタンが並ぶ

本体のBluetooth設定からリモコンを登録

 初期設定は他のBluetooth機器と同様の手順となり、PS4の「設定」から「周辺機器」「Bluetooth機器」を選択してBluetooth機器の登録画面を表示。続いてリモコンの「PS4」ボタンを押してPS4操作モードに切り替えた状態で、SHAREボタンを押しながらPSボタンを5秒以上長押しすると、画面に「BD Remote controller」が表示され、PS4本体への登録が可能になる。

Bluetooth機器の設定画面
リモコンのSHAREボタンとPSボタンの長押しでリモコンがBluetoothペアリングモードに
リモコンをPS4に登録
登録が完了すると緑色の丸マークが表示される

 続いてテレビのリモコンとして登録する場合は、右上の[TV]ボタンを押しながら10キー左下にある[C]ボタンを押すとTVボタンが点滅し、ペアリングモードになる。このときに操作したいテレビのメーカーごとに用意された3桁の数字を10キーで入力し、本体中央の[ENTER]を押せば登録は完了だ。メーカーごとの番号は下記の通りとなる。

  • ソニー:101 102 103
  • パナソニック:104 105
  • 東芝:106 107 108 109 110
  • 日立:111 112
  • 三菱:113 114 115
  • ビクター:116 117 118
  • シャープ:119 120 121 122 123 124 125
  • パイオニア:126 127 128
  • サンヨー:129 130
赤外線通信部

機能や使い勝手は十分だが、ボタンは若干の押しにくさも

 リモコンを利用する場合は、操作したい機器に合わせて本体右上の[DEVICE]ボタンで操作モードの切り替えが必要。PS4を利用するなら[PS4]、テレビを操作するなら[TV]を押せばモードが切り替わる。

 異なるモードの場合は動作せず、例えば[TV]モードの時にPSボタンを押してもPS4は動作しない。ただし、本体上部にある外部入力の[INPUT]と、電源オンオフに利用する緑色の[AMP][TV]はどのモード時でも利用できる。

DEVICEボタンでPS4を選択

 音量ボタン周りの位置が変更されたが、操作時に大きな支障はない。片手で持った際も親指を上下に動かせば十分に押せる範囲であることに加え、背面のくぼみがやや下方向となっているため、本体を持つ場所も下となり、結果として十字ボタンから音量ボタンやトリックプレイボタンまでが自然と押せるようになっている。

 CECH-ZRC1Jと比べると、15秒送りなどに使える[FLASH]ボタンが省略されてはいるが、torne PS4を使う場合は、FLASHボタンはR1/L1ボタンと共通のため操作は困らない。BD/DVDを再生時に、PS3のFLASHボタンのような15秒送り/戻しが行なえないが、CMの入らないBD/DVDを視聴するのであれば、さほど影響はないだろう。

 違和感を感じるのは、ボタン操作時の反応で、CECH-ZRC1Jと比べて厚みがあるボタン素材のため、深くしっかり押さないと反応しない。十字ボタンや早送りなど1回押し程度の操作はさほど問題はないが、torneで複数の番組を選択してまとめて削除、などという連続操作を行なう際に、操作が早すぎるとボタンがしっかり押されずに誤操作の元となりがちだった。

 また、CECH-ZRC1Jでは[PS3]ボタンを押しただけでは本体の電源が入らなかったが、PS4版リモコンでは[PS4]ボタンを押すと必ず電源が入る。

動画配信サービスもリモコンで操作。ただしHuluは現在のところ対象外

 ボタンの押し心地に若干の癖はあるものの、リモコンとしては非常に便利。PS4の操作はBluetooth経由のため、リモコンをわざわざテレビに向ける必要もなく、好きな位置でボタンを押せばいい。PS4のHDMI CECをオンにしておけば、リモコンのボタンを押すだけでテレビの電源が入り、PS4の画面が表示されるため、PS4を操作するための手数も少なくてすむ。

 PS4の映像配信サービス系アプリにも対応しており、YouTube、Amazon プライム・ビデオ、Netflix、アニマックス PLUS、Twitch、DMM.comもリモコンで操作可能。番組の選択から再生や一時停止、早送り/早戻しといった一連の操作をリモコンで行なえる。

PS4の動画配信サービス
Amazonプライムビデオを利用

 ただし、Huluはリモコン操作の対象外で、Huluアプリを選択することはできるが、Huluアプリ起動後はPSボタンを押してホーム画面に戻る以外の操作ができない。PS3版ではHuluの操作が可能だっただけに、Huluユーザーとしては今後対応を期待したいところだ。

Huluのみアプリの起動はできるが操作はできない

 なお、「PS4」モードの時はどのボタンを押してもPS4が起動してしまうため、テーブルの上に置いたリモコンをふとした表示に触っただけでPS4の電源が入ってしまい、再度電源をオフにする手間がかかる。「TV」モードの場合は、テレビの電源ボタンを押さない限りどのボタンを押してもPS4はもちろんテレビの電源が入ることもないため、PS4を利用し終わった後は必ず「TV」ボタンを押してテレビモードにしておくことをお勧めする。

AV機器としてPS4を活用するユーザーにオススメ

 AV機器としてPS4を活用しているユーザーにとっては待望のリモコン。PS3の純正リモコン「CECH-ZRC1J」と比べると操作感にやや難点はあるが、機能はほぼ同等で不満はない。

 PS4のコントローラと比べるとバッテリーの持ちもよく、テレビリモコンとしても使えるので、torneや動画配信サービスの利用頻度が高い人には間違いなくオススメだ。

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甲斐祐樹

Impress Watch記者から現在はフリーライターに。Watch時代にネットワーク関連を担当していたこともあり、DTCP-IP周りのネット連携や動画配信サービスなどが興味分野。ライター以外にもネット家電ベンチャー「Cerevo」スタッフとして活動中。個人ブログは「カイ士伝」)